症例

こんな症状に注意

仕事柄、患者さんの訴える症状には細心の注意を払っている。下記のように症状は一般的に十分知れ渡っているとは言いにくい。少し披露したい。 眩暈が20分以上続く-脳の血管が詰まったり流れが悪くなったりする脳梗塞の可能性があり、血行不良により平衡感覚の消失 片方のまぶたが下がる-脳出血などでまぶたを動かす神経が機能しない 匂いを感じない-脳梗塞や認知症、頚椎損傷などで嗅覚に関わる神経が影響を受ける 口の端…

心に刺さる川柳

またまた見つけました。 日帰りで 行って見たいな 天国へ 目覚ましの ベルはまだかと 起きて待つ 万步計 半分以上 探し物 マイケルの 真似を発作と 間違われ 探し物 やっと探して 置き忘れ 歳重ね もう食べられぬ 豆の数 眼薬を 差すのになぜか 口を開け 少ないが 満額払う 散髮代 厚化粧 笑う亭主は 薄毛症 カード増え 暗証番号 裏に書き 深刻は 情報漏れより 尿の漏れ へそくりの 場所を忘れ…

色々としてあげたのに・・・

常連の女性が、「私は少しお節介なところがあって、人に色々と頼まれたりして、何かをしてあげるのはいいのだけど、その後感謝しない人を見ると少しイライラする。これはあるお坊さんから聞いた話しだが、そのお坊さんが子供の頃に人に自転車をあげたという。そうしたらもらった人が乱暴に自転車を扱ったので腹が立ち、母親に言ったら、『あなた、あげたものはもう人の物。自分のものでもないのにどうして腹を立てるの?』ときつく…

サソリと習性

これは以前聞いた話だが、「川の手前にカエルとサソリがいる。サソリは川を渡れないので、カエルに『僕は川を渡れないから背中に乗せて向こう岸まで乗せてくれ』と頼むとカエルは、『君は尻尾に毒があって刺すから嫌だ。乗せてあげない。』と言うとサソリが、『絶対刺さない。誓うよ。』カエルは『信用できない。』と言う。それでもサソリは粘って『絶対に刺さないことを誓う。間違いない。絶対大丈夫!!』とあまりに懇願するので…

ここが落とし穴-便秘と下剤

便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を言い、慢性便秘症診療ガイドラインでは、「週に3回程度の排便でも、腹部の膨満感や残便感などがなければ問題はない」とされている。 私などは親譲りで腸の調子はすこぶるよく、食べればすぐに出るが、女性で「3-4日に1度、酷ければ1週間出ない」方をよく診るが、按腹と言ってお腹のマッサージをするととても不快な顔をする。 「少し下剤でも試…

苦手意識

病院勤務時代に膝痛の患者が続き、治せなくて困った時があった。こちらが、「膝は治せないからやだなぁ」と思うと、次の患者が膝痛。「またかぁ」と思いながらやはり治せない。膝の患者ばかり気にしているから、(実際は全患者の数%ぐらいしか膝痛はいない)こちらが意識すればするほど、膝痛の患者ばかりに目につく。「何で膝痛ばかり来る・・・」という気持ちになってしまう。治せる患者はいくら来ても何とも思わないから、心に…

ロキソニンと手術

股関節の手術を2ヶ月後に控えている方が、痛みのため毎日ロキソニンを飲んでしまうと言う。手術の担当医から、「ロキソニンはやめて杖にしなさい」と指導されているが、全くその通りだと思う。患者からすると、「あと2ヶ月なんだからロキソニンでしのぎたい」という気持ちは分かるが、一つ困った事がある。それはロキソニンを飲み続けたために起こる胃炎である。手術の時に胃炎がある人とない人では、術後の回復がまるで違う。我…

病気の問屋さん、一体何が原因?

昨日ご紹介でおみえになった方は、「B型肝炎」「肝臓がん」「糖尿病」「脳梗塞」「狭心症」と病気の問屋さんある。ばらばらに見える病気だが、整理すると下記の図のようになると思う。原因は「ウィルス」「がん」「内分泌」「血管」。しかし何故こういう事が起こるかは「免疫が低い」としか言いようがない。投薬を診ると、一つ一つの病気に対して薬が処方されているのでかなりの数になる。Bi-Digital O-Ring T…

ここが落とし穴-骨折とレントゲン

ある程度の年になると些細なことで骨が折れてしまう。 少しぶつけただけなのに「肋骨骨折」、尻もちをついただけなのに、「尾骨骨折」「背骨の圧迫骨折」。 レントゲンを撮れば全てわかると思っている方が多いが、肋骨骨折は殆ど写らない。 患部を叩いたり、捻ってもらったりして予想しながら判断する。 肋骨を痛めてしまうと胸が拡げられないので、息を吸うのがきつくなる。 肋間神経までダメージがあるとかなり鋭い痛みが2…

選択肢はない方が幸せ

時々若い方が、「今の仕事が合いません」と言うが、本来合う仕事なんかないと思う。どんな仕事でもうまくいけば楽しいし、好きな仕事でもうまくいかなければ嫌になってしまう。師匠から、「合うまで続ければいい。自分を仕事に合わせるのである。」と教えて戴いたが本当にそう思う。そんな時に選択肢が多いと迷うが、選択肢がなければ迷いようがない。私自身田舎にいて、将来何になるか余り考えていなかったが、受験校だったので自…

ラジオ体操について

よく患者さんが、「スクワットをして腰が痛くなった」「ジムで肩を痛めた」「ジョギングで膝を痛めた」と言って来るが、色々な体操がある中で1番お薦めしているのが、ラジオ体操である。これは実に身体の各関節に負担をかける事なく、筋肉ももれなくくまなく動かせる素晴らしい体操である。あの音楽が流れると自然に身体が動いたり、子供の頃、早起きをして胸からぶら下げたカードにスタンプを押してもらえるのが嬉しかった記憶が…

ここが落とし穴-傷口を消毒しない?

昔はよく傷口に赤チンを塗っていた。 病院勤務時代に東大の医者が赤チンが好きで、何でも赤チンだった。 父親も赤チンが大好きで、金魚が皮膚病になっても赤チンを塗っていた。 しかし赤チンに水銀問題があることがわかり、無色でしみない「マキロン」が家庭の常備薬になった。 さらに最近は少し傷に対しての治療法が変わってきた。 傷口に赤チンを塗ってしまうと砂利や異物があるのかわからないし、どの程度の出血なのかもわ…

足の温度について

この時期、冷え性の人は多い。以前から冷え性の人の足の温度が気になり、測定し続けおおよその基準がわかったのでお知らせしたい。まず体温が36℃台の場合、大抵足の温度は10℃低い26℃である。22℃を切ると症状が出てくる。今まで診た中で1番低かったのは17℃である。解剖教室でご献体を解剖していたときを思い出す。分類すると下記のようになる。 26℃以上-正常 22℃~26℃-多少の症状はあるだろうがおおよ…

筋肉を鍛えると痛めるについて

右股関節の手術をした方が、同じ側の太腿の後ろが痛いという。調べてみると筋肉痛を起こしている。よくボディビルなどの筋トレをしている方で、「筋肉を鍛えて少し痛みが出ないと鍛えた気にならない」と言うが、それは「鍛えている」のではなく、「痛めている」のである。ここは実は微妙で、今日来た方に話を聞いたら、「太腿を鍛えようとして、いつもは3000-4000歩歩くのだが、ここ数日7000歩とか-10000歩を越…

顔色が悪いと言われて

今日初めて来た方は、「ここ2年位顔色が黄土色になることがある」と言う。こういう場合はまず、肝機能(黄疸)や乾皮症(みかんの食べ過ぎ)を疑う。しかし話を聞いたら、血液検査で何も引っかからないという。そうなると遺伝的なもの、「先祖は北欧系の方はいないか?」と聞いても、「いない」と言う。あとは「アトピー性皮膚炎」や「腸炎」「自律神経失調症」を疑う。「どんな時に黄土色になるの?特徴は?」と聞いたら、「不眠…

ここが落とし穴-アイシングは逆効果?

以前から、「ぎっくり腰は炎症だから患部を冷やしてお風呂で暖めてはダメ。」と言われていた。 しかし段々とぎっくり腰の時にお風呂に入ると楽になるという報告が続き、私自身どちらが正解なのかわからずにいた。 そんな時にタイミング良く私が酷いぎっくり腰になってしまい、絶好の検証する機会を得た。 お風呂まで這っていき、恐る恐る身体を温める。それも十分温まるまで。 15分か20分ぐらいしたところで恐る恐る立って…

百歳の陽気なおばあちゃんが人生でつかんだ言葉

ネットを見ていたら、釘付けになってしまいました。百歳の陽気なおばあちゃんが人生でつかんだ言葉です。心に刺さります。 戦争がないだけでいい 生きているだけで幸福 いい人の真似をすればいいのよ 米粒は拾えても愚痴は拾えんよ 見栄は大敵 うまくいくものは一つもない、うまくいかせるようにがんばるだけ 死ぬまで働きたい おばあさんは孫を甘やかすのが仕事 文科省は全国的に親不孝者をつくっている なんでも腹六分…

膝の内外側の痛み

日舞をやっている方が、膝の内側に痛みを訴え、中々治療効果が上がらないで中敷きを作ってもらった。中敷きが功を奏し、膝の内側の痛みは楽になったが、その後外側に痛みが出るようになったという。膝の内側を過保護にしてしまった。患者さんからすると内側でも外側でも場所が違うだけで、同じ痛みと思うかもしれないが、膝の構造も治療しやすさも全く違う。「外側の痛みなら治療しやすいが、内側の痛みは必ず楽になるとは言えない…

胃薬でぎっくり腰

2-3年前に、ぎっくり腰で来た方に、「あなたのぎっくり腰は胃炎が原因です。」と伝え、その後医者から胃薬をもらってすっかり腰は良くなったと言う。しかしその後胃薬を2-3年飲み続け、今度は胃が苦しくなって薬を自分で判断してやめたら楽になったので、そのままにしておいたという。そうなると今度は胃が又悪くなり、ぎっくり腰をやってしまったという。何とも悩まして話だが、胃薬も毎回義務のように飲まなければいけない…

ここが落とし穴-治らない背中や腰の痛み

長年仕事をしているとある一定数、何をやっても背中や腰の痛みが取れない方がいる。 病院で調べてがんの転移や背骨の問題、腎臓などの原因が判明すれば良いが、一つ忘れてはいけない病気がある。 それは、「大動脈解離」である。 我々の年代だと石原裕次郎さん、三波伸介さん、最近では加藤茶さん、大瀧詠一さん、阿藤快さんなど思い出すが、石原裕次郎さんの場合は慶應義塾大学病院でドリームチームか組まれ、加藤茶さんの場合…