知恵と創意工夫

腰痛で通っている女性の常連さんが、職場のエアコンがきつく、治療してもすぐ腰がつらくなると言う。勿論、カーディガンやレッグウォーマーなど当然やっているが、足らないという。こうなると何か保温だけではなく、加熱も考えないといけない。机の下にバケツにお湯を入れておくわけにもいかず、温度管理はビル全体でしているので、室温をあげてほしいと言っても通らない。以前ある会社で窓際の一番暑い所に暑がりの部長がいて、エアコンの前に一番寒がりの女性職員がいた。部長は日に何度も暑いから室温を下げろと言う。席を変わればいいと思ってしまうが、部長の席は昔から決まっていて動かせないと言う。何とも非効率。ではどうやってこの問題を解決するために知恵を絞るかであるが、話をよく聞くと上からの冷たい風が辛いという。それなら透明のビニール傘でもさせばいいと思ってしまった。以前知り合いの先生が開業した時、お灸の匂いが治療院に充満するのが嫌で、自作で傘の真ん中に掃除機の先を取り付け、煙を外に排気していた。どのくらい効果があるのか試したら実に優秀で驚いた。上からの風が嫌なら傘で十分とすぐに思いついた。しかしオフィスで傘を指すのは上司から許可されないだろうから、サーキュレーターみたいので風を跳ね返すか、風向きを変えればいい。まずビニール傘を見せ、駄目と言われるだろうから、ではサーキュレーターはどうですかとやれば認められる確率は高い。困った時はやはり知恵で乗り切るのが一番いい。しかし困ったことに腰が痛いときは、痛みに耐えているだけで頭が回らない。そんな時のために普段から相談出来る人がいれば救われる。「三人よれば文殊の知恵」である。

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