症例

左の背中と感情

東洋医学では内蔵体壁反射と言って、内蔵の異変が体表に出るという考え方があります。 たとえば胃が悪い場合にお腹や背中の胃に関係するツボに反応が出るわけです。 我々はそのツボを刺激して、内蔵を治そうとしているわけです。 直接内蔵に鍼を打っているわけではありませんので、この反射が頼りで体表から内臓の治療が出来るのです。 時々仕事がきつくて、左の背中に反応が出る方がいますが、これは心臓の反応です。 正確に…

大往生について

先日の11日は東日本大震災一周年の追悼式が各所で行われた。 いまだに行方不明な方もいらっしゃり、心から哀悼の意を表したい。 この災害を機に命に関して考えた方も多いのではないだろうか。 先日、「大往生したければ医療とかかわるな」を読んだ。 自然死について書かれていて、納得してしまった。 大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書) 中村 仁一 (著) この業界30年以上いるが何とも核心を突いたお…

減量について

現在当院で数人の方が減量に取り組んでいる。 単に太っているだけならいいが、血液などに異常データが出るとやはり真剣に取り組んだ方がいい。 以前に白米を食べない話や刺身に醤油をつけない話しをしたが、これも減量につながる。 しかしどうしても白米をやめられないとか、醤油をつけないと食べられないという方は多いので、他の方法をお話したい。 まず第一に食事の前にコップに水を2杯飲むことである。 これが効き、簡単…

いつまでも残る古傷

年配の方を治療していると古傷をこちらが発見することがある。 5年ぐらい前までは35年前の古傷を治療していた人が一番だった。 20才の時にアキレス腱を痛めて55才で坐骨神経痛の治療をしていた。 ところがあるおばちゃんがあっさりその記録を抜いた。 85才で通院していたおばあちゃんは、20才で農家に嫁にいき腰を痛めた。 当時のことだから舅・姑の目もあり治療など十分受けられない。 腰を痛めたまま時間だけ過…

病気はいくつあっても同じ

前回、「意外な患者の反応」ということで書いたら反響があった。 賛成の意見やあり得ないといった意見など様々だが、もう一つ患者さんから教えてもらったことを書いてみたい。 それは、「病気はいくつあっても同じ」という考え方だ。 それを教えてくれた方は確か4つぐらい病気があって、色々と指導を戴いていたが、あまり真剣に医者の話を聞いていない。 理由は、「人間は複数の病気で死ねない。死ぬ病気は一つ。だから死なな…

意外な患者の反応

長年治療の世界に関わっていると時には強者の患者に出会うことがある。 がんを宣告されて医者に、「身体を治すのは先生の仕事、私の仕事ではない。」と言い切る方がいた。 本来は落ち込むところだろうが、自分には関係ないといった感じてある。 無責任のような感じもするが、いい一面もある。 それは心が病まないことだ。 病気はあるらしいが、身体のことは医者に任せてあるから今までと同じ生活をしよう。 病気は読んで字の…

がん予防に関して

当院は毎年、年賀状にワンポイント健康アドバイスを書いている。 今年はがんの予防に関して書いたら、反響があって今までがんに関して感じていることを書いてみたい。 15年ぐらい前だが、私がよく治療している人の中にがんが少ないことに気がついた。 その時は我々の治療は保険は効かないし、やはり経済的に豊かな方は食べ物が違うのだろうぐらいにしか考えていなかった。 数年前にBi-Digital O-Ring Te…

腕のこりに関して

今までパソコン病やストレスの所で腕のこりに関して書いてきました。 パソコン病はマウスを使うクリック病、ストレスは心臓が末端の血管を締めるため血行不良。 使い過ぎと血行不良で原因は違いますが、腕が硬くなる事は同じです。 しかしこの腕、つらくなったら自覚症状が出てくれれば治療はとても楽なのですが、つらくても感じないのです。 腕のこりから肩甲骨の動きが悪くなり、肩がこり、首がゆがみ、首肩に症状が出る頃に…

按腹について

この時期、食べ過ぎの方も多いと思います。 少し専門的になりますが、按腹(あんぷく)の話をします。 按腹とはお腹のマッサージです。 江戸時代には冷蔵庫はなかったので、お腹を壊した方は多かったと想像されます。 当時のあん摩さんがお腹をよく揉んでいたことがわかる挿し絵が文献で残っています。 我々も治療で按腹をしますが、難しい腰痛の方には必ずおこなっています。 腰や脚を治療して腰痛が楽になる方はいいですが…

風邪の予防に関して

この時期、風邪でこられる方も多い。 咳もこじらすとなかなか抗生剤で止まらない。 出来る限り風邪の初期に手を打ちたいが、具体的に何をしていいかわからないという声を聞く。 手軽に出来る風邪の初期対策や予防の話をしたい。 まずお薦めするのが、乳酸菌である。 乳酸菌と思われるかもしれないが、鼻や喉の粘膜を強くするにはまずは腸を元気にしないとなかなか改善しない。 腸が弱いと風邪も引きやすく、引くと治りにくい…

電磁波について

今まで数百人に電磁波の影響をしゃべってきたので、うちの常連さんには浸透しているだろうと思ってある方に、「電気毛布はもちろん使っていないよね。」という話をしたら、「使っている。」という。 「え、しゃべらなかった?」と聞いたら、ブラジャーのワイヤーと黒い下着は聞いたが、あとは知らないという。 こっちがビックリして多くの方に情報を正確に伝える難しさを痛感した。 てっきりメルマガで送っていると思ったら、電…

治療家とトレーナーの違い

膝が痛くて足の筋肉を鍛えるためにトレーナーに指導をしてもらったが、痛みが取れず当院に来る方がいます。 どうしてそういうことが起こるのでしょうか? 理由は簡単です。 トレーナーは根本の考え方が筋肉をどうやって増やすかしか考えていません。 我々治療家は症状をどうやって取るかしか考えていません。 トレーナーはゼロをプラスに、治療家はマイナスをゼロにする事しか考えていません。 膝が痛いのですから、弱い筋肉…

母なるリハビリについて

最近、アキレス腱や膝の手術をした後、リハビリを十分しないために、坐骨神経痛が起こってしまった患者が続いた。 私が病院勤務の頃は救急指定だと大体、脳卒中か交通事故の患者がほとんどなので、リハビリはかかせない。 しかし最近はリハビリをやっていない病院が増えた。 場所も取る、人手もいる、時間はかかる、保険の点数は高くないと病院の経営にはマイナスだ。 手術をして退院となると治療はそれでおしまいと思ってしま…

病気が不安な理由

考えてみれば子供の頃から病院通いでもしない限り、身体のことを殆ど考えずに育つのではないだろうか。 学生時代は何をしても身体は壊れず、いくら疲れても一晩寝れば元通り、腹一杯食べても少しお腹が苦しいだけで何ともない。 私から見ると羨ましい限りだが、40才近くになると少しは身体のことが気になってくる。 お腹が出たり、医者に行くと高脂血症と言われたり、前日の酒が残ったり、いくら寝ても疲れが取れなかったりと…

冷え性について

前々回、細身の女性の特徴を書いたら、かなりの反響をいただいて同じ悩みを持つ方の多さに驚いた。 今回はこれからの季節を考え、冷え性について書いてみたい。 3年前は寒さのきつい冬で冷え性による坐骨神経痛の方が日に何人も来た。今までは足湯の話をしていたが、水の扱いが大変だったり面倒くさかったりで、薦めてもやる方は殆どいなかった。 そんなあるときpanasonicのスチーム足浴器の話を聞いた。お湯を使わず…

鼻炎と乳酸菌

下記の10症状は38才男性の主訴です。 根本原因はわかりますか? 1.寝起きが悪い 2.風邪を引くと咳が出て2-3週間続く 3.疲れがなかなか取れない 4.夜、いびき・寝言が多い 5.食べても太らない体質 6.抜け毛が多い 7.皮膚が弱い 8.身体が痛い 9.身体がこる 10.眼が疲れやすく、頭痛を伴う バラバラのように見える辛い症状も根本は、「鼻・喉の空気の通り道と腸」の問題です。 こういう方は…

細身の女性の特徴

細身の女性の特徴をいくつかあげます。 「冷え性、甘い物が大好き、喉が弱い、生理痛、左腰痛、皮膚炎、便秘」以上、心当たりのある方は多いと思います。 以前にあまりに細身の女性の症状が似ているのに気がつき、その方達の生活を詳しく聞いてみると大体パターンが同じで、根本的に冷え性で腸の調子が悪く、骨盤の中の血行不良で便秘がち。体力も十分ではなく、ストレスを解消するために甘い物をこのみ、甘い物ばかり食べている…

身体は的確な治療しか求めていない

普段は仕事柄、腰痛を扱う事は多いですが身体の本音を垣間見ることがあります。 原因がわかっている腰痛でしたら治療は楽ですが、長患いだったり、違うところに原因があって、その反射で腰に痛みが出ているときは原因探しをしないとなかなか効果は出ません。 先日も左股関節の痛みでみえた方が私が右の太腿しか治療しないで、「もう終わりました。」と言ったら、「痛いのは左です。」と言われ、「では確かめてみてください。」、…

牛乳について

Bi-Digital O-Ring Testの勉強を始めてから、アトピー性皮膚炎の患者さんが食品を診て欲しいと来るようになり、何となく牛乳は好ましくないなと思っていました。 そんなある日、前立腺がんの術後の方が来て、前立腺がんに悪い食品をみてくれというので調べたら殆ど乳製品でした。 数年前に新谷先生の「病気にならない生き方」を読んだら、「牛乳は牛の飲み物」と書いてありました。 がん予防の勉強をして…

副交感神経が人生の質を決める

ある方から本を薦められた。25万部売れているという。 健康に関する本では大ヒットである。 聞くと良くテレビに出ている先生だという。 「なぜ、「これ」は健康にいいのか?」 小林弘幸順天堂大学医学部教授 サンマーク出版 読み終わって非常に私自身が共感する部分が多かったので、目次の一部を紹介したい。 女性が男性より長生きするのはなぜだろう。 副交感神経の働きを高めることが「最高の健康法」 ジョギングより…