以前、治療効果は階段的変化である程度頑張っても良くならないときがある、しかしその後突然ジャンプするみたいに改善するという話を書いた。体力が落ちるときもそれと似ていて下り坂のように落ちるのではなく、突然ガクッと落ちる。60代の男性で普段はゴルフ、冬はスキーを楽しんでいる方が、突然太腿が悪化した。理由を聞いたら特別なことはやっていないという。ただし、3日続けてゴルフをしたが、2日目はカートで回ったので、負担にはそんなにならないはずだという。この方はいつもは2日連続のゴルフはあったが、3日続けてのゴルフはしたことがない。身体全体を見て、ゴルフによる筋肉痛は間違いがないので、本人が思って感じているよりも体が根を上げたと説明をした。本人は話を聞いても納得せず、「だって2日目はカートで全然身体に負担はかけていない。すこし初日に頑張っただけだ。」と言う。我々からすると何と言われても身体が間違うことはないので、3日間連続ゴルフが本人の体力・回復力を上回り、身体が拒否をしたと結論づけた。中々体力の衰えを認めたくない気持ちは分かるが、そこを間違えると今後身体を痛めるばかりでスポーツを楽しめない。私も還暦が近くなり、仕事柄そういう方達を診ているので、「○○はどうせできっこない」と思って活動するようにしている。しかしやってみて出来たら、「何だ出来るんだ、ではもう少し。」と思って、多少追加するようにしている。これは皆様の壊れた身体を診させて頂いて学んだ知恵である。だから突然○○が出来なくなっても、「階段変化だもん、仕方がない。」と思って落ち込まない。いつまでも頑張りたい気持ちは分かるが、自分の身体の現状は知らないと大変なことになる。こういう経験からも何事も程々である。昔から道楽七分という。
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