腸とリハ

股関節を手術した人が、友だちに寿司をご馳走になったら、翌朝とても腸の調子が良かったという。どんな寿司なのか聞いたら、本来の江戸前で、ネタを発酵・熟成して出すらしい。江戸時代は冷蔵庫などないから、寿司には優れた抗菌の知恵がある。「酢飯」「わさび」「ガリ」「お茶」「漬け」は全て抗菌である。特にネタを発酵させて日持ちさせる技術があるそうだが、肉でも最近は「熟成肉」と言って、高級素材として有名である。熟成させればさせるほどうまみが出るのであろう。当然発酵させれば乳酸菌が増え、腸にいい。特にリハをやっている方にはこの腸の働きというのはとても大事で、本来の筋肉が持っている能力を最大限に引き出してくれる。スポーツをやっている方は筋肉の栄養とかミネラル、関節の動きなどを話題にするが、我々から見たら「腸」の具合がとても大事で、それがないと実力は出せない。理由は簡単だ。腸の具合が良いときはちゃんと腹筋が働くのである。腹筋が働けば股関節、背中や腰はちゃんと動く。そう考えると意外とリハのコツは「腸」と言いたくなってしまう。マラソンの前によくバナナを食べている人を見かけるが、「漬け物」「甘酒」「味噌汁」という人は見ない。今後「腸とリハ」の関係が詳しくわかってくれば、試合前に「漬け物」「甘酒」「味噌汁」を摂る人が増えると思っている。

image_print印刷する