キーワード スポーツ

スポーツと子供の不幸

仕事柄スポーツをやって身体を痛めた方はよく診る。スポーツもレジャーやリクレーション、趣味程度ならいいが、「絶対に勝ちたい。」という気持ちが強すぎると少し考えものである。何が何でも相手を叩き潰す。コテンパンにやっつける。相手をひれ伏せさせる。この考えの延長で友人や家庭内、特に夫婦、義理の親などを考えてしまうと不徳を積む。特に夫婦で何が何でも夫に謝らせるとか、自分に従わせるでは家庭がうまくいかない。そ…

スポーツマンに見る気合いと科学

スポーツをやっている方で関節を痛める方は多い。以前から酷い捻挫の方には苦労しているが、最近は足のクリニックなどで診て頂けるので大分助かっている。特に若い方達は気持ちと気合いでスポーツをやっていることが良くわかる。筋肉の状態を診ると、根性だけで体を壊している方が多い。限界を超えなければならない、とことんまでやる、挑戦し続けると気持ちは分かるが身体がついていかない。何処かを壊しても、治ったらまたいつも…

スポーツと怪我の関係

プロのスポーツ選手は来ないが、アマチュアでかなりの所までやっていた方は来る。現役時代に怪我をした話を聞くが、よく聞いてみると同じ所でつまずいている。例えばスキーなどで膝を痛めている方は多いが、たまたま風邪を引いて体調がすぐれない時に練習をする。風邪程度なら普段の7-8割だろうと思って練習をすると、怪我をする。実際風邪などで胃腸機能が落ちている時は、腹筋力がなく、股関節回りや脚に至るまで、能力が普段…

だからこんな体になったのです

最近は減ったが、昔はよく「俺は若い頃は本当に人の2-3倍働いた」と自慢していた社長は多かった。そんな時には必ず、「だからこんな体になったのですよ」と言う。社長は怪訝な顔をするが事実である。以前から、「病気は仰山にしろ」「我慢弱い」「すぐに根をあげろ」「御身大切」と言い続けている。なぜこんなにこだわるかというと、若い頃に無理をして、年を取ってどうにもならなくなった方ばかり診てきたからである。若い頃に…

マラソン完走のヒント

私自身、マラソンで完走をしたことはないので偉そうなことは言えないが、ただ患者さんの身体を診ていて感じることはある。それは、「馬鹿正直に走っては駄目」という事である。うちの来る方は必ず不具合か痛みを感じている。原因が筋肉だけなら我々でかなり治せるが、神経・血流障害や関節の問題となると、専門医の治療が必要になってくる。本番までに体調を万全に出来れば良いが、そういう方はなかなかいない。何処かに不具合を感…

テニスと麻薬

今まで何人もテニスにはまっている患者を診ている。テニスに関しては何度もお薦めしないスポーツと言っているが、はまっている方の中でも趣味を越えて、麻薬患者がいる。大抵そういう方は最低でも週4回、多いと5回はプレーをしている。基本的に筋肉の質が良く、肘など痛くならず勝ち続けると面白くなり、特にダブルスだと抜けられなくなる。たまに週に2回ぐらいしかしていないと焦り、お誘いがかからないかと思ってしまう。この…

手術した側を鍛えなければ・・・

右乳がん術後で首肩の症状がなかなか取れない方が通っている。今日久しぶりに来て話を聞いたら、「手術した右側が弱いから、少し鍛えなければ・・・」と言う。ちょっとこの話を聞きながら違和感を感じた。手術をして胸筋を切っているから鍛えたいという気持ちは分かるが、身体にしてみたら、「切ったのだからあまり酷使しないで」と言いたいだろう。もし鍛えたいなら、ちゃんとトレーナーや治療家をつけて、時間をかけ計画的に鍛え…

どこまで治りたいの?

最近、当院の常連さんが4人股関節の置換術をした。皆さんリハが順調でやれやれだが、以前同じ手術をした人が、体調が良く少し運動をしたいと自分で筋トレをして、股関節を痛めた事があった。以前も股関節の手術成績が良い事は書いたが、それはあくまで日常生活に支障がないレベルであり、手術した全員がマラソンなどの運動をやっていいという事にはならない。もしやりたいという希望があるなら、専門の理学療法士に指導を頂き、そ…

患者層

病院によってはお年寄りばかり診ている先生もいるし、若いスポーツをやっている人ばかり診ている先生もいる。例えば40代の女性が、首や肩が痛くて年寄りばかり診ている先生に訴えれば、「あなたみたいに若い方が何を言っているの。問題ないから大丈夫。」となるだろうし、若いスポーツをやっている人ばかり診ている先生に診てもらえば、「やはり年齢的なものは関係していると思います。あまり無理をなさらず・・・。」となるだろ…

関節・筋肉・ストレッチ

常連さんが地方に行って腰が辛かったので、検索して近くのスポーツマッサージの先生に診てもらったと言う。そうしたら、「骨盤が左にずれています。このままだと膝にも良くないし、股関節を柔軟にしておきます。坐骨神経もやっておきます。」と言われ、今まであまり受けたことのない治療だったせいか、とてもよく効いたと言う。「それはおそらく理学療法の先生です。身体を治す場合に考え方がいくつかあって、理学療法士は関節のこ…

ここが落とし穴-アイシングは逆効果?

以前から、「ぎっくり腰は炎症だから患部を冷やしてお風呂で暖めてはダメ。」と言われていた。 しかし段々とぎっくり腰の時にお風呂に入ると楽になるという報告が続き、私自身どちらが正解なのかわからずにいた。 そんな時にタイミング良く私が酷いぎっくり腰になってしまい、絶好の検証する機会を得た。 お風呂まで這っていき、恐る恐る身体を温める。それも十分温まるまで。 15分か20分ぐらいしたところで恐る恐る立って…

挑戦とゆとり

例えば膝を痛めた場合、皆さんは、「サポーターをして楽だから、少し負担をかけてみよう」という感覚を持っている。 少し負担をかけて楽ならもっと負担をかける。痛みを感じるまでかけてみる。痛みが出れば、止める。 サポーターをしてるのだからと限界までやってしまう、又やりたくなる。 この感覚はどこから来るのだろうか? おそらく、「挑戦」ということが身についているからであろう。 勉強でもスポーツでも仕事でも、何…

手のシビレとバンドエイド

父を亡くして10年になるが、時々昔を思い出す。父は交通事故で鞭打ちの後遺症、手のシビレをよく言っていて、親指にバンドエイドを巻いていた。今から考えれば首を痛め、橈骨神経がやられて親指が辛かったのだろうとわかるが、当時は傷もないのに何でバンドエイドを貼っているのだろうぐらいの感覚しかなかった。子供ながらに何とかしたいという気持ちも治療の道に進むきっかけになった。やがて鍼灸学校に通っているときに同級生…

ちょっと元気になるものないの?

常連さんがスポーツをやっていて、「少し疲れを感じた場合、すぐに効いてちょっと元気になるものないの?」と聞くので、「キューピーコーワゴールドA、チョコラBB、アリナミンAなどお薦めですが、病院の先生を知っているなら強ミノの注射がいいです。強ミノは正式には「強力ネオミノファーゲンシ―」といいますが、グリチルリチンが成分で肝機能改善によく使います。細胞膜の再生を促す働きなどもあり、よくお酒を飲まれる方は…

最後まで原因追及する姿勢

先日、私が脊柱管狭窄症を患い、足のシビレがあることは書いた。 お陰様で色々な治療を実験的に受けてほぼ80%は治った。 しかし右足のシビレが今一つ楽にならない。 この程度治ればもういいやという気持ちと、完治まで何とかしたいという気持ちが心の中で闘っている。 そんな時に自分で悪い側の股関節を動かしていたら、何となく違和感を感じる。 「もしかしたら、股関節と脊柱管狭窄症は密接だから、ここから何か突破口が…

腸とリハ

股関節を手術した人が、友だちに寿司をご馳走になったら、翌朝とても腸の調子が良かったという。どんな寿司なのか聞いたら、本来の江戸前で、ネタを発酵・熟成して出すらしい。江戸時代は冷蔵庫などないから、寿司には優れた抗菌の知恵がある。「酢飯」「わさび」「ガリ」「お茶」「漬け」は全て抗菌である。特にネタを発酵させて日持ちさせる技術があるそうだが、肉でも最近は「熟成肉」と言って、高級素材として有名である。熟成…

肩に包丁が刺さっている

昨日紹介で来たスポーツトレーナーは肩を痛め整形で注射を打ったもらった後、「動かしていい」と言われ、筋トレをいたらどんどん痛くなって医者を変えた。そうしたら、「安静」と逆のことを言われ、その後経過が良くないので紹介されてきた。調べてみると痛めた左肩が全体的に腫れている。これは診ただけで、「痛いのに筋トレを頑張った」事を意味する。こういう方は概して頑張り屋さんで、当院の勧めている「我慢弱い」の生き方と…

完治させるコツ

頚椎椎間板ヘルニアで通っている方がほぼ良くなった。本人に聞いたら、95点だという。しかし以前ブログで、「残り5%の痛みを取るのは至難の業」と書いた。1番きついのは「痛みが後1.5%残っています」と言われることである。病院などでは3~6ヶ月ぐらいでこのくらい痛みが取れれば、この後あまり痛みが変化しない事を知っているから、「症状固定」と言って完治扱いする。しかし患者の中には完治にこだわる方も時々いる。…

股関節痛と筋トレ

以前常連さんから、「股関節症のブログが少ない」と言われてブログを書いた。手術の成功率が上がり、注射などもあり、あまり我々の出番がない。スポーツ選手はよく股関節や鼠径を傷めるが、専門の所に通っている。一般の患者さんが股関節を痛めるとスポーツ専門の所に行く方は少なく、病院で理学療法士に指導をもらう。そこで言われるのが、「プールで歩行訓練」「筋トレ」「減量」である。股関節に痛みがある場合は歩行訓練を水中…

患者さんとよくある会話

スポーツや踊りなどで足を痛めている方は多い。治療で段々良くなると、患者さんとこんな会話をしている。 「あれ、この間ここが調子良くなったのに、また少し筋肉が硬くなっている。無理した?」 「いえいえ、無理なんかしていません。ほんの少しだけ負担をかけただけです。」 「ほんの少し?どれくらい?5分10分?」 「え、15分・・・、20分、30分弱かも・・・」 「前回、少し良くなっても舞い上がってはいけないと…