症例

スポーツと怪我の関係

プロのスポーツ選手は来ないが、アマチュアでかなりの所までやっていた方は来る。現役時代に怪我をした話を聞くが、よく聞いてみると同じ所でつまずいている。例えばスキーなどで膝を痛めている方は多いが、たまたま風邪を引いて体調がすぐれない時に練習をする。風邪程度なら普段の7-8割だろうと思って練習をすると、怪我をする。実際風邪などで胃腸機能が落ちている時は、腹筋力がなく、股関節回りや脚に至るまで、能力が普段…

外人さんの治療

リーマンショックの前は外人さんを多い時で月に50人ほど治療していた。毎日2-3人なので、ジャパニーズイングリッシュだが少ししゃべれるようになった。外人さんは肩がこらないイメージがあるがそんな事はない。日本で生活していると我々のジャパニーズ指圧にはまる。そして仲間を紹介してくれる。当時は金融関係の方が多く、ゴールドマンやソロモン、メリル、クレディスイスと色々な人脈が出来た。金融関係の世界はしても狭く…

がん治療の落とし穴

長年Bi-Digital O-Ring Testの先生に指導を頂いていると、がん治療の場合いくつかの落とし穴がある。 人参ジュース-少量であれば問題はないが、3-5本もジューサーで作ると時に、がんの促進因子になる。 プラセンタ-「ビタミンC」や「プラセンタ」は健康のためでなく、美容のためとこちらに言わず、免疫治療をダメにしてしまうケース。ビタミンCは単体ではがんに有効だが、薬効をキャンセル事がある…

膵臓がんと予防法

常連さんの友人が若くして膵臓がんで亡くなったという。海外勤務続きで時々は背中が痛いと言っていて、帰国後検査をして膵臓がんとわかり手術をしたが、手をつけられずすぐ閉じたという。千代の富士や坂東三津五郎、スティーブ・ジョブズや竹田圭吾さん皆膵臓がんである。他のがんに比べ見つけにくく、転移しやすく、治療しにくく、生存率が低い。超音波診断装置でもなかなか分かりにくく、CTも造影剤の問題で毎年というわけにも…

病者の祈り(ニューヨークのある病院の壁に刻まれた患者の詩)

大事を成し遂げるため、力をくださいと神に祈ったら 謙虚さを学べと弱さをくださった。 多くのことがやれるように健康を求めたら もっと価値あることを選んでやれと病気をくださった。 幸せになりたくて豊かさを欲したら 知恵を育てろと貧しさをくださった。 この世の人たちに褒めてもらおうと成功を望んだら 驕らないようにと失敗をくださった。 人生を楽しめるようにすべてのものをくださいと願ったら すべてのものを楽…

名人はお腹(胃腸)の治療ばかり

我々の世界は名人と言われる方は多い。先人の先生方の著書を読むとお腹(胃腸)の治療のことばかり書いてある。一般的に鍼灸は整形外科的な関節の治療ばかりが目立つが実際はお腹(胃腸)をよく診る。私も昔は関節のことばかり考えていたが、長年やっているとお腹を治めないと関節の痛みが取れないことがわかり、最近はお腹(胃腸)の話ばかりしている。まず患者さんのお腹は大抵診てどういう状況か診断する。胃が硬いとか腸が張っ…

旅行とぎっくり腰

この時期、旅行疲れでぎっくり腰の方は多い。旅行の目的が美味しい物を沢山食べることだから腹筋力はなくなる。それに長時間の車や新幹線、飛行機で腰や足に負担がかかり、ぎっくり腰は仕方がない。ぎっくり腰になった方の体を診ると、お腹と脚の両方に負担をかけなければいいのにと思ってしまう。移動がきつければ少食にするとか、移動が楽で翌日の日程も楽なら食べ過ぎてもいいとか、どちらかがいい。美味しい物を食べるなと言っ…

ツボの使い方とお膳立て

鍼の免許を取り立ての頃は、風邪の時に何処に鍼を打てば良いのか色々な参考書をもとに治療していた。結論から言うとあまり効かない。きっともっといいツボがあるはずだと勉強しても、治療効果がどうしても上がらない。今から考えると実に浅い考え方であるが、当時は真剣である。では何が問題なのか、お膳立てされていないのである。例えば風邪の時なら、胃腸の問題を取り除き、骨格のゆがみを治して、顎関節を整えてから問題の所に…

膝がだるい場合

仕事柄、膝のお皿のことをパテラ(patella)と呼んでいる。時々スポーツをやる方でこのパテラがだるいという方がいる。膝が痛ければ色々と治療はあるのだが、だるいと言われると少し困ってしまう。パテラを動かす運動法もあるが、少し手間がかかり、中々自分出てきない。そんな時にバイブレーターとクッションを使い良い方法がある。写真のように膝の前後にクッションを置いて、パテラを辛い所に当てる。マジックベルトで振…

生きてるだけでボロ儲け

さんまさんではないが、「生きてるだけでボロ儲け」は名言である。ある先生が、「最近幸福感がない。」とぼやいた。確かに難しい仕事なので常に問題を抱え、大変なのはわかるが少し視点を変えると違うものが見えてくる。「では先生聞きますが、朝に目が覚めるのは普通ではありませんよ。脳や心臓の血管の病気や寿命を宣告された方、高齢の方などは目が開くかなぁと思って毎日生きています。その後ベッドから起き上がれない方も多い…

半値八掛け二割引(はんねはちがけにわりびき)

これは金融の方から聞いた話だが、「半値八掛け二割引(はんねはちがけにわりびき)」で相場が下がるという。100円だったものが、半値で50円、八掛けで40円、二割引で32円。100円のものが1/3になるという。治療の世界も当てはまる。前回アキレス腱炎で何もしないで2ヶ月かかった方が、今回は治療をするのでどれぐらいで治りますかというので、「半値八掛け二割引」と言った。2ヶ月の半分で1ヶ月、1ヶ月の八掛け…

一人暮らしとぎっくり腰

普段は山登りをして元気な方が、ぎっくり腰になったという。話を聞くと、久しぶりに友達と遠出をして美味しい物を食べたという。話を聞いただけで、車の運転で足の左右差、お腹の状態が良くないとわかった。身体を診ると右の脛だけこっている。アクセルとブレーキ操作である。これは想定内なのだが、お腹を診てビックリである。この方は娘が嫁いで今は一人暮らしである。どうしても食事に気を使わなくなり、友達と久しぶりに楽しい…

歯を治すと扉が押せる話(鞭打ちの後遺症のツボ)

我慢強い方で慢性の首のこりの方が来た。病院勤務時代に救急病院だったので、鞭打ち症の方は多く診た。その患者さん達の腕に特徴的なこりがでるのを見つけて私は「鞭打ちの後遺症のツボ」と名付けた。反応は下記の写真のように出る。これがあるからといって必ずしも鞭打ちをやっているわけではない。首の長患いの方に出ると思って頂いていい。そしてどれくらい経過しているのかも触っただけわかる。今日の方は20年位なので、「我…

封じ込めと反乱

以前にウィルスの戦略論で書いたが、中々目に見えない菌やウィルスとは闘いにくい。薬が効けばいいが、必ず効くとは限らない。身体には2人いて「身体の本音」が時として暴れることがある。本当は安静を身体の本音が願っているのに、薬や滋養強壮剤で働かされると、普段は黙っている身体の本音が牙を牙を剥く。体の反乱である。身体の本音君にしてみたら、「今まで黙っていたけど、こんなに無理をさせられて休みもなく又仕事?いい…

準備で勝つ話

ある方が夏休みをたっぷり取って、久しぶりに仕事を再開したら腰が痛くなったという。身体を診ると腰に炎症が起こっている。腰がビックリしたわけである。本人はたっぷり休息を取ったから、これで年末までたっぷり働けると思っていたが、実際は逆であった。こういう方を診るたびに、「準備で勝つ」という言葉が浮かぶ。ゴルフでいつも同じ所に腰痛が出る場合、痛くなる前から湿布を貼っておけば楽に過ごせる。宴会の季節になるとテ…

アキレス腱滑液包炎に関して

歩行訓練をしている方が、ジムで少しきつい靴を履いて踵のところアキレス腱が痛いという。本人は捻挫のつもりでおほっておいたら、歩くのも痛くなってしまったという。アキレス腱が踵骨(かかとの骨-しょうこつ)にくっつくところに痛みが出ている。これは専門的にはアキレス腱滑液包炎と言って治療が中々難しい。以前、病院勤務時にこの患者さんに2ヶ月間毎日痛みが取れないと言われて、こちらが参ってしまった。多くの方は捻挫…

なぜ昔話をするのか

Bi-Digital O-Ring Testを勉強してから、物忘れの患者さんがよく来る。 必ず言われることは、「昔のことは昨日のように覚えているのに、最近のことが覚えられない。人の顔はわかるのだが名前が出てこない。」 殆ど皆さんの症状は同じようだ。 脳は長期記憶と短期記憶では違う場所が働く。 長期記憶は大脳皮質で短期記憶は海馬である。 この海馬は繊細で酸欠やストレスに弱くやられやすい。 人の顔と名…

アトピー性皮膚炎の治療のコツ

アトピー性皮膚炎の患者さんが続いている。この時期は暑いので子供がかゆがって、引っ掻いてしまうとなかなか治りにくい。身体が温まると痒みが出るので、よくぬるめの風呂(38-39℃程度)を指導している。痒い時に入ると、皮膚温が下がり痒みが弱くなる。酷い場合はお風呂にウーロン茶を入れるように指導している。ペットボトル1本程度を入れるといい。ウーロン茶には皮膚の炎症を抑えるのと乾燥させる効果があるので少しグ…

「この痛みはすぐには治りません。」と言った方がいい場合

仕事柄身内にご不幸があった後、身体を拝見する。中に想像を絶するぐらい疲労困憊しているケースがある。本当に大変なことだと思う。そんな時、「大丈夫です。腰は治ります。」といつもの調子で言うとうまくいかないことがある。こういう場合、身体が反応しないので治療が難しいことがある。では何と言うかというと、「この痛みはすぐには治りません。」と言うと安心した顔をする。本人もこんな大変な状況なのだから、すぐに治るわ…