昨日来た方は実に珍しいぎっくり腰だった。今まで腰痛の原因は「脚」か「腹」と言い続けてきたが、脚が何ともない。では「腹」となるがこれもたいしたことはない。あと腰痛の原因は「背中」「頭」だが、取り敢えず頭は問題がない。では背中かと言うと背中は悪くないが肩の三角筋を両側手術している。詳しく診ると左の三角筋の切った範囲が広い。これでは僧帽筋や広背筋がやられてしまう。今回のぎっくり腰も左側が辛いという。こうなると治療法は肩関節を緩めれば腰痛は楽になるはずである。実際やってみると左肩関節の動きが実に悪い。患者は痛がったがストレッチをすると腰が楽だと言う。治療法の考え方に間違いがないことを確認したので今度は右側。しかし右腕を診た途端、鞭打ちの後遺症の反応がある。これはもしかしたら首のゆがみで顎関節異常があるのではと疑ったら、本人も自覚があると言う。何となく歯列のズレを感じていた所だと言う。これはもう専門家に歯列を診て頂かなければ不味い。身体の現状は一通り説明したが、このタイプの患者は今までに2-3人しみたことがない。計算すると恐らく1万人に1人位の確率であろう。そんな話をしたらよそでも似たような事を言われたらしい。その話を聞いて、「当院の卒業試験問題にしたいです。この患者の原因が解説できたら、当院を卒業して開業しても十分食べていけます。」と言ったら、「え、そうだったんですか」と言っていた。
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