最後までちゃんと治す

腸の具合が悪く通っている人がいる。
お腹を揉んだり鍼や灸、食事指導に物の考え方まで色々とこちらもやりようがあるので、順調に辛さが減り、今は95点だという。
しかし以前、「残り5%の痛み」でも書いたが、ここから完治までが至難の技である。
1つ言えることは今までの治療法の延長線上で良くなるなら、もう100点になっているはずである。
しかし95点をが続くということは、それは、「今までと同じ事をやっても身体は反応しないよ。」と言われているようなものである。
ではどうするかであるが、1つの答えは、「今までやったことのないことをする」事である。
例えば、散歩ばかりやっている人は自転車とか登山とか、食事も変えてみる。断食も良いかもしれない。水を飲む量を変えるのも効くかもしれない。
何が言いたいかというと、新しい刺激で身体を驚かせてほしいのである。
具体的に何が有効かはわからないが、そんなところにヒントがある。
今までも治りきらない方が久しぶりに来て、「あの症状はどうしましたか?」と聞くと、「治りました。」「何をやったのですか?」「ちょっと趣味が増えて・・・」とか、「カラオケにはまって・・・」と治療と全く関係なさそうなことがきっかけになっている。
何年やっていてもこれには驚いてしまう。こちらが身体のスイッチの本質を掴んでいないのである。
以前から、「身体はスイッチ論」と言ってはいるが、では何をやったらいいのかの答えを持っていない。
やっと答えられるのは、「普段と違う事」ぐらいである。
答えが分かれば楽だが、その答えは常に、「そんな事?」と言いたくなってしまう内容ばかりである。
もちろん身体は未知だが、あまり理屈だけで完治まで行かないものである。
そういう身体だからこそ、興味が尽きない。

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