過食とセンサー

正月は次から次へと過食の方が来る。朝から晩まで過食過食と言っていると少し飽きてくる。ある方から、「先生はどうして過食をしないのですか?」と聞かれて、「過食をするのは簡単です。今食べている量の2倍は食べられます。しかし食べた後に何が起こるかというと、僕自身の指のセンサーが働かないのです。何処に問題があってどの角度でどれだけの刺激を与えるかは殆ど勘でやっていますが、それがわからなくなるのです。だから患…

休暇には2週間が必要

以前、ハワイに別荘を持っていた方から、「休暇は2週間ないと休んだ気がしない。フライトで疲れて着いた日はバタンキュー、翌日買い物をしてこれでもう2日、帰国するには準備で1日、冷蔵庫などを片づけて1日。結局前後4日間取られるから、2週間ぐらいないと丸々10日休めない。それぐらいないと休んだ気がしない。全部で10日間なら行かない方がいい。」という話を聞いてとても印象深く残っている。今日はある社長が海外に…

過食と膝痛

膝痛で通っている保育士さんが、年末年始に膝が悪化して冷湿布を貼ったが良くならなかったという。普段は子供相手に動き回っていて、ご飯もろくに食べられないぐらい忙しいらしいが、正月は自分の子供達とゆっくり出来て良かったという。しかし身体を診たら完全に過食である。太腿の内側や胃の反応点、すべて悪い反応が出ている。「今回の悪化は過食と安静です。動き回って膝に熱を持っているときは冷たい湿布はいいですが、今回は…

患者の欲しい説明

長年この仕事をしているとどうしても、説明を簡単に済ませてしまうところがある。今日、腕を使いすぎた方が、「肩首まで痛みが拡がり、医者に行ったら血圧まで高い。首の前の所を押すと肩甲骨まで響く。」と言う。我々からしてみると腕の使いすぎは腕自体に症状は出ないが、簡単に肩や首の痛みを起こす。痛みの状態が続けば自律神経は興奮して血圧を上げる。首の前の所というのは「腕神経」と言って腕に抜ける神経の通り道である。…

痩せる道理がない

胃腸を壊し、腰痛で通っていた方が最近太りだした。今までなら、食べ過ぎると腰が痛くなってブレーキがかかっていたが、最近体力がついたのか、胃腸が元気になったのか、食べ過ぎても腰が痛くならない。こうなると歯止めがないから、どんどん太る。ただ腰が重いだけだ。こうなると止まらない。身体の器が大きくなるのは良いことだが、限度はある。以前なら無理矢理、胃を壊して治療することを考えたが、今は中々やりにくい。こうな…

足のつりと五十肩

新年早々、常連さんが足がつって肩も痛いという。調べてみるとつったふくらはぎは筋肉の中の方にしこりがあり、触っただけでも痛がる。こういう場合は芍薬甘草湯がいいので、薬局で相談して下さいと言い、五十肩に関してはレントゲンを撮って注射でもしてもらってださいと言った。「肩は鍼が先生、専門でしょう。」と言うので、「確かに専門ですが、あなたの場合はそんなにひどくないし、鍼が体質的にそんなに合う方ではない。何も…

正月に風邪を引いて良かった話

年末は年越しそばの後、3日間断食と多くの方に伝えたが、中々実行できる方はいない。常連さんが正月に風邪を引いてまだ抜けきらないという。身体を診たら、腸は少し下痢気味だが、胃は休まったし、膵臓に負担がかかっていない。筋肉の疲労も全くない。寝違いまで治ってしまった。本人は正月に風邪を引くなんてと思っているだろうが、我々から見ると引いて良かった。食べられなかったことが功を奏して断食が出来た。普段から忙しく…

病院がなくなると元気になる話

北海道の夕張市が財政破綻したことは大きなニュースになりました。 それに伴い市民病院がなくなり、救急病院が消えました。 CT・MRIが市内に一台もない。 そしてここは高齢化率が45%(全国平均は25%)で大変な事態になると思っていたら、実際は逆でした。 50代・60代の方は町に医者がいないから、今日は1万歩歩いたとか、血圧を自分で測って少し下がったとかやっている。 自分の免疫しか頼れないから、体操を…

ショートケーキと発作

小学生低学年の子が癲癇で通っている。Bi-Digital O-Ring Testで殆ど収まってきたが、2ヶ月に1度ぐらいやはり発作が出るという。どういう時か聞いたら、やはり無理をしたときは発作が出やすいという。これはある程度f仕方がないと思うが、12月24日にも出たという。この数日前に家族で風邪を引いている人はいないか聞いたら、いないという。クリスマスが気になったので、ショートケーキは食べたか聞い…

仕事中に居眠りが出る話

責任のある立場の方が最近仕事中に居眠りが出るという。どういう時か聞いたら、どうでもいいような会議や聞かなくてもいいプレゼンの時だという。時間を聞いたら午後だと言う。これは食後の高血糖を下げるためにインスリンが出たと思い聞いたら、昼は食べていないという。時間も午後2時だったり、4時だったりという。自分がしゃべるときは何ともないが、レベルの低い話の時に眠気が強くなると言う。身体を診たら過去最悪。我々は…

転んで胸を打ったら過食に注意

年配の方が転んで左胸を打撲した。症状は咳き込むと痛い。典型的な神経痛様の症状である。症状が神経痛と同じだから、冷やしてはいけないことはわかると思うが、痛めたところが丁度心臓の反応点と重なる。病院に行って心電図を取るときに、左胸の第4肋間から始まって脇にいくにしたがって第5第6と、くっつくカップ(サクションカップ)をつける。だから打撲なのに心臓に悪影響が出る事がある。そのことを患者さんに伝え、尚かつ…

鬱病の方の考え方の癖

仕事柄、鬱病の方は多い。正確に言うと15年ぐらい前から患者が急増して、初めは対応出来なかったが現在では対応出来るようになった。初診時に色々と話を聞くが、どうも考え方の癖みたいなものをよく感じる。それは、「また完全に治っていない。」とか、「残り15%が良くならない。」とか悪い所ばかりに目を向けている。我々から見ると大体出来れば合格と思ってしまうが、そういう方達は完璧主義者が多いので、駄目なところばか…

透析患者の心臓痛

透析患者が左肩が痛くて治らないという。奥様が医学知識があり、「うちの母がひだりかたをいたがって、『病膏肓に入る(やまいこうこうにいる)』と言って、心臓病で死んだ。だからうちの人も膏肓を痛がっているから、危ないんじゃないか。」と言う。調べてみると膏肓ではなく、多少下の反応点で純粋に心臓の反応である。心臓の反応は出ているが、医者で調べても何ともないという。この心臓の反応(左の肩甲骨の下)が取れない理由…

胃を治してスタートラインにつく話

減量を目指している方が胃が悪く、百草丸を勧めた。幸いに薬が効いて私にしてみればようやくこれから本格的な減量の治療がスタートできると思っていたら、「お陰様で胃の調子が良く、これなら食べても大丈夫。」と言われて、すこし頭を抱えてしまった。こちらはまず胃の不調を整え、ちゃんと消化できる態勢を整えてから減量をスタートしたいと思っていたのに、患者さんは今まで胃の具合が悪かったが、薬を教えてもらって胃が治り、…

今までの医学常識が変わってきた

以前から、「腹筋は腰に悪い」と言ってきたが、最近バスケット協会が同じ事を言いだし話題になっている。 この業界に長くいるとある日突然、正反対の治療法が標準になることがある。 昔病院勤務時代は脳梗塞はまず2週間は安静でそのあとでリハビリを開始していたが、今は2-3日で開始していて、安静期間が短い。 骨折なども兎に角固定だったのが、今はギプスをしながら筋トレの指導をしている。 リウマチも暖めるのが当たり…

腹筋運動は腰痛の原因

以前に、「腹筋を鍛えて腰痛悪化」というブログを書いたが、今日の新聞に「腹筋運動は腰痛の原因」という記事が出ていた。 「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」 12/14(木) 6:50配信 カールアップを指導するマックギル名誉教授(左)。腹筋に力を入れ、首を固定したうえで胸部を屈曲させる  腹筋を鍛える運動としてよく知られる「上体起こし」。一般的に「腹筋運動」と呼ばれるこの動作を何度も…

ブログが効いた腰痛患者

かなり酷い腰痛患者があまりに酷かったので、脊髄専門病院で診てもらったら、ヘルニアや脊柱管狭窄症ではないという。久しぶりに来て身体を診たら、劇的に良くなっていた。何をしたのか聞いたら、「先生のブログをまめに見ています。感じるところがあって、無理をしない話や胃腸に気をつけただけです。」と言っていた。以前の状態が-10とすれば今は-5程度。このままお腹を治せば完治しそうである。話を聞くと身体にセンサーが…

鬱病を患った医者の講義

あるセミナーで鬱病を患った先生の講義を聞いた。本も書いているくらいだからもうすっかり治ったと思って話を聞いていたら、全然良くなっていない。心の葛藤がそのまま伝わってくる。抜けだせずもがく様子が手に取るようにわかる。診察はされているみたいで、鬱病患者とよく共感できると言っていたが、一度患うと結構根が深いことを感じた。我々が診たところおそらく、半分程度しか治っていないのではないだろうか。しかし診察はあ…

身体がやられないわけがないという考え方

ある社長が従業員の件で悩んでいたという。うちに来た時にはもうすっかり気持ちの面で解決していたので何も言わなかったが、身体を拝見して、「社長、この脛のこりは『歩きすぎ』『ストレス』『冷え』『胃腸障害』です。冷えにも弱くないし、歩きすぎはないでしょうから、『ストレス』か『胃腸障害』です。それも2-3週間経っています。」と言ったら、「え、あの問題は解決しているし、身体に出るの?終わっているんだよ。」と言…

医療関係者の一言

中年の女性が動悸でかかりつけの医者にかかった。医者から、「甲状腺も診ておこう。」と言われ、知り合いの看護師から「このままでは危ないから仕事は止めなさい。」と言われ、薬剤師から、「血糖値は?」と言われたという。心臓で行ったのに何でこんなにばらばらなことを言われるのかわからないと言ってきた。「なるほど確かに言われた内容はばらばらですが、皆意味があって言っています。まず甲状腺の機能が亢進してしまうと心臓…