粉末と飴と塗り薬

この時期、咳をしている方は多い。よく龍角散を勧める。龍角散には桔梗やサポニン成分が入っていて鎮咳、去痰に有効である。この龍角散、株式会社龍角散である。太田胃散もそうだが、株式会社太田胃散である。いかに長い間人々に使われていたかが分かる。龍角散はアルミ缶に入った粉末が有名だが、最近はのど飴も出している。実験のつもりで試したら効き方が違う。咳を直接止めるのは粉末がいいのだが、飴は喉で数分間なめているの…

貧血になれている女性

常連の女性で身体は痛いし、元気はないし、体調が悪くてしょうがないという。話を聞いたら不正出血があり、ヘモグロビン7.5g/dlだという。普通は10g/dlを切ると問題にするのだがかなり低い。完全な貧血である。本人もおかしいと思って近くの医者で鉄剤をもらって、医者が来月来いといったからそのままにしたという。女性は出血になれているのであまり危機意識がないのだろうが、貧血は動悸・息切れ、顔面蒼白、鬱病ま…

アロエを飲んだら腹痛で服用をやめた話

腸のことは何度も書いているが、便秘で下剤の選択をどうしたら良いか質問を受ける。分類すると下記のようになる。 ■刺激性下剤 腸を動かす ダイオウ、センナ、アロエ、フェノバリン、ビサコジルなど ■浸透圧下剤 腸内水分を増やし下痢を起こさせる 硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化マグネシウムなど(塩類) ■膨張性下剤 水分を吸収して大容積で大腸を刺激 カルボキシメチルセルロース、寒天、アルギン酸ナトリ…

小麦で発熱して坐骨神経痛

最近3例ほど食物アレルギーで発熱の方が来た。本人は花粉症か風邪と思っていたみたいだが、いくら風邪薬を飲んでも効かないという。本来、食物アレルギーはのどが腫れたり吐き気などだが発熱する事がある。治療法はアレルギーに効く、アレグラなどがいい。酷いケースではショックを起こすので場合によっては病院に行かないと対処出来ない。アレルギーによる症状は胃粘膜まで影響するので、スタマックラインに反応が出て時に坐骨神…

風邪と身体の器

トライアスロンをやっている方が風邪を引いた。少し長引いていて、久しぶりに自転車に乗ったら背中や腕、膝腰とやたらに痛いという。そんなに激しい運動をしていないのにおかしいという。身体を調べたら呼吸器の反応点がしっかり残っている。風邪が全然治っていないのである。身体に感染があると神経は興奮する。ちょっとのことですぐに痛くなる。皆さんは風邪を引いて少し体調が悪い時は、普段の7掛けと思っているが、実際は2-…

挫折と戦略

球技をやっている学生が、肩の痛みが取れず大会に出られないかもしれないと言う。今までそのスポーツしかやってこなかったから、目の前が真っ黒で何も考えられない気持ちは分かるが、キャプテンなので他の選手のことも気にかけなくてはならない。本人は勝ち目はないと思っているようだが、我々から見るとキャプテンの肩の痛みと勝負はあまり関係がない。実力的にはキャプテンが点を取るのだろうが、点が取れなくても戦略的に出来る…

高血圧の治療について

まだ50歳前の女性が高血圧で薬を始めたという。本人に、「高血圧はどうしたらよくなると思いますか?」と聞いたら、「減塩です。」と定番の答えが返ってきた。我々から診ると少し違う。次の3つのことがいつも気にかかっている。 感情の起伏を減らす 身体を冷やさない 鼻炎を治す 感情の起伏で交感神経優位になり、血圧は上がる。いつも穏やかな気分でいるといい。「こんなに怒ったら血管に悪い。まぁいいや。」このぐらいが…

飼い犬のがん治療で救われそうな話

飼い犬が具合が悪いので診てもらったら、がんで手術が必要だという。手術は無事に終わり体力も回復したのだが、余命は1年程度だと言われたという。飼い主にしてみたらショックで、自分の年齢を考えたら最後に飼える犬になるかもしれないという。そんな話しが出たので、「人間の病気は殆ど犬にもあります。治療法は全く同じです。薬の量が違うだけ。乳酸菌特にフェカリス菌やフコイダンを少し飲ませたらどうですか?」と言ったら、…

坐骨神経痛の鍼の使い方

坐骨神経痛でハムストリングに鍼を打つのは定番だが、時々定番の打ち方で効かない方がいる。そう言う場合は少し考え方を変えて、病んでいる神経や筋肉の治療から、場を和ませるようなことをする。図を見て戴くと分かるとおり、左足のハムストリングの鍼の打ち方は定番である。しかし右側の打ち方はランダムに本数を使い場を馴染ませている。神経や筋肉を狙った訳ではない。理由は良くわからないが病んでいるものではなく、回りを和…

怖い手の痛み

指の痛みを耐えて、酷い寝違いの方が来た。話を聞くと、ここ数週間指が痛かったという。指の痛みは第1関節ならヘバーデン結節、第2関節ならブシャール結節という。閉経近くの女性によく起こる。手をよく使う方だと痛みが出てしまう。主婦の場合だと手が痛いからと言って中々休めない。買い物に料理、洗濯と手を使うことばかりだ。我々の感覚では手の痛みを感じながら使うなどは論外である。今までより2割程度楽をして手をいたわ…

治療のゴールデンタイム

以前、病院勤務時代に骨折の治療を真面目にやらなかった方が、その後後遺症に悩みついには仕事が出来なくなってしまった。真面目にやれば2-3ヶ月で問題なかったものを、退院後殆どリハビリにも来ず1年半してから来たときにはもうどうにもならなかった。治療にはゴールデンタイムがある。骨折なら手術やギブスが取れてから出来れば3週間以内、だめでも3ヶ月以内に治癒まで持っていく。大体何事も100日が勝負である。そのゴ…

声がれについて

声がれのことを正式には「嗄声 させい」と言います。原因は声帯や喉の周辺の異常だけではなく、胃腸や甲状腺機能障害や心臓などもかかわります。よく声がれで耳鼻科の先生から、「これは逆流性食道炎の影響で声がれが起こっている。消化器で薬をもらいなさい。」と言われて、飲んだら声が良くなるケースがあります。甲状腺などもかかわっているので、特に女性で喉の全面が腫れぼったい方は甲状腺も疑うといいと思います。声帯を動…

アトピー性皮膚炎と羽布団

なかなか治らないアトピー性皮膚炎の方の中に、原因が羽布団という方がいる。昔なら皆、綿の布団に寝ていたが今は手軽に羽根の布団もジャケットも買える。アトピー性皮膚炎の治療でマウスピースやEAT(Bスポット療法)、腸を元気にしても、布団で直接触れる手足は炎症が起こってしまう。普段羽根のジャケットを着ていて寝るときに羽布団では、アトピー性皮膚炎は治らない。食生活も生活環境もそうだが、便利になればなるほど、…

頭を良くする秘策

遠方から頭が働かないと通っている方がいる。医者で認知症関係の薬を試すのだが、ことごとく調子が悪いという。マウスピースやEAT(Bスポット療法)、乳酸菌などで大分回復したものの、最近落ち込んでいるという。回数通うから奥の手を出してくれと言う。そう言われるとこちらも考える。思いつくままに少し書いてみたい。 まずは頭の神経伝達物質の量を測り、全身の免疫も含め現状を把握する。 漢方薬でいいのがないか調べる…

認知症予防

仕事柄、「将来、認知症にならないために何とかならないか?」という話がよく出る。認知症には2つのタイプがあり、一つは血管によるもの(動脈硬化や血行不良)、もう一つはアルツハイマー。アルツハイマーはまだ原因が完全に特定出来ていないので、発症を送らせる薬はあるが中々完治出来ないのが現状だ。アメリカなどはアルツハイマーが多いが、日本は血管によるものが多いので何とか鍛える方法がある。脳に仕事をさせ、血液を集…

光強ければ影強し

仕事柄色々な社長を診る。身体が絶好調なのに業績が駄目なときがあり、業績が絶好調になると体調を壊す。中々うまくはいかないものだ。そういう時にいつも感じるのが、「光強ければ影強し」である。芸能界や経済界などで活躍している方でも同じで、光れば光ほど影が強くなる。バランスがとれているようにいつも感じている。企業だとどうしても業績優先になり社長の体調は二の次になってしまうが、ほったらかしにすると大きなしっぺ…

運動の後のストレッチの是非

小鳥タイプの方が運動の後にストレッチをやるべきかどうかの聞いてきた。これは実に答えにくい。運動で筋肉痛まで起こしているのにその上ストレッチをすれば悪化するし、自力で回復出来ない状況の時に、ストレッチをして回復のきっかけを作ることはある。ストレッチがどちらに働くかがわからないので、答えにくい。ライオンタイプならまず間違いなく回復に向かうので楽だが、小鳥タイプは神経を使う。そして小鳥タイプは治療も色々…

玄米で胃炎

健康ブームの影響か玄米にしたという声をよく聞く。 私自身、マクロビを少し勉強して玄米を時々食べているが、思ったより美味しいと感じている。 しかし色々な患者を診ていると、止めた方がいいと思う患者は多い。 まず胃弱の方はあまり勧めない。 玄米は本来、消化に悪い。 50回ほどよく噛めば良いが、白米の癖で飲み込むと消化が大変だ。 胃に自信のある方なら大丈夫だが、細身の胃腸虚弱の方には勧められない。 便秘に…

切らずに治したばね指の話

腱鞘炎や弾発指(ばね指)で来る方か最近は多い。一昔前は鍼灸で治療をしていたが、医者のステロイドに全く適わないので、最近は患部以外は治療するが患部は注射を勧めている。初期であれば注射だけでいいが、酷くなると手術が必要になる。手術と言っても早ければ15分程度のものなので、安心して受けられる。しかしこの手術という言葉を聞いただけで参ってしまう方がいる。弾発指などは簡単に治るのだが、詳細は下記を参照して欲…

医者が飲まない薬

最近は書店に行っても過激なタイトルにしないと本が売れないからなのか、ドキッとするタイトルの本が多い。 「医者が飲まない薬、受けない手術」を思わず買ってしまった。 風邪はウィルスが原因なので抗生剤で効かない 抗生剤の服用で耐性菌を育てる 擦り傷に消毒は逆効果 効く胃薬は骨をもろくする コレステロールを下げる薬で筋力が低下 睡眠薬で認知症誘発 抗がん剤が効くというのは治ることではない 内容的には今まで…