症例

胆嚢の反乱

以前、甘い物の取りすぎを指摘した方が久しぶりに来て身体をチェックしてくれと言う。背中を診たら胆嚢の反応が強い。胆嚢は「辛いもの」「脂っこいもの」「ドカ食い」などで右の背中に出るが、硬さから判断して6ヶ月ぐらい経っている。以前の甘い物の背中の反応はギリギリセーフだが、何をやったのか聞いたら、「たまたま近くのそば屋でもらった唐辛子が美味しくてはまってしまった。何にでもかけてしまう。もう今年の正月からや…

おおらかな時代

常連さんに昔話をしながら少し思い出したことがある。以前、先生を育てる患者でも書いたが、バブルの前はおおらかな社長がいた。「この間頚が痛いときに腕をやってもらったら楽になった。今日は少し反対もやってくれ。」と言われやってみると、「これ良いね。試しに脛はどうだ。」と言われこれもやってみると、「益々いい。なんか頚だけやるよりも違うところから攻める方が効くんじゃないか?少し他の患者でも試してよければ教えて…

会社復帰と水曜日休み

交通事故の後遺症の方が通っていて、医者から復帰許可が出たので仕事を再開したがなんとも調子が悪い。こういう場合は負担をかけても自力で回復出来ないことが原因で我々がいくらやっても身体が反応しない。それなので週に1度水曜日に休みを取りなさいと指導をした。水曜日に休みを取ると「月・火」と仕事に出てもう休み、「木・金」と出てもう休みそれも2日も。2日出て休みとなると身体は元に戻る。それが月から金まで5日間連…

第4の治療!緩和ケア

西洋医学でがんの治療というと「手術」「放射線」「抗がん剤」が3大治療だが、ここ数年第4の医療として「緩和ケア」が言われるようになってきた。 「緩和ケア」と言うとどうしても「終末ケア」や「看取り」などのイメージが強く、手を施しようがない患者に麻薬を使って痛みだけ取るイメージがあるが実際はそうではない。 QOL(生活の質)を高めることで寿命が伸びることがわかってきた。 最近は初期の段階から「緩和ケア」…

授乳が止まる

昨日紹介できた新米ママは元気な方だった。まずふくらはぎが辛いというので太腿を診たら、新米ママではあり得ないぐらい硬い。これは相当な負担をかけなければ起こらない。話を聞いたら妊娠中から踊りの約束をしていて、出産3ヶ月で頑張ったという。そしてストレスで授乳が止まったという。これは相当なことである。筋肉の質を診たら瞬発系にむく筋肉だったので、「あなたは石橋を叩かないで渡るでしょう。一言で言えば無鉄砲。母…

途中で身体は壊れた方がいい

胃が原因で腰痛持ちの方が、胃の治療がうまくいき、腰が何ともなくなってしまい、最近は連続会食の食べ過ぎで腸が根を上げてしまった。常にお腹が苦しいと言う。本来であれば胃の痛みや腰痛で過食など出来るわけがないのだが、胃と腰に関しては症状が出ないものだからブレーキがかからない。本人は、「絶食します。」とは言っているが、内心は「美味しい食事が悪い。」と思っている。こういう状況になると、「途中で身体は壊れた方…

頚椎椎間板ヘルニア、骨化(こっか)、骨棘(こっきょく)と言われて

首の痛みで通っている方が病院で、「頚椎椎間板ヘルニア、骨化(こっか)、骨棘(こっきょく)」と言われたという。聞いただけで難病の感じがする。しかし症状を調べると、ヘルニアの症状は出ていないし、骨化(こっか-後縦靭帯骨化症なども難病もある)も酷くない、骨棘(こっきょく-骨がトゲのようになってしまう)の影響もない。医者に、「ヘルニアの症状は出ていません。手がしびれたりしたら来て下さい。首の痛みは自律神経…

徹夜のコツ

若い20-30代なら多少の徹夜も大丈夫だろうが、40代を越えるとかなりきついものがある。仕事でどうしても徹夜しなければいけない方に少しコツをお話したい。それは「食べないこと。」である。徹夜で何かするときに本来神経が休んでいるはずの時間に、働かせているわけだから、当然興奮する。自律神経で言えば交感神経優位になる。こうなると胃腸は動かない。そんなところに食事をしたら、どれだけ腸が嫌がるかわからない。殆…

猫で大騒ぎ

うちにも野良猫がいるが、患者さんでも猫のこととなると皆大騒ぎである。外の野良猫だと寿命が5-6年しかないそうである。家猫だと15年ぐらいは生きる。以前、黒澤明監督の映画で「まあだだよ」というのがあった。 内容は主人公の内田百間先生が大学を辞めて文筆業に専念する。かつての門下生の助けをかりて下町の一軒家に引っ越す。百間先生は人気があり、いつも先生を慕う多くの門下生に囲まれていた。やがて戦争になり、東…

一隅を照らす

先日秋休みを頂いて延暦寺に初めて行った。 「一隅を照らす」という大きな石碑があり、気になったので少し歴史を調べてみた。 まず延暦寺という寺はなく比叡山全域を境内とする寺院の名称である。 一般的には「東塔」「西塔」「横川(よかわ)」の3地域(三塔十六谷)を合わせたものを延暦寺と呼んでいる。 開祖は最澄で766年、滋賀県大津市に生まれる。15才で出家したが奈良の大寺院での安定した地位を求めず、郷里に近…

脳の中にもう一つの身体の地図がある?

長年仕事をしていると患者さんから、「ここが痛いのでここに正確に鍼を打って欲しい。」と言われ打つと、「違う、そこではない。」と言わる事がよくある。ではどうすれば良いのか色々試してみると、その場所からではなく、少し違う所からある角度で打つと、「そこそこ。」と言われることが多い。これは長年の経験があるから出来ることであるが、何度となくこういう経験をしていると、「脳の中にもう一つの身体の地図がある?」ので…

「少し甲状腺が腫れている。」と言われて

常連さんが定期的な健康診断で医者から、「少し甲状腺が腫れている。」と言われたという。その後、超音波診断と血液で問題ないことがわかったが、たまたま相談した医者に違うことを言われたという。1人からは「こういう腫れは殆ど問題はない。一度調べて大丈夫ならそんなに調べなくても言い。」と言われ、他方からは「念のため、毎年チェックした方がいい。何か出てくるかもしれない。」と言われたという。我々から見るとそんなに…

フェイスラインと顎関節

常連の女性が、「少し左のフェイスラインが気になる。」と言う。本来であればそこに鍼やマッサージをして終わるのだが、この方は顎関節症がありマウスピースを歯医者に依頼してあったので、合わないのかと思ったら最近調整したばかりだという。詳しく話を聞いたら、「かなり以前から左だけで噛む癖があり気になっていた。」と言う。こちらにしてみたら顎関節から来る首の症状は、歯医者がやってくれているからいいと思っていたが、…

リハビリをして症状は変化するほどいい

骨折などの後遺症で通っている方は多い。今日来た方は「肩と足」を痛めたが、毎回辛い所が変わる。前回は肩、今回は首、その前は腰と言った具合である。毎回違うことを言うのは本人も気が引けて、まるで仮病のように思われるのではないかと感じていると思う。しかしこれはリハビリをしているととてもよくある事である。「肩と足」を痛めれば首や背中、腰、膝に症状が出ても全く不思議ではない。それより毎回症状が変化しない方が深…

新型コロナウィルスの収束?

今でも毎日、新型コロナウィルスの新規感染者数の数字がLINEに入る。 この新型コロナウィルスで世の中が一変してしまった感があるが、色々調べれば調べるほど疑問ばかりが膨らんでくる。 1.日本は他国に比べてどうしてこんなに感染者や死亡者が少ないのか? 2.第2波と言われているが死亡者が殆ど出ないのはどうしてなのか? 3.BCGが有効とされているが、例外が明確にあるのはどうしてなのか? 4.マスクは有効…

秋葉原理論

近所に新しく整骨院が出来、常連さんと話をしていたら、「そこの先生は、『近くに作ってすいません。』という気持ちで挨拶に来られたのでしょうね。」と言うので、「ご丁寧に挨拶はいただきました。大きな菓子折も頂いて・・・。その時に『僕はこの街にどんどん医療関係が増えればいいと思っている。秋葉原や中華街を見ればわかるはず。出来れば出来るだけ外部から人が来る。』と言った。」と言いました。例えば青物横丁の駅からう…

片づけとダスキン

知り合いの女性が、片づけが苦手でそれが悩みだという。しかしある日ダスキンのサービスで定期的に部屋を片付けてくれて、そんなに高くなかったので頼んだという。1回頼んだらはまってしまった毎月頼むという。何時も同じ女性が2人で来てくれて細かいところまで徹底してやってくれるという。それが習慣になったら今までは悩みだった片づけが今度は逆算できるという。「あと10日で来て頂ける。」「明後日は来てくれる。」「今日…

見守る

常連さんの奥さんがテレビ撮影で本番前にかなり緊張していたという。ご主人はただ見守るだけだが、自分が何かやるときよりも余程肩こりが酷くなってしまった。学校で運動部の監督もそうだが、選手より余程緊張している。「見守る」というのは体験してみないとわからないものだが、決して楽ではない。端から見ると「何もしていないのだから・・・。」と見えるが、やってみればわかるが当事者より肩こりは酷くなる。親になれば子供を…

耳とコント

母親も年を取り、たまに田舎に帰ると会話が噛み合わない。最大の理由は耳が遠くなったことである。息子が久しぶりに帰ってきて、母親に何か言うとなれば「飯」か「風呂」である。「ばあさん、飯。」と言うと、「え?亀?」「亀じゃないよ、飯だよ。」とこんな感じである。すこし時間が経つと、「ばあさん、風呂。」と言うと、「え?うどん?」と返ってくる。「飯はさっき終わった、今度は風呂。風呂。」「え?布団?」「まだ寝ない…

解説屋さん

久しぶりに脊柱管狭窄症のOPEをした方が来た。話を聞くと、「最近転んだり、フラフラしたり、膝や腰がくだけたり、手に力が入りにくかったりいろいろな症状がある。医者で診てもらったら『頚の手術が必要ですね。』と言われ、納得がいかない。頚も痛くないのに手術とは何事だ。」とプンプンしている。時間をかけてここ数ヶ月の経過を聞いたら、全て頚椎症のことばかり言っている。脊柱管狭窄症で腰の手術をしたから本人は膝や腰…