症例

パジャマと膝の水

常連さんが膝が治らないという。膝の症状は最終的にはタルクを使う話は以前に書いた。2-3回治らないと言われると、「じゃ今日はタルクを使いましょう。」と、普段のパジャマから短パンに履き替えてもらって膝を診たらビックリ。お皿の周りが腫れている。「水じゃないですか?何時からこんなになっていたのですか?」「私も膝をマジマジ見ないのでわかりませんでした。言われてみれば腫れていますね。」「これはちゃんと調べて下…

和服で慢性腰痛治癒?

常連さんがいつものように左腰に痛みを感じていたが、たまたま和服を着て歌舞伎座に行ったら腰の痛みがなくなってしまったと言う。この方は少し痩せ気味で、骨盤固定やお腹を温める話は以前からしているが、中々治療の決定打にはならない。今日はたまたま暑かったので着物を着ながら汗をかいたと言う。もしかしたら、この汗と帯の固定が、「患部の超発汗」と「肋骨までの超固定」になったのかもしれない。いつも痛がる左腰、左股関…

ラベンダーリングについて

Bi-Digital O-Ring Testをやっているとどうしてもがんの患者さんが増えて、毎月オンコロや国立がんセンターで2-3回セミナーに参加している。抗がん剤や新しい薬剤、治療法の推移、国際的基準などめまぐるしく変わるので、勉強に手が抜けない。昨日参加したセミナーで「ラベンダーリング」についての話しが出た。耳下腺などに出来るがんで顔の一部を大きく取る場合、その後のケアで化粧をしたり、写真に撮…

リウマチと間質性肺炎

常連さんが突然整形の医者から、「呼吸器の先生に行って。」と言われたという。話を聞いてみたら、この方は10年ほど前に関節の痛みがあり、詳しく診てもらったらリウマチの予備軍という事がわかり、リウマトレックスという関節リウマチ治療薬を飲んでいる。この薬は最近のリウマチ薬では目覚ましい効果をあげていて長期間飲んでいる方も多い。副作用で間質性肺炎(肺の小さな袋に「間質」という部分があり、そこに炎症が起こり酸…

パソコンのやり過ぎで左肋骨の際の痛み

常連さんが珍しく左の悸肋部(肋骨の際)が痛んだという。本人は膵臓と思って慌てて温灸をしてという。我々から診るとその場所の痛みは①肋間神経痛②左結腸曲での通過障害(大腸が下に行くために曲がるところ)③脾臓の痛みぐらいしかない。便秘なら結腸曲だが、この方は便秘はないのでおそらく違う、脾臓はちょっと考えにくい、結局肋間神経痛ではなかろうかと思う。なぜかというと前回の治療の時にパソコンをやり過ぎて右腕に負…

女優と体力

久しぶりに女優さんが来た。3ヶ月ほど舞台が続き、かなりきつかったみたいで手がしびれるという。身体を診たら手のこりが酷く、「昔の専業主婦みたいに家事に明け暮れている感じだが・・・。」と言ったら、「そうかもしれません。舞台のことから裏方さんまでこなしている。」と言う。しかしこの方は体力があり、おそらく他の友達と遊んでいても、「もうちょっとやろう。」と言っても他の方が、「もう疲れたからいい。」と言うので…

湿布を貼ったところが皮膚かぶれ

日焼けの話を書いたのでもう一つ書きます。昔は湿布と言えばトクホンしかなかった。何処に貼ってあるかはわからなくても匂いですぐにわかった。最近の湿布は進化して熱を取るだけでなく薬効で効かせるものが多い。皮膚によくくっつき、取れにくい。ついつい長い時間貼ってしまい、気がつくと外出などしてかぶれていることがある。これは「光線過敏症」である。湿布の成分が合わない場合もそうですが、湿布の所に紫外線があたり起こ…

日焼け・紫外線について

常連さんがアウトドアスポーツでしっかり日焼けしている。少し火傷気味なので、オロナイン軟膏を塗っていたという。もちろんそれでもいいのだが、我々は火傷と聞くとすぐに「紫雲膏 しうんこう」が頭に浮かぶ。昔田舎では子供が火傷をするとすぐにおばあちゃんが、「紫雲膏を塗っておきなさい。」とか、「アロエがいい。」とか言っていた。家庭の常備薬であった。しかし最近は火傷の話をほとんど聞かない。薪はないし、石油ストー…

泣いている赤ちゃんを一瞬で泣き止ます方法

新米ママに関しては何度も書いているが、最近は新米パパの悩みで、「赤ちゃんが泣き止まず、困っている。何をしてもダメ。睡眠も十分取れないし困っている。」というのが多い。これは数年前にyoutubeで見つけたのだが、 Dr. Robert Hamilton先生が泣いている赤ちゃんをうつ伏せに抱っこして、少しお尻振ると泣き止むという。 こちらとしては本当かどうか知りたくて、泣いている赤ちゃんで実験したいと…

鎮痛剤を1回に6錠日に3回、飲んでも治まらない頭痛とぎっくり腰

久々に凄い人が来た。主訴はぎっくり腰なのだが、身体を触りながらあまりに強い身体なので、「他にも何か具合の悪い所があるでしょう?」と聞いたら、「頭痛が長い。昔は2錠市販のを飲んで良くなったが、最近は錠数が増え6錠一辺に飲まないと駄目。それも日に3回。市販の鎮痛剤がすぐなくなる。」「噛み合わせか鼻炎は?」「両方ある。噛み合わせは酷く歯が割れる。歯医者に『病巣感染の治療をしなくてはならない。』と言われて…

明確に身体が反応する「生ビール、焼肉、赤ワイン」

以前が学会で、「外食で一番悪いのは生ビールと焼肉、一番いいのは焼酎と青みの魚。」と教わった。ある常連さんが最近足が痛みどうも運動と痛みが連動しているのではなく、食生活と連動しているようだという。何を食べると痛むのか聞いたら、「生ビール、焼肉、赤ワイン」と言う。どうしても人と食事となると肉は増えるし、ビール・ワインもすすむ。気持ちは分かるが私自身ビールは好きなのだが、やはり毎日飲んでいると内科の先生…

ぎっくり腰と胃炎

今日来たぎっくり腰の方は、「腰に悪いことは何もしていない。すこし連休で食べ過ぎただけ。最近少しだけ体重が増えて気にしている。夜中に食べる習慣が治らない。逆流性食道炎も指摘されている。」と言う。身体を診ると典型的なスタマックラインで胃炎、丸出しである。胃の具合が悪く、腹筋が働かず腰に慢性的に負担がかかり、悪いことに過食で足も浮腫んでいる。これでは腰は悲鳴を上げてしまう。胃炎の反応点の左太腿だけ治療し…

ゴルフ連チャンで疲労の取り方

常連さんが、「ゴルフを土日で2連チャンやるとどうしても週明けの月・火曜日に疲れが残る。何とかならないか。」という。この方は医療関係者なので、「考え方ですが、筋肉に乳酸が溜まるという話もありますが、単純にそれだけが原因なら何か打ち消す物を静注(静脈注射)で入れれば解決します。しかし実際問題それでうまくいったという話を聞きません。ですから強ミノ(強力ネオミノファーゲンシー 肝臓を元気にする薬)やミオナ…

硬膜下血腫について

常連さんが久しぶりに来て、「転んで頭を打った後、数ヶ月してフラフラするので調べたら医者から、『硬膜下血腫です。すぐ手術です。簡単ですからすぐ終わります。』と言われ、手術の後、後遺症もなく少し落ちついたので来た。」と言う。この硬膜下血腫だが、聞き慣れない言葉かもしれない。これは脳を包んでいる膜が三層構造なのだが、一番外側の膜で触るとかなり硬い。その膜の下で出血すると硬膜下血腫と言って殆ど外傷が原因で…

頭の血流と痔

漢方では痔の治療に頭のてっぺんのツボ(百会 ひゃくえ)を使う。学生時代に何故そんなところを使うのか不思議で色々な先生に聞いたが、「昔から効くんだから。」「頭を刺激して痛みが和らぐ。」「反射」などと言われ、明確な答えを教えてもらえなかった。臨床を重ねるうちにどうも頭の血流を上げ、自律神経の調整や反射がかかわっているのではないかと思うようになった。患者さんを診ていると頭の血流剤を飲んでいるうちは痔が治…

「大丈夫」という意味

常連さんが主治医に対して少し文句かあるという。 何かと思って話を聞いてみたら、「うちの先生、どんな時も『大丈夫』しか言わない。この間私が胃潰瘍をやった時も、『大丈夫』、脚の手術の時も、『大丈夫』、血液で少しおかしな事になった時も『大丈夫』、がん患者にも『大丈夫』で何とも頼りないというかいい加減というか少し不満。」と言う。 この大丈夫という言葉だが、前に少し正確な言葉の意味を足せば問題ないと思う。 …

そんなにすぐに良くなるわけがない

常連さんが突発性難聴と耳鳴りで専門病院で治療したが良くならず困っていた。違う病院を紹介したら、たまたまうまくいきほぼ完治したと言う。そうしたら嬉しくて舞い上がって酒を飲み、転んでしまいまた耳の調子が悪いという。昔病院に勤務していたときもカメラマンが足を骨折して、プレートとをボルト止めであまりに調子が良いのでリハビリもせずに退院してしまった。その後2ヶ月してあまりに脚に負担をかけたものだから、ボルト…

耳の病気と顎関節

常連さんが耳の調子が悪いという。話を聞いてみると以前も調子が悪いことがあり、近くの耳鼻科で治してもらったという。前回の時と同じ処方が出て、「耳の病気(難聴、眩暈)は時間との勝負です。発症して早ければ早いほどいい。症状が出た次の瞬間に耳鼻科にいるぐらいがいい。中々こういう事は世間には伝わっていなくて、耳鼻科にいくと、『どうしてもっと早く来なかった。早くくれば治ったのに・・・。』と言われてしまう。そし…

身体の貯金

常連さんが病気の治療ではなく、予防で通っている。EAT(Bスポット療法)に鼻うがい、マウスピース、口腔ケアに減量、適度な身体のメンテに医療情報収集、今日身体を診たら少し踵が痛いというので、feet inを紹介した。これで中敷きも出来、乳酸菌も飲むという。どこまで身体の貯金を増やすのかと思うが、この医療格差は大きい。この方には「人が死ぬのは1位ががん、2番3番が脳や心臓の血管、4位が肺炎、後は不慮の…