全く違う内股の痛み

昨日は全く違う原因の内股の痛みの方が来た。はじめの方は鼠径(足の付け根)の手術をしていて、足の浮腫を気にしていた。突然膝の上の内股が腫れ歩くのも大変だという。触ってみたら赤く腫れている。手術した先生も、「血管やリンパをいじっているから・・・。」と腫れるのを気にしていたという。こうなると出来れば手術した先生、だめでも血管外来の先生に診て頂かないといけない。近医の血管外来で診て頂き、血を抜いてもらった…

薬包と薬価

昔ある女医さんが、「俺は社長で今まで既製品の薬は効かなかった、高い薬を出してくれ。」と患者から言われた。女医さんは機転をきかせて薬剤師に、「出そうと思った薬を全て粉にして薬包(昔薬を包んでいた三角形の包)で出してあげて。値段は10倍。」と指示をした。数日後、その社長が来て、「やはり高い薬は効果が違う。すぐに効いた。」と言ってきたという。そこで女医さんが一言。「今までと同じ薬を粉にしただけなのに・・…

自分の身体のことは分からない

最近常連の社長が、「今日は何処が辛いですか?」と聞くと、「んまぁ、ちょっとやってくれる。」と言って自分の辛いところを言わない。いつものように治療が始まれば私は、「何ですかこの腰・・・。」とか、「首が何ともない。ヤダモン君もない。」などと感じたことをしゃべりまくる。社長はおとなしく聞いていて、「ふーん、そうか。そんなに腰は悪くないんだなぁ・・・。」とか、「心臓もゆとりがあるのだなぁ。」と一人言を言い…

ジャンパー膝について

学生が何かの競技でよくジャンプをしたり、ダッシュなどのトレーニングをし過ぎると膝の痛みを訴えてくる。膝を反復的に使い、立ったり座ったりや膝の曲げ伸ばしで痛いと言う。これには分類が2つあって①膝蓋腱表層(滑液包)炎と②膝蓋下脂肪体炎(フォッファ病)である。膝蓋腱表層(滑液包)炎なら深く膝を曲げたときに痛むので見つけやすく治りやすい。しかし膝蓋下脂肪体炎(フォッファ病)だと、少し大変である。膝蓋下脂肪…

胃炎と上り坂

常連さんの腰痛に対して、「胃に負担がかかっています。胃を楽にすると腰は良くなります。」と伝え、胃薬を飲み始めたら体重も2-3kg落ちてジョギングもやる気になったという。このまま腰が楽になるはずだったのに、何故か坐骨神経痛が取れないという。身体を診たら、胃炎の反応のスタマックラインは消えているが、太腿の前面(大腿四頭筋)が以前より硬くなっている。これは上り坂などで負担をかけたことを意味する。「坂を上…

ガラリと変わる治療法

よく患者さんから、「こういう場合は暖めるのですか?冷やすのですか?」と聞かれる。今までだと、「冷やして下さい。」と即答していたが、段々勉強するうちに少し変わってきた。昔リウマチは必ず暖めていたが、一時期冷凍療法と言って一旦冷やして痛みを感じないようにしてから、リハを行う治療法が出てきたり、骨折や脳梗塞も昔はまず、「2週間安静」と言っていたのが、最近ではすぐにリハビリが始まる。捻挫なども暖めるという…

「先生は疲れないのですか?」

常連さんからいきなり、「先生は疲れないのですか?」と言われ、「昔は大変でしたが、今は大丈夫です。」と応えた。病院勤務時代はこちらもまだ20代で若く医学知識など殆どないから、毎日来る患者から、「先生、まだ痛いんです。」と言われ続けて、月に1度程度は本当に身体が動かなくなり病院を休んでいた。そして段々自分の身体が辛くなる理由がわかったきた。それは「患者の問題に対して答えを出せないから。」だと気がついた…

マウスピースとEAT(Bスポット療法)見直しの話

常連さんが久しぶりに頭痛が酷いという。この方は昔は慢性頭痛であったがEAT(Bスポット療法)のおかげでほぼ辛さはなくなっていた。こういう場合はまずマウスピースをしているか聞くのだが、この方は以前から使用しているので、すぐに原因がわからない。しかし話をしていくうちに、マウスピースは当院が勧めたBi-Digital O-Ring Testの専門医ではなく、今までのかかりつけの先生で、その先生は「マウス…

戦略的首の痛み

常連さんが少し重労働をして両足が痛いという。痛がる場所を診ると、相当踏ん張ったことが分かる。しかし首も同時に痛くなったという。本人は首に痛みが出る理由が全く分からず、それも右だけ、痛みは一瞬で消えるが1時間毎に辛いという。この話を聞いてすぐに、「これは戦略的痛みと言って、身体が反乱を起こしているのです。足への負担は相当なものだったので、身体にしてみたらまたこんな事をされたらたまらない。何とか本人に…

琴線に触れる話

昔テレビでお笑いの小松政夫さんがネタを作るときの話をしていた。それは実際に見た話らしいのだが、ある車のトップセールスマンが上得意様から電話があり、「あら、○○さん、ちょっと車の調子がおかしいの?すぐ来て下さる?」と言われて、すっ飛んで行ったという。着いてすぐトップセールスマンは上着を脱ぎ、ワイシャツの腕をめくり、車の下に入って点検したという。ボンネットも開け、手から顔からワイシャツまで真っ黒になり…

健康診断で「乳頭腫」と言われて

常連さんが、健康診断で「乳頭腫」と言われて悩みを抱えているという。インターネットで段々調べていくうちに、緑内障との関係記事を見つけ、今度は緑内障を調べたら失明すると書いてある。子供はまだ小さいし、私が失明したらどうなってしまうのだろうという悩みだ。最近は患者さんが自分の病気はよく、インターネットで調べてくるので質問が鋭い。しかし我々から見るとどんどん調べれば調べるだけ重篤な内容しか出てこない。腰痛…

難しい肘痛

長年仕事をしていると、時々難しい肘痛が来る。こちらもあの手この手と治療する。鍼灸、マッサージ、キネシオテーピング、固定、皮内鍼、パルス(低周波治療)、オイルマッサージと色々手を替えてやっても全く痛みに変化がない方がいる。そうなるとこちらも手の打ちようがないので、専門的なところを紹介するしかない。 紹介先はまず第一に「筋膜リリース(ファッシアリリース)」で痛みの出ている周辺の筋肉や靱帯、膜などの組織…

患者を疑う癖

左肩を痛めた常連さんが前回、末端の治療がうまくいったので、「末端が楽になるから、辛い左肩には良い環境になる。おそらくぞ辛さは半分になりますよ。」と言って本日診たら、「左肩は全く楽になっていない。むしろ辛い。」と言う。この方は以前スマホのやり過ぎで、左肩を痛めていたので、「左肩が楽になっていないのは、スマホを止めたと言っていたが、相変わらずやっているのではないか。」と疑ってしまった。仕事柄、患者さん…

認知症を調べたら・・・

常連さんの義理のお母さんが少し認知症っぽいので、調べて欲しいと言われ全身状態を診たら、頭の重金属沈着(アルミニウム)の数字が異常に高い。これはBi-Digital O-Ring Testを使うと簡単に調べられる。こういうケースは今まで何度も経験しているので、原因はアルミ鍋の長期間使用である。一番多いのが、嫁入り道具にアルミ鍋一式をもらいそのまま30-40年使い続けるケースである。あとは口腔内の異種…

殺す治療からよせつけない治療へ

以前新聞を読んでいたら、 「ダニは、ジャスミンの香りが苦手なことが、家庭用品メーカー「花王」などの研究でわかった。「におい」を使った新たなダニ撃退法の開発」 との記事が目にとまり、とても興味を持った。医学の発達における薬の開発は「いかに細菌やウィルスを殺すか」で基本的に敵扱い。共存の考え方がない。その結果どうなったか、次から次へと耐性菌が出てきてまるでいたちごっこ。このよせつけない工夫というのは病…