症例

画家は何故長寿なのか

以前、画家の方から、「我々の仕事はどういうものだかわかりますか?」と聞かれ、答えられずにいたら、「情念を外に吐き出す」と教えて戴いて、この答えには唸ってしまった。確かに画家は長生きが多い。ちょっと調べてみたら、東山魁夷、横山大観、葛飾北斎、シャガール、ピカソ、ミロ、ミケランジェロ、モネ、ダリ、ドガ、ゴヤ、ルノワールと沢山いる。ではどうしてなのか、少し考えてみた。 好奇心が絶えず、観察力が凄い 右脳…

鎮痛解熱と咳止め

この時期今までならインフルエンザが大はやりだが、ここ2-3年はすっかりコロナに話題をさらわれてしまった。 インフルエンザでもコロナでも呼吸器疾患なので大抵は、「発熱」「喉の痛み」「咳」と出る症状は似ている。 こんな時に「鎮痛解熱」と「咳止め」の薬を飲む方は多いと思うが、よく考えると、本当は病原菌と闘った方がいいのではと思ってしまう。 ウィルスに感染して熱が出るのはウィルスは熱に弱いことを身体がわか…

子供に早く知って欲しい事

ネットを見ていて、見つけました。私はよく若い方や患者さんに、「親はいないものと思え」と言い続けている。親は早く死ぬから、子供が親に頼らず生きることがどれだけ大事かを感じている。特にこれからの子供は、「世界の何処にいても金を稼いでちゃんと1人でも生きている」という生き方が基準になると考えている。 いつまでも親はいない 自分一人で生きてはいけない お金の仕組み 挨拶は大事 笑顔は身を助ける 歯は大切 …

何が何でもその日

おせちを扱っている会社の人が、「2年前はコロナの影響で皆自宅にいたので少し高級おせちが馬鹿売れして困った。去年は予想に反して、正月に外出した人が多く売れなかった。今年は予想がとても難しい。」と言っていた。確かに人の動きと売れ行きは連動するので、予想は大変だろう。そうなると多少利幅は薄くても、早めに予約を取り数を確保したいという心理が企業には働く。こういう物は全員が同じ日に同じ物を求めるから業者の苦…

インフルの季節の診察について

今は新型コロナウィルスが大はやりだが、例年、インフルの季節になると医者が混む。先生方は日に40-50人ぐらいの診察をこなすので、どうしても流れ作業になってしまう。全員が「喉と発熱」と言い、たまたまその中に「喘息」や「肺炎」が入っていても、「あ、あなたもインフル」となりがちである。こういう場合、すこし変わった症状(血痰とか)を言うと医者も、「え、血痰?」となりインフル以外を疑う。我々だと忙しくても日…

所ジョージの名言

以前からテレビを見ていて、所ジョージさんは何て肩のこらない生き方をしているのだろうと感心していた。たまたま関連記事があったので、一部紹介をしたい。 「最近10代の子とか自殺したりするでしょ?そういうのはね、勿体無い。人生はそんな時だけじゃないんだよ。ほんとに。50まではね、面白くないよ。人生は。50から相当面白いよ。10代で悩んでいる方たくさんいるでしょ?20代でも悩んでいる方。30でもまだ悩んで…

左首が痛いと言われて

常連さんが左首の痛みが数ヶ月取れないと言う。こんな時は何を考えたらいいのだろうか?少し列挙してみたい。 筋肉や骨、靱帯の異常-レントゲンを撮り、何も出なければMRI 神経症状は血液などの一般検査では出ないので、専門に神経を調べる 甲状腺の異常-採血と超音波診断 喉の痛みが原因-喉の内視鏡 噛み合わせ異常-歯医者でマウスピース 左の首(鎖骨周辺)は全身からリンパが集まるところ-リンパが腫れる原因を調…

逆流性食道炎は治らないと言われて

常連さんが逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流することにより食道に炎症を起こす。食道の粘膜は胃酸に対し弱いため、食道に炎症を起こす。治療法は食べ過ぎなどで胃酸が出すぎないようにするなど胃の治療が大事)と言われて投薬をやっているが効かないという。我々から診たら、薬を変えたり、胃への負担を減らせば、逆流性食道炎は良くなるのに、「逆流性食道炎が治らないということは自分の胃が治らない。」と勘違いしている。胃を治…

失敗が許されないお年寄りの治療

年配の常連さんのご主人が脊柱管狭窄症を患い、少しでも楽になるのに何か良い方法はないかと聞くので、「トレッキングポール-登山の時など使う両杖・脊柱管狭窄症の歩行訓練に有効」を勧めた。今日来たのでご主人の感想を聞いたら、「あの杖を使うと腕にも来るし、肩も辛い。俺はいらない。」と言っているという。こういう場合、もうこのご主人に対してアドバイスをすることが難しくなる。というのも、年寄りの治療は失敗が許され…

私は占い師ではありません

時々紹介で、「○○さんから聞いたのですが、先生はまるで占い師みたいだと聞きました。私を見て下さい。今後どう生きたら良いですか?」と言う人がいる。 私は占い師ではなく、按摩・マッサージ・指圧師・鍼灸師である。 何故そうなるかというと、初診で身体を診ながら、下記の内容は良く言う。 おでこ(前頭前野)-ストレス度合い-Bi-Digital O-Ring Testを使い測定する。ストレスの内容は全くわから…

転んで肩を痛めると・・・

眠気が取れなくて通っている常連さんが転んで肩を打ち、内出血してしまった。この話を聞いて、「いつもの眠気は楽になったでしょう?」と言ったら、「ええ、なんか楽です」と言う。「しかし咳が中々治らなくて」とも言う。これには理由があって、いつもの辛い症状は他に痛みなどがあると相対的に感じなくなってしまう。眠気が良くなったわけではないが、身体が肩の痛みに気を取られて感じにくくなっているだけである。しかし咳に関…

何となく不調ぐらいが丁度良い

常連さんが中々股関節の痛みが取れないので、少しイライラしている。専門医にMRIやレントゲンを診て頂いても、「骨には問題ないからストレッチでも・・・」で終わり。治療をすると楽になるが持たないという。それ以外に肘が痛かったり、頭がはっきりしなかったりと色々症状はある。患者心理として確かに治療して症状がなくなるにこしたことはないが、現実問題、中々そうはならない。しかし我々から見ると、「何となく不調ぐらい…

ひょんな事から生まれる新しい治療

長年この仕事をしていると、解決法のない病気の治療法を必死に探す。 昔は検査で出ないがんやウィルス感染を見つけるためにBi-Digital O-Ring Testを学び、それでも治らない患者は鼻に問題があることを知り、EAT(Bスポット療法)を学んだ。最近は鬱病や耳鳴りなどのために蝶形骨をいじったり、健康食品は勿論の事、鉱物、生薬まで手を拡げて何かないかと調べている。 先日も「耳に入れるビーズのボー…

思いのほか減らせない甘い物

新米ママに前回、甘い物取りすぎを指摘して、「1/3にしなさい」と指導した。今日来て、「甘い物は半分にしました」と言うので、背中を診たら、「1/3程度しか減らしていないじゃない」と背中の硬さが物語っていた。本人が半分にしたと言っても、背中は1/3程度しか変化がない。これはどういうことかというと、甘い物取りすぎには2段階ある。一つは、「食事で摂る米、パン、麺」、もう一つは嗜好品の、「酒、チョコ、アイス…

病気を消したい患者心理

患者さんの中には、「腰はもう完治した、過去のこと、自分は何でも出来る」と患った事を忘れ、治療もせずに数ヶ月してから悪化してくる人がいる。我々から見たら、「古傷があるのだから、余り無理をせず様子を見ながらやればいいのに・・・」と思ってしまうが、どうも患者心理として、「俺は完治した」と思いたいらしい。気持ちは分かるが、私などは数ヶ月前に脊柱管狭窄症を患い、お陰様で98%治った。しかし何事もなかったかの…

どれだけテニスをやりたいかで変わる治療法

テニスをやっている常連さんが、股関節が痛いという。気になったので、レントゲンとMRIを撮ってもらった。資料を見ると10年前にも同じ股関節の痛みを訴えている。当時のレントゲンをみると少し股関節が浅い。浅いというのは専門的には「臼蓋形成不全 きゅうがいけいせいふぜん」と言って、関節のオスとメスで、メスが十分にオスをカバーしていないために、股関節の負担がかかると変形や痛みをだしやすいことを意味している。…

顎が痛い

常連さんが無呼吸症候群の治療で、マウスピースを作ってもらい、顎位を調整しているという。しかしマウスピースを夜に装着したあと、朝顎が痛くてご飯が食べられないという。流石にこれでは困るので、歯医者で調整してもらったがまだ痛むという。歯医者には、「少し慣れるまで頑張って。」と言われていると言う。そして今日は寝違いで来た。以前から、「首のゆがみとマウスピース」でも書いているとおり、マウスピースが合わなけれ…

大腿四頭筋(太もも)について

大腿四頭筋(太もも)に関してはいくつか記事を書いている。まず自覚が出ない話。最近の患者さんで多いのが、「使い過ぎ」と「胃腸障害」である。使い過ぎに関してはサッカー選手やスケート選手、自転車の選手を見ればわかるとおり、蹴るか足を挙げる動きをすれば、大腿四頭筋は太くなる。一般の方の「使い過ぎ」は、登山や坂を登る、階段をよく使う、自転車を強くこぐ方などが太くなる。平らなところを歩いているだけでは余り大腿…

「子宮は大丈夫です」と言われて

結婚前の女性が不正出血があって医者に2ヶ所行ったが、いずれも問題ないと言われたが何か不安だという。詳しく話を聞いた、「不正出血がすぐに終われば良いのですが、少し続きます。大丈夫と言われても少し気になります。子宮自体は綺麗で問題ないと言われています。」気持ちは分からないでもないが、これは患者の質問力の問題である。「先生、私の不正出血少しダラダラ続きますが、今後妊娠を控えていて何か問題はないのでしょう…

蝶形骨について

聞き慣れない言葉だろうが、頭に色々と症状かある方には蝶形骨(ちょうけいこつ)の治療をする。 蝶形骨は頭部の骨の一つで、頭のほぼ真ん中にあり、羽を広げた蝶のように見えるので、この名前がついた。 眠れない方や鬱病、頭痛に耳鳴りなど治療の対象は広い。 実はこの蝶形骨、最近突然思い出したように取り組んでいる。 以前からこの勉強はしていたが、数ヶ月前に患った脊柱管狭窄症で股関節の治療をじんどう先生にお願いし…