症例

鬱病の心の変化

当院は鍼灸院なのに鬱病の方が多い。Bi-Digital O-Ring Testで原因を調べることが出来、その対策で何をすればいいかが分かっている。来る方は頭か肩に鍼を刺すと思っているが、そういう治療をする方は少ない。まず免疫の状態を調べ、必要に応じてマウスピースや鼻炎の治療を勧める。腸を治さないと鬱病は良くならないので乳酸菌やフードチェック、お腹の治療、そして首のゆがみや身体の末端の治療へと続いて…

運命を分けた脳梗塞患者の話

病院勤務時代に2人の患者さんが脳梗塞を患った。殆ど同じ時期に発症して程度は同じ、70代ぐらいの男女で年齢もほぼ同じ。違うのは男性はリハビリをしながら、「どうせ数年かけて良くなったとしても、その頃には死んでしまう。やっても無駄。」と言い、女性は、「孫の面倒は私がみなければいけない。良くならないと困る。」と言っていた。男性は薬をもらう為だけに月に一度来院してリハビリは10分程度。女性は毎日、雨の日でも…

子宮筋腫を治したら頻尿と便秘が治った話

子宮筋腫を手術した方が、なぜか頻尿と便秘が楽になったという。我々からしてみると解剖的に当然のことなのだが、患者さんにしてみると不思議にうつるらしい。図は身体を正面から垂直に切って、横から見たところである。左が前で右がお尻である。女性の場合、子宮の前に膀胱、後ろに直腸があるのがわかると思う。子宮が筋腫で大きくなれば、前の膀胱を押すので頻尿になる。後ろを押せば直腸が拡がらなくなるので、便秘になる。言わ…

ドブ理論

日舞をやっている方が毎回膝が痛いという。確かに稽古をやればやるだけ膝に負担がかかるのは分かるのだが、その方に「ドブ理論」の話をした。昔田舎では何処にでもドブがあった。慣れない自転車でドブに落ちないように「ドブやだなぁ、もうちょっとでドブに近づく・・・・」とドブのことばかり考えているとドブに落ちる。ゴルフでも同じで、池ポチャいやだなぁと池ばかり見ていると池に落ちる。頭の中は池ばかりで池以外見ていない…

せんねん灸と膝痛

30年ぐらい前の話だが、骨接ぎに勤務していたときに膝痛で70台のご婦人が通っていた。ある日急に膝が痛くなって、たまたまその日は骨接ぎが休みだったので、自宅にあったせんねん灸をやったらとても効いたと言う。もっと楽になりたくてどんどんやったら、終わったと何は38ヶ所やってしまったという。翌日、骨接ぎに来てビックリ。膝の周辺がくまなく水ぶくれを起こしている。「何でこんなにやったの?」と聞いたら、「初めの…

どうしてお腹を揉むのですか?

常連さんから、「どうしてお腹を揉むのですか?」と言われて少し戸惑ってしまった。 当たり前のことを改めて聞かれると何とも答えにくい。 少し考えて下記のようなことを伝えた。 1.腹圧と言って胃腸などに問題があるとお腹が張るので、張り具合である程度胃腸の働きが分かる。 2.お腹が張ると腰痛や足の浮腫しびれの原因になる。 3.お腹が張ると横隔膜が上に上がり下がらず、呼吸が浅くなる。 4.お腹が張っていると…

五十肩とステロイド

最近、五十肩の方が多い。ある患者さんが、「ステロイドは打てば効くと言うし、打ち過ぎはダメだという。私の場合はどうしたら良いのか?」なるほど、こういう質問はもっともである。こういう場合は私自身、次のような基準を持っている。 レントゲンを撮って石灰沈着と言われ、痛みが強ければ1回はステロイド注射を打つ。 その後痛みがよくなれば良いが、また同じような痛みが出たら、2-3回まで試し、その後は少し注射を考え…

難しい後頭神経痛

以前から後頭神経痛の治療には悩んでいる。定期的に通っている方が殆ど良くならないので、下記の通り治療法や検査の見直しの話をした。 筋肉の問題として捉える-CT・MRI・超音波で検査 炎症として捉える-血液検査 がんを疑う-CT・MRI・血液検査 噛み合わせを疑う-マウスピース 骨格のゆがみ-インソール 無呼吸症候群-入院検査・CPAP 神経痛として捉える-神経ブロック・筋膜リリース(ファシアリリース…

耳下腺の腫れに関して

常連さんが左耳下腺だけ腫れて困るという。医者で調べてもらっても血液に異常が出るわけでもなく、辛ければ抗生剤を出すという。歯医者では左であまり噛むなと言われマウスピースを作ったが良くならない。耳鼻科でも異常はないという。八方塞がりで何かないかという。まず考え方だが、周辺に炎症はないか考える。こういう場合は中咽頭や咽頭扁桃を疑う。中咽頭ならがんを疑うし、咽頭扁桃ならEAT(Bスポット療法)で治療できる…

鞭打ちの治療のコツ

病院勤務時代は救急だったので、交通事故か脳卒中でかなりの数の鞭打ちの治療をした。外来と病棟回りで、ある時に面白い事に気がついた。医者の指示で1-2週間に1度程度の治療をしている方は時々具合が悪いという。外来でほぼ毎日治療している方はあまり言わない。酷くない方の方が症状が出ている。一度治療しても病気の勢いがあるとまた症状が悪化する。1-2週間に1度では症状を押さえ込めない。しかし酷い鞭打ちの方でもほ…

鼠径の痛みと胃炎

普段は坐骨神経痛の方が、今回は鼠径が痛いといってきた。こういう場合はまず大腿四頭筋を診るのだが、かなり硬い。運動なら山登りか階段、内臓なら胃腸炎である。どんな時痛いか聞いたら、階段の上り下りは痛くないし、平らなところで痛みがあるという。これはおかしいと思って、胃を調べたらストレス性胃炎と分かった。スタマックラインが勝ちがちである。硬さから判断して2-3ヶ月経っている。どうも子育てのストレスらしい。…

寝違い再発とコーヒーカップ

10日前に寝違いの治療がうまくいき、痛みが取れたのにまた再発したという。何かあったかと聞いても何もないという。この方は長い間メニエール病で耳の調子が良くない。最近は耳閉感まである。耳に症状を持っている方は悪い方の首の横の筋肉-胸鎖乳突筋が硬くなる。10日間の生活を聞いて、「子供とディズニーランドへ行ってコーヒーカップでグルグル回された。」という。「そんな事したら、耳が悪化して首が硬くなって簡単に寝…

マイコプラズマに関して

マイコプラズマと言うと肺炎を思い出すと思います。 しかしマイコプラズマは、関節リウマチや慢性疲労症候群、線維筋痛症などの難病の原因の一つであることがわかってきました。 歌手のレディー・ガガが線維筋痛症と言われていますが、マイコプラズマが原因と思われます。 肺炎の原因になるのは「マイコプラズマ・ニューモニエ」ですが、「マイコプラズマ・ファーメンタンス」という別のマイコプラズマが、これらの難病に関わっ…

治療法のない足の指の痛み

トライアスロンをやっている方の足の指の痛みがなかなか治まらない。何とかレースは出ているのだが、あまりに長いので何とかならないかという。以前は足底板で改善したが、段々マラソンなどのスピードも上がり欲が出てくる。考え方として下記のような提案をした。 ■関節にてを加える方法 レーザー治療 関節を開けてみる-MRIを撮り、専門の先生に手術して戴き、中を様子を探る 痛む関節周辺にお灸をすえる ホットパックで…

心臓弁膜症と腰痛

ご紹介で年配の女性が来た。主訴は腰痛なのだが、話を聞きながら少し気になるところがあった。以前に心臓の弁膜症を指摘されてその後辛くないので、検査をしていないという。しかし何となく胸と背中は違和感を感じるという。以前、石原裕次郎や加藤茶が大動脈解離で話題になったが、特に加藤茶の場合の主訴は背中の痛みであった。我々のような鍼灸院も背中や腰が痛いと言われても、大きな病気が隠れている可能性を考えておかないと…

身体は軽く、心は重く

最近はどういうわけか懐かしい方をよく治療する。1番長い方で35年近くになるので、昔の身体と今の身体をどうしても比べてしまう。「昔は社長、あんなに元気だったのに、この腰は全然筋肉が回復しませんね。」「20年ぐらい前はゴルフであんなにやっていたのに、今では想像も出来ませんね。」「5年前のぎっくり腰の時は1回の鍼で治ったのに、今回はあと2-3回やらないと治らないでしょうね。」仕事柄嘘をつくわけにはいかな…

食生活を変える難しさ

私の師匠が消化器の医者なのでどうしてもがんの患者の話ばかりを聞く。 必ず患者には、「あなたは今までそういう過酷な生活をしてがんになった部分もあるのだから、病気だけ治してまた仕事に復帰というようなことを考えないで、生活をスローライフに変えなさい。」と指導している。 前立腺がんをやった方を10年ぐらい診ているが、身体を診ていていつも感じることは全く習慣を変えていないということだ。 仕事はどうしても仕方…

減量しか指導しなかった腰椎椎間板ヘルニア治療

私と同じ年の方が、紹介されて腰が痛いと言ってきた。医者では腰椎椎間板ヘルニアと言われ、今年の初めから痛むという。薬が効いて楽になったこともあったが、また辛いという。その間減量すると楽になり太ると痛いという。身体を診てこの方は腰が本来悪い方ではないことがすぐに分かった。長年治療をしていると本質的に腰が悪い方とそうでない方がすぐに分かる。ただ単に太って腰痛が起こっただけである。本人はあまり体重と腰痛の…

一発で治す治療と刻むやり方

まぶたがピクピク動く眼瞼痙攣の患者がボトックス注射を受けた。このボトックスとは神経毒で神経の異常な興奮を鎮めることにより痙攣を治す。以前から何人も患者さんを専門の先生に送ったが、概して成績はいい。しかし今回治療を受けた患者さんは、治療後まぶたが閉じなくなってしまったという。これは多少あることで、仕方がない部分はあるのだが、殆ど数週間から数ヶ月で自然回復する。我々はある程度そういう知識を持っているが…

話し方のコツ

常連さんの奥さんが、ご主人の仕事関係でえらい方と食事をしなければならず、気を使い本当に疲れたという。気持ちは分かるがこれには少しコツがある。まず話題に困ったときは下記のことを聞くといい。 出身地 夫婦のなれそめ 学生時代 これだけのことが頭にたるだけで、会話が楽になる。ご主人が経済人でお相手も同業となると、下手に世界経済のことなど言ってもすぐにぼろが出る。それならいっそ聞き手に回った方がいい。知ら…