症例

伸びしろ

今何人か学生が通っている。全員運動部で何処か身体を痛めて、親が当院に通っているので連れてこられた。今の時期、高3になると夏休みで部活も終わりで、その後は受験にまっしぐらである。そういう生徒を見ていると時々自分の学生時代と重なる。田舎にいた時は受験校だったので、運動部の連中は勉強をしない。当然成績は良くない。クラスの皆もそんな眼で見ていた。野球、サッカー、ラグビー部の連中が授業中寝ていても、先生は何…

身体の環境を整える

紹介で学校の先生が来ている。酷い首の痛みで、紹介者からは、「鍼でも打ってもらえば・・・。」と言われたと言う。身体を調べてみると極端なストレスでほぼ8年ぐらいの時間経過がある。こんな状態で鍼を打ったらどんな反動が出るか分からない。こちらは長い経験があるので、今までの経験と失敗から、こんな時は患部は触ってはいけない事を知っている。周りから徐々に攻めて、ようやく身体に受け入れ態勢が出来てから鍼を打てば綺…

今は整形美容と歯列矯正のいいチャンス

新型コロナウィルスの影響で医療界も命運を分けた。 患者の受診控えで耳鼻科は大きな影響を受けてしまった。 耳鼻科の先生も患者がくしゃみでもしようものなら、それはもう命がけである。 では全ての科が影響を受けたかというとそうでもない。 そんな中、先日常連さんとしゃべっていたら、「今の時期、美容整形と歯列矯正は忙しい。普段なら美容整形や歯列矯正はマスクをして隠さねばならないが、今の時期なら2年近くはマスク…

カツオが磯野家を片づける日

常連さんが、「サザエさんの続編って知っている?」と聞くので、新しい漫画が出来たのかと思ったら本だという。 内容が、「波平さんが亡くなって、フネさんは広い家に1人暮し。ザザエさんは家を出て、ワカメちゃんはキャリアウーマン。カツオは独身で実家に戻る決心をした。フネさんは物が捨てられず、磯野家がゴミ屋敷状態。不動産の花沢さんが出てきたり、友達にファイナンンシャル・プランナーがいる。」と言う。話を聞いただ…

日を改めて仕切り直し

前回、常連さんの腰痛がいつもより酷かった。治療していてもあまりに筋肉が反応しないので、「仕切り直してもう一度1週間ぐらい後に治療しましょう。」と伝えて、先程治療したら、大腿四頭筋(太腿)が嘘のように柔らかくなり、腰痛がなくなっていた。こちらとしては戦略勝ちで思わず微笑んでしまう。しかし脛は硬いままで余り反応しなかった。ハムストリング(太腿の裏)は少しだけほぐれていた。脚の筋肉も場所により反応がかな…

レントゲンでは異常がない

この仕事をしていると、「レントゲンを撮っても異常がないと言われるんです。」とよく言われる。 腰痛、膝痛、首の痛みなど確かにレントゲンだけの診断では、原因を確定しにくい。 病院にMRIがあり、詳細が分かればもう少し原因特定できるのだろうが、必ずMRIを撮ってくれるわけではない。 最近では整形外科の領域でよく、超音波診断装置を使っている。 当院でももう導入して数年経つが、現実問題、超音波診断装置だけで…

やがてはおとぼけ爺さん

今はまだいいがやがてこちらが爺さんになったら、少し治療の中におとぼけを入れようと思っている。今日来た常連さんはもう40年近く診ている。いつもと違う左腰を訴えるので調べたら、原因は筋肉痛でそれもいつもより5割増しで使っている。何をやったかはわからないが、「いつもより5割増しで頑張って何かやったでしょう?」と聞いたら、「いつもは筋トレのレベルが4なのに、今回はレベルを6にした。確かに5割増し。少し気合…

「身体の中の父ちゃん母ちゃん」裏話

「身体の中の父ちゃん母ちゃん」の話は患者さんにはよくしている。例えば右膝が痛い場合に我々はまず左足から診る。反対側の足に余裕がない場合は患部の痛みが強くなることを体験的に知っているからである。そこをちゃんと説明しないと、「私は右膝が痛いと言ったのに、この先生反対の左ばかりを治療している。人の話を聞いていないか、右も左も分からないのでは・・・。」と言われてしまう。痛い右膝を「父ちゃん」、痛くない膝を…

やがてはネットワーク治療が主流

ブログでは何度も書いているが、病気を縦割りで診ると答えの出ない場合が多い。 首の痛み一つ取っても、病院ではレントゲンを撮り、問題がないと痛み止めで終わり。 良くなれば良いが、良くならないと次にどこへ行って良いか分からない。 余りごねると、「心療内科を受診してみては・・・。」と言われてしまう。 我々から診ると首の痛みの原因は、「腕のこり」「噛み合わせ」「鼻炎」「眼の疲れ」「肋骨のゆがみ」「喉痛み」「…

ときどき角膜が・・・

常連さんが、「数年に一度角膜がおかしくなり、眼医者で診てもらっている。『コンタクトをしているの?』と聞かれるがしていない。角膜がやられると痛くて仕方がない。原因もわからず辛くなると通っているだけ。前回は『ウィルスが関わることもある。』と言われた。」と言う。この話を聞いて、最近この方は身体が少し激務でゆとりが全くなくなっている。前回など今までで1番悪く、首のゆがみや神経の興奮があったから、「マウスピ…

難聴と鼻炎

今日来た方は耳の聞こえが悪いのですぐに耳鼻科に行ったという。我々の感覚では耳鼻科は早ければ早いほどいい。頭痛ぐらいなら少し様子を見てということになるだろうが、難聴や耳鳴り、眩暈などは早く処置をしなければ困る場合がある。そして耳鼻科では何故か鼻を診てもらって水抜き剤が出たと言う。そして1週間後にまた来て下さいと言われたという。この話を聞いて少し不親切だなぁと思った。まず難聴の原因であるが昔、中耳炎を…

身体を鍛えていたのに・・・

先日、「平成の三四郎」こと古賀選手が53才の若さで亡くなった。山下会長のあとはこの方が柔道界を背負って立つと思っていたのでとても残念で、余りの若さにショックが大きい。バルセロナオリンピックでの試合直前でのアクシデントや、優勝した時の顔は今でも忘れられない。報道によるとお父様も若くしてがんで亡くなり、本人はがんの手術を受けて闘病中だったらしい。 常連さんから、「金メダルを取るほど身体を鍛えているのに…

どこの医者に行ったらいいのか分からない

今日、紹介で来たおばあちゃんは色々と症状があった。右の眼瞼痙攣と右頬のシビレ、右耳鳴りに花粉症、噛み合わせに狭心症、便秘、足の冷え性とバラエティにとんでいた。話を聞くと、「最近は新型コロナウィルスの影響で混んでいる医者には行きたくないので、近くで空いている医者は泌尿器だった。薬のことを色々と相談しても只出すばかりで、一向に症状が改善しない。とにかく便秘が良くならない。市販の薬を飲んだら効いているの…

健康格言

キリスト教徒の内村鑑三が、「人は後世に何を遺して逝けるのか。清き金かそれとも事業か、著述をし思想を残すことか。それとも教育者となって学問を伝えることか。しかし何人にも遺すことができる最大の遺物がある。それはその人らしい生涯を送ることである。」と説いた。 私も還暦を越えだしてから、何か後世に役に立つものを残したいという気持ちが出てきた。 では何を残せるかだが、仕事柄「健康格言」しかない。 普段何気な…

男性の更年期とオープンリール

還暦を迎えた常連さんが、「先生は還暦の時に何か感じた?俺、あまり嬉しくないんだよね。」と言うので、「僕は特別には何も感じなかったです。仕事柄、男の38才説で色々と訴えてくる方はいますが、おそらく昔聞いた話が影響していると思います。20年ほど前に何か困った事があると相談にのって戴いていた師匠から、『よく男が40才になると、人生半分来たなどと言って立ち止まる奴がいる。生き方というのはオープンリールでい…

百草丸と物忘れ

常連さんが最近物忘れをするので診て欲しいという。全身を調べたら、免疫の指数は低いし、記憶の反応点も良くなく、神経伝達物質も数値も低い。何故か胃だけ問題がなく、腸の反応点が最近で一番低い。何が起こったのか聞いたら、「百草丸を飲むと胃の調子が良いので続けている。何故か甘い物が食べたくなり、食べても胃がやられない。しかし便秘が酷く下剤を飲んでもスッキリしない。そして物忘れする。」と言う。これは胃だけ強く…

膝にテーピングをしたら悪化した話

膝痛の方はよく来るので、テーピングの使用率は高い。先程来た方は時々、膝痛を訴えるので必要に応じてテーピングは使っている。前回、膝にテーピングをしたらいつもなら楽になるのが、痛みが取れず気になって剥がしたら痛みが取れたという。こういう場合はどう考えたら良いのだろうか。まず我々がテーピングを使う目的は2つである。「筋力低下」と「筋肉が硬い」である。「筋力低下」はテーピングをして補強になるから痛みが楽に…

編み物で悪化した股関節痛

常連さんが頭痛が続いていると言う。身体を調べてみると「腕のこり」が相当酷い。腕は「使うか」「ストレス」しか硬くならないので、何をしたのか聞いたら、「特別には何もしていない。」と言う。硬さから判断して、かなり根を詰めて2-3週間経っているので、また聞いたら、「編み物を少し、孫のために・・・。」と言う。本人はそんな前に使った腕の問題がまだ残っているとは思っていないので、意外な顔をしていた。全て腕に自覚…

健康格差

以前から「親の年収による教育格差」が言われている。 昔は東大には田舎の秀才がかなり入っていたが、2014年の調査によれば東大生の育った家庭の半数強が、親の年収が950万円以上の裕福な家庭だったという。 本人が頑張れば入れるというより、環境の影響が大きいという事だ。 また厚労省の調査では所得による「健康格差」で所得200万円未満の世帯と600万円以上で歯の本数が違うと言う。 所得によって健康リスクに…

痒みについて

以前も老人性掻痒(そうよう)症で書いたが、 糖尿病などで痒みが出た場合、現代医学の中に中々良い治療法がない。痒みが軽ければそこそこの塗り薬で良くなるだろうが、酷くなればステロイドを使う。ステロイドで治まれば良いが、治まらない人は多い。そんな時何処を診るかであるが、「鼻炎」「口腔内」「腸」が決め手である。一部心臓の薬などで腸管がやられ、痒みが出ていれば、投薬の見直しで良くなる方もいる。治療法は「鼻炎…