最近は減ったが、昔はよく「俺は若い頃は本当に人の2-3倍働いた」と自慢していた社長は多かった。そんな時には必ず、「だからこんな体になったのですよ」と言う。社長は怪訝な顔をするが事実である。以前から、「病気は仰山にしろ」「我慢弱い」「すぐに根をあげろ」「御身大切」と言い続けている。なぜこんなにこだわるかというと、若い頃に無理をして、年を取ってどうにもならなくなった方ばかり診てきたからである。若い頃に無理をするとこんな体になっちゃうんだ。特にテニスやゴルフなどスポーツで体を壊した方は多い。今日来た方も20年来の常連さんだが、親が晩年歩けなくなってしまったのを見て、「あういう風にはなりたくないので、今から何をすればいいの?」と聞くので、「あまり無理をしないで、親の病気をできる限り詳細に調べて、毎年その病気になるリスクを検査して、その都度対策を立てるしかないでしょうね」と言ったら、「なるほど、そういうことか」と言っていた。なぜこういう考え方を持っているかというと、これにはいくつか理由があって、「人は人を作れない」、プラモなら壊れてもまた作ればいいが、人の身体は簡単には作れない、親からの授かりものであるからである。授かったものを粗末にするのはいかがなものかと思ってしまう。もう一つは、投資の神様バフェットの名言で、「あなたが車を一台持っていて一生その車にしか乗れないとしよう。当然あなたはその車を大切に扱うだろう。ここで考えて欲しいのは、あなたが一生に一つの心と一つの体しか持てないということだ。」人にはいろいろな考え方があり、「太く短く」をモットーにしている方はいるとは思うが、自分では作れないものに対しての敬意は払うべきだと思っている。
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