症例

筋トレを始めようと思うのですが・・・

すこし難しい首の症状で通っている常連さんが、1年ぐらい治療しておおよそ7-8割楽になった。残りの治療は難しいが本人が、「筋トレを始めようと思うのですが・・・」と言うので、「それは良い。是非トレーナーをつけて下さい。」と指導した。首肩の筋トレは我流では難しくやはりプロの指導がいる。今まで何人かプロのパーソナルトレーナーをつけて首肩の症状が改善した方達を見てきたので、折角やるならそこまでやった方がいい…

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について

女性がよく閉経後に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を指摘され、医者から「カルシウムを摂りなさい」と指導されています。しかし現実はカルシウムだけでは骨がパキンと折れやすく、粘り気を出すためには「蛋白質」が必要です。そして、それ以外にも大切なものが後2つあります。「日光」と「振動」です。日光を浴びないとビタミンDが出来ません。ビタミンDは骨の材料となるカルシウムの吸収を助けたり、カルシウム不足の時は、尿…

出産がゴール

以前知り合いの産婦人科の先生から、「田中君、俺悩みがあって妊活している人達が出産がゴールになってしまっている。そこに至るまでに色々と薬を使ったり、何か言われたりする度に疲れ切って、金もかかるし、本人にしか分からない悩みが沢山ある。僕は産婦人科医だからちゃんと生まれるようにすればいいのだけど、そういう妊婦さんが『出産がゴール』と思っていて産んだ途端、『終わった』という達成感に包まれ、子育てをする力が…

本当に頭のいい人

仕事柄色々な職業の人が来る。話をしていていつも、「本当に頭のいい人は質問のレベルが違う。決して小手先のことを聞かない。もっと根源的なところをついてくる。」と感じている。先程受けたセミナーでも整形外科の教授が、「ストレートネックは多いが、本当に肩こりと関係あるのだろうか?」という講義をして下さった。我々の感覚からすると、「レントゲンでストレートネックと言われたのなら、首や肩がこっても仕方がないです。…

ゴルフにはまる理由

仕事柄、ゴルフにはまる方は多い。テニスやトライアスロンもそうだが、お仲間との関係が大きく影響している。 ゴルフを始めた頃は周りがよく褒める。 「初心者にしては球が真っ直ぐ飛ぶ。このまま練習すれば、シングルまでいくのでは・・・。」 「ドライバーもクラブを変えれば30ヤードぐらいはすぐ伸びる。」 「今度我々と一緒にプレーしませんか。」 ゴルフづきあいが始まり、本人は寝ても覚めてもゴルフが気になってしま…

こういう場合は、医者に任せられる

先日、「先生にすべてお任せはダメ」と書いた。医者が描いている病気の変化と患者がイメージしているものが違うのである。昔なら狭い社会で台所や屋根、庭の手入れなどいつものなじみの方に治してもらい、見積もりも取らなかった。頼む方も大体こんなものという感覚があったし、実際やって貰ってもそんなにイメージしたものと差はなかった。なじみの大工さんも先代から知っているような方だと、お互いの家の事情が全て分かっていて…

その時に必要な治療

股関節を手術した方が通っている。経過は順調でプールでリハビリを始めた。普段の生活には問題ないのだが、軽いマラソンをしたいという気持ちがあり、筋トレのつもりでプールで500mぐらい歩くと痛みがでる。医者や理学療法士に相談しても、「手術しましたから無理をなさらず。辛ければ注射でもします。」程度の診察で、痛みが続くので少し落ち込んでいるという。こういう場合はマッサージで筋肉を治療すれば簡単に回復し、又歩…

身体に従うとは

常連さんが首を痛めて通っている。今回首を痛めたには理由があって、「身体の中の2人」という話をした。それは「本人の気持ち」と「身体の本音」で、身体を痛めるのは「身体の本音」を無視すると起こる。体は嫌がったのに酷使したわけだ。スポーツ選手だと辛い症状と闘わないと上達しないみたいな感覚を持っている方が多い。我々から見たら壊れるだけなのに、なかなかそこは理解して戴けない。少し例え話をしたい。若い頃つき合っ…

医者の言う「普通」

常連さんが膠原病で大学の附属病院に通っている。そこで出される薬の量も多く、普段診て戴いている先生から、「大学で診て頂いているので色々とは言えないけど、少し薬多いんじゃない。」と言われるという。付属系の先生から見ると、「うちは難病ばかりで軽い方は来ない。だからあなたぐらいの症状でこの程度の薬を飲むのは多い方ではない『普通です』。」ということなのだろう。以前病院勤務時代は今みたいにリウマチは治療法がな…

ゴールが見えている病気

常連さんが甲状腺の問題で悩んでいる。我々からすると甲状腺は最悪でも手術で取って薬を飲んで終わり。余程甲状腺がんが周りに浸潤しない限り、問題は起こらない。軽ければ投薬で調整が出来る。どんなに悪くでもこの範囲に収まるというのがわかっている。股関節も同じである。相当悪化しても人工関節がある。歯も同じで最悪インプラントがある。結局、「ゴールが見えている病気」は見えていないものに比べ楽である。がんが全身に広…

始めにゴルフありき

常連さんが最近ゴルフにはまっている。30代の時は時間もお金もないが、50代になると余裕が出来る。そうなると頭の中はゴルフの事ばかり。「今週もコースに行こう。」「新しいドライバーを買おう。」「時間があれば練習場に行きたい。」「膝は多少痛いが何とかなる。」頭の中すべてがゴルフ中心に回る。膝とか痛くなければ良いが、大抵の方は膝か腰を痛める。少し治療して楽になるともっと負担をかける。「少し膝が楽なので、も…

突発性○○と雨漏り

病名で「突発性○○」というのは聞いた事があると思います。 医学で突発性というのは、原因不明を意味します。 何故その病気になったかわからない。原因は不明なんです。これが突発性という意味です。 原因がわからないので治療も的確性を欠きます。 ウィルス性上気道炎ならウィルスが原因で喉が痛いので、ウィルスを減らせば確実に良くなれます。 原因と治療法は極めて明確です。 突発性○○と病名をつけられても治ればいい…

煙草と胃炎

これは大分前の話しだが、30才ぐらいで開業して何とか軌道に乗せたくて神頼みをした。ただお願いするだけではダメだろうと思い、当時出来なかった禁煙をしますからという願かけをしてお願いをした。止めてみてすぐに体調の変化に気がついた。当時は遅い時間まで仕事をしていたので、数ヶ月に一度は胃炎を起こしていて、まぁこんなものだろうと思っていたが、煙草を止めてからは全く胃炎が起こらない。煙草が肺に悪い事をするのは…

鳥の唐揚げとぎっくり腰

久しぶりにぎっくり腰で来た方が前回と全く腰痛の原因が違う。数年前は完全に重い物を持って腰を痛めたが、今回は左の太腿しか硬くない。何があったのか聞いたら、「揚げ物が好きで唐揚げばかり食べて、体重がかなり増え下痢するようになった。」と言う。完全に「胃腸炎による腰痛」である。揚げ物などはうまみ成分が多いので後を引く。中々やめられない。そうこうしている間に体重は増え、胃炎や腸炎を起こし、医者に行けばコレス…

足の左右差と座禅

坐骨神経痛で通っている日舞の方が、お寺に座禅の修業に行ったという。坐骨神経痛があるので真っ直ぐは座われず、どうしても身体をどちらかに傾けないと痛みが出てしまうと言う。座禅の最中に体が傾いているとお坊さんに棒で叩かれるという。これは私から見たら、お坊さんは単に左右差がないかだけを指摘しているのに対して、本人は坐骨神経痛を考慮して身体に負担のない姿勢をしている。本人にしたらこの傾きやバランスが良い。も…

漢方薬を出すセンス

常連さんが、「今の症状に対して少し漢方薬はどうかしら?」と言うので、「結構漢方薬は先生との相性があります。症状を医者に言って先生が何をイメージしてどの薬にするかは先生のセンスです。そのセンスがあなたと合えば末永くお世話になればいいですが、合わないと他の先生を探さなければなりません。あなたは今、『腸が動かない』と『浮腫』が辛いでしょう。僕が拝見したら胃炎でした。患者の症状だけ聞いて出す先生とその患者…

ギブスが取れてから・・・

常連さんが足の小指を骨折してその後腰が痛くなり、ようやくギブスが取れたので来たという。我々から見ると、ギブス後、2週間ぐらいしたら来ればいいのにと思ってしまう。足の骨折なら6-8週間もすればギブスは取れる。その間医者から安静にと言われたので、患者心理として、「ギブスが取れたら腰を診てもらおう。」となったのであろう。骨折後6-8週間もギブスが取れるまで待っていたら、足や腰にどれだけ負担がかかるかわか…

目に見えないところの努力

先日、初めてお伊勢さんをお参りしたが、資料館を見学していて年間1500もの儀式があることや、式年遷宮に関わる職人達の技術継承の話、日に2回天照大神に食事を欠かさず用意していることなどを知って、「我々の目に見えないところでこんな事が行われていたのか」と感じた。 これは歌でも絵でも演技でも何でもそうだが、我々は表現されているものを見ているが、その方達が裏でどんな努力をしたかはわからない。 私は個人的に…

父親の詳細な病歴を調べる

例えば父親が鬱病を45歳から患っていたとする。子供は40才近くになったら、父親の詳細な病状を聞くと自分の病気の予防になる。親が鬱病だからといって子供が必ずなるわけではないが参考にはなる。病状と言っても、「やる気がなかった」とか「頭がフワフワした」など頭の症状だけを聞くのではなく、「喉が痛かった」「腰が重かった」「眩暈が時々した」「口内炎をよく起こした」などはとても重要な情報である。「喉や腰、眩暈や…

色々出る症状と貧乏

膝痛で通っている方が最近少し悪化して、反対側の脚や腰まで痛くなったという。我々からすれば反対側の脚や腰はよく症状が出るところなので、「あ、そうですか」で終わりなのだが、患者にしてみると、今までより痛い範囲が拡がって「反対側や腰ですよ!!」となるのであろう。こういう場合は、適切かどうかはわからないがよく貧乏の話に例える。あるお宅の父親が病気で稼ぎがなくなり、いくら母親が働いても追いつかない。子供はろ…