症例

お年寄りの薬害と胃炎

よくご婦人でいくつかの薬を出されて、調子が悪いものだから医者に言うとさらに薬が増え、薬害で胃を壊している方が来る。高血圧、高脂血症、骨粗鬆症に痛風、のどは弱いし、血管も柔らかくしなければならない。高血圧の薬もAという薬が効かなくなってBに替えずに、「Aが効いたいて事もあったので、追加で飲むように。」と薬が増えてしまう。これはよく鬱病患者でも起こる。同じ事を高脂血症、喉の薬とやれば簡単に10種類以上…

鼻マスク、空気清浄機、ダイソン

変なタイトルだが、これは常連さんが鼻周辺の皮膚炎を治したコツである。2ヶ月程、鼻周辺の皮膚炎の治療がうまくいかず困っていたが、ひょんな事から鼻マスクの話をして試してもらった。鼻マスクはあまり聞いたことがないかもしれないがか、花粉症の方がよくマスクをしているが、花粉は口の中では悪さをしない。出る症状は鼻水である。だから鼻から入る空気だけをフィルターにかけてあげれば良い。鼻マスクを使った結果、すぐに皮…

がんを取るかどうかという判断

知り合いの先生から、「甲状腺がんの方がどうしても手術をしたくないというので診て欲しい。」と言われて拝見した。 がんのサイズは15mm、20-30mm以上になれば摘出だろうが、なんとも微妙なサイズである。 専門病院の先生は、「ここ数年サイズが変わらず、周りが石灰化しているからこのまま様子見でもいいです。」と言っているという。 「他にもかかっているか?」と聞いたら、「時期をずらし○○大学病院でも診ても…

眩暈(めまい)と運動

常連さんに眩暈(めまい)が起こり、耳鼻科受診の帰り際に、「運動をしたら」と先生に言われたという。こちらに来て、「運動をしろと言われたのですが、どんな運動をしたらいいのでしようか?」と聞く。耳鼻科の先生の真意はわからないが想像するに、「おそらく色々な論文を読まれたり、学会で勉強されていた中で、『運動で眩暈(めまい)が軽減』と学ばれたのだと思います。うちの患者さんを診ていても眩暈(めまい)は細身の方に…

災害対策について

今回の台風19号が昭和33年に首都圏に大きな被害をもたらした狩野川台風にも匹敵するという。子供の頃に大きな台風が来ると枕元に各自のリュックを両親が準備してくれて、すぐに逃げられるようにしていた記憶があるが、子供にとっては何となくワクワクした夜だったことを覚えている。平成の時代から日本は災害のレベルが上がってきた。最近気象庁は、「行政が守れないから、自分の命は自分で守って下さい。」と言いだし、テレビ…

膝痛をふくらはぎで取る話

女優さんが日舞などの稽古で膝を痛めている。少し長引いたので、タルクを使って脚全部を診たら、ふくらはぎの外側に異常に痛がる点を見つけた。気になって少しタルクで擦っていたら、膝の治療で良く使う太腿(大腿四頭筋)がどんどん柔らかくなってしまった。これには驚いて、「なかなか膝が治らない方達のふくらはぎに何か異常があるのではないだろうか。」と思ってしまった。今後一人ずつ検証はしていくが、このタルクの治療、実…

お腹の具合と腕・腰痛

腕から肩にかけていつもつらがっている常連さんが、いつもより珍しく早めに来た。「仕事は忙しいのだが、なんか調子が悪い。いつもだったらもう少し頑張れるのに・・・。」と言う。腕を診たら、確かにパンパンで忙しい様子がわかった。しかしカルテを見たら、先月は腹痛と書いてある。「先月はお腹が痛かったですよね。どうしましたか?」「治りました。」と言われてもこちらは何かあるのではと疑ってお腹を触ったら、かなり痛がる…

パジャマと膝の水

常連さんが膝が治らないという。膝の症状は最終的にはタルクを使う話は以前に書いた。2-3回治らないと言われると、「じゃ今日はタルクを使いましょう。」と、普段のパジャマから短パンに履き替えてもらって膝を診たらビックリ。お皿の周りが腫れている。「水じゃないですか?何時からこんなになっていたのですか?」「私も膝をマジマジ見ないのでわかりませんでした。言われてみれば腫れていますね。」「これはちゃんと調べて下…

和服で慢性腰痛治癒?

常連さんがいつものように左腰に痛みを感じていたが、たまたま和服を着て歌舞伎座に行ったら腰の痛みがなくなってしまったと言う。この方は少し痩せ気味で、骨盤固定やお腹を温める話は以前からしているが、中々治療の決定打にはならない。今日はたまたま暑かったので着物を着ながら汗をかいたと言う。もしかしたら、この汗と帯の固定が、「患部の超発汗」と「肋骨までの超固定」になったのかもしれない。いつも痛がる左腰、左股関…

ラベンダーリングについて

Bi-Digital O-Ring Testをやっているとどうしてもがんの患者さんが増えて、毎月オンコロや国立がんセンターで2-3回セミナーに参加している。抗がん剤や新しい薬剤、治療法の推移、国際的基準などめまぐるしく変わるので、勉強に手が抜けない。昨日参加したセミナーで「ラベンダーリング」についての話しが出た。耳下腺などに出来るがんで顔の一部を大きく取る場合、その後のケアで化粧をしたり、写真に撮…

リウマチと間質性肺炎

常連さんが突然整形の医者から、「呼吸器の先生に行って。」と言われたという。話を聞いてみたら、この方は10年ほど前に関節の痛みがあり、詳しく診てもらったらリウマチの予備軍という事がわかり、リウマトレックスという関節リウマチ治療薬を飲んでいる。この薬は最近のリウマチ薬では目覚ましい効果をあげていて長期間飲んでいる方も多い。副作用で間質性肺炎(肺の小さな袋に「間質」という部分があり、そこに炎症が起こり酸…

パソコンのやり過ぎで左肋骨の際の痛み

常連さんが珍しく左の悸肋部(肋骨の際)が痛んだという。本人は膵臓と思って慌てて温灸をしてという。我々から診るとその場所の痛みは①肋間神経痛②左結腸曲での通過障害(大腸が下に行くために曲がるところ)③脾臓の痛みぐらいしかない。便秘なら結腸曲だが、この方は便秘はないのでおそらく違う、脾臓はちょっと考えにくい、結局肋間神経痛ではなかろうかと思う。なぜかというと前回の治療の時にパソコンをやり過ぎて右腕に負…

女優と体力

久しぶりに女優さんが来た。3ヶ月ほど舞台が続き、かなりきつかったみたいで手がしびれるという。身体を診たら手のこりが酷く、「昔の専業主婦みたいに家事に明け暮れている感じだが・・・。」と言ったら、「そうかもしれません。舞台のことから裏方さんまでこなしている。」と言う。しかしこの方は体力があり、おそらく他の友達と遊んでいても、「もうちょっとやろう。」と言っても他の方が、「もう疲れたからいい。」と言うので…

湿布を貼ったところが皮膚かぶれ

日焼けの話を書いたのでもう一つ書きます。昔は湿布と言えばトクホンしかなかった。何処に貼ってあるかはわからなくても匂いですぐにわかった。最近の湿布は進化して熱を取るだけでなく薬効で効かせるものが多い。皮膚によくくっつき、取れにくい。ついつい長い時間貼ってしまい、気がつくと外出などしてかぶれていることがある。これは「光線過敏症」である。湿布の成分が合わない場合もそうですが、湿布の所に紫外線があたり起こ…

日焼け・紫外線について

常連さんがアウトドアスポーツでしっかり日焼けしている。少し火傷気味なので、オロナイン軟膏を塗っていたという。もちろんそれでもいいのだが、我々は火傷と聞くとすぐに「紫雲膏 しうんこう」が頭に浮かぶ。昔田舎では子供が火傷をするとすぐにおばあちゃんが、「紫雲膏を塗っておきなさい。」とか、「アロエがいい。」とか言っていた。家庭の常備薬であった。しかし最近は火傷の話をほとんど聞かない。薪はないし、石油ストー…

泣いている赤ちゃんを一瞬で泣き止ます方法

新米ママに関しては何度も書いているが、最近は新米パパの悩みで、「赤ちゃんが泣き止まず、困っている。何をしてもダメ。睡眠も十分取れないし困っている。」というのが多い。これは数年前にyoutubeで見つけたのだが、 Dr. Robert Hamilton先生が泣いている赤ちゃんをうつ伏せに抱っこして、少しお尻振ると泣き止むという。 こちらとしては本当かどうか知りたくて、泣いている赤ちゃんで実験したいと…

鎮痛剤を1回に6錠日に3回、飲んでも治まらない頭痛とぎっくり腰

久々に凄い人が来た。主訴はぎっくり腰なのだが、身体を触りながらあまりに強い身体なので、「他にも何か具合の悪い所があるでしょう?」と聞いたら、「頭痛が長い。昔は2錠市販のを飲んで良くなったが、最近は錠数が増え6錠一辺に飲まないと駄目。それも日に3回。市販の鎮痛剤がすぐなくなる。」「噛み合わせか鼻炎は?」「両方ある。噛み合わせは酷く歯が割れる。歯医者に『病巣感染の治療をしなくてはならない。』と言われて…

明確に身体が反応する「生ビール、焼肉、赤ワイン」

以前が学会で、「外食で一番悪いのは生ビールと焼肉、一番いいのは焼酎と青みの魚。」と教わった。ある常連さんが最近足が痛みどうも運動と痛みが連動しているのではなく、食生活と連動しているようだという。何を食べると痛むのか聞いたら、「生ビール、焼肉、赤ワイン」と言う。どうしても人と食事となると肉は増えるし、ビール・ワインもすすむ。気持ちは分かるが私自身ビールは好きなのだが、やはり毎日飲んでいると内科の先生…

ぎっくり腰と胃炎

今日来たぎっくり腰の方は、「腰に悪いことは何もしていない。すこし連休で食べ過ぎただけ。最近少しだけ体重が増えて気にしている。夜中に食べる習慣が治らない。逆流性食道炎も指摘されている。」と言う。身体を診ると典型的なスタマックラインで胃炎、丸出しである。胃の具合が悪く、腹筋が働かず腰に慢性的に負担がかかり、悪いことに過食で足も浮腫んでいる。これでは腰は悲鳴を上げてしまう。胃炎の反応点の左太腿だけ治療し…