子供の頭痛

常連さんの子供(中学1年生)が頭が痛いという。何処か聞いたらこめかみが左右差もなく痛むという。こういう場合は周りの環境が悪いことが多いので、まず鼻炎がないか聞いたら、お母さんが大丈夫だという。しかし気になって喉を診たらそこそこ扁桃が腫れている。おかしいなと思って、「この子はいびきをかきませんか?」と聞いたら、「かく。」という。鼻炎だけでも頭痛になるので、耳鼻科を紹介した。次に歯科で噛み合わせも診てもらうように話をした。歯が抜けたりして一側だけで噛む癖が出来るとよく同じ側の頭痛をいう。今回は両側均等の頭痛なので可能性は低いが、診てもらうといい。次に原因として考えられるのが「前腕のこり」。これはゲームのやりすぎが多い。お母さんも、「この子はゲームのやりすぎで眼までチカチカすると時々言っている。」と言うので、腕を診たら、相当酷い。久しぶりにこんなに酷い腕を診た。以前は確か剣道部の試合前にやり過ぎた子供の腕だったが、それに劣らないぐらい酷い。これはゲームで説明できないので、何をやっているのか聞いたら、「バイク」だという。自転車のことかと思ったらエンジンのついたバイクを最近少し大きいのに変えて、衝撃も強くすべて腕で受けるという。最近はコロナの影響で学校が休みなので、今までは週に一度行っていたのが、最近は土日通っているという。これで原因がわかった。こちらがかなり徹底的にやっても殆どほぐれない。それならこめかみから治療しようと思い、こめかみを触ったらびっくり。6-8年ぐらいの歴史のあるこめかみの硬さで、「相当長い間我慢して弱音を吐かなかったでしょう。」と言ったら、小さな声で、「はい。」という。痛い痛いというと母親に怒られるからなのか、親に迷惑をかけたくないのかはわからないが、これは我慢できるレベルではない。頭痛の全体像がわかったので、「土日バイク乗るならちゃんと治療に来る?治療に来ないならバイクは周一。」と言ったら、「来る。」という。何ともけなげな言葉に心が揺れてしまう。時々子供の頭痛は診るが、余程脳に何かない限り、このような原因が殆どである。

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