症例

下痢対策の話

以前から「鼻」「歯」「腸」に問題のある方は中々よくならないと書いた。この中でも先ずはじめに治療するのは腸である。本人も子供の頃から下痢体質と諦めている方でも乳酸菌の摂取やお酒の量や刺激物の摂取、脂肪分の制限などで下痢が改善することは多い。まず大人になると飲み会が頻繁になる方がいる。以前、ウィルス性の疾患で中々良くならなかった方がお酒の量を1/3にして、劇的に良くなった方がいた。本人もこんなにお酒を…

ライオンタイプのステージアップ

以前、身体の状態が良くなり新しい状態になることをステージアップとして書いた。このステージアップはそんなに頻繁に起こるわけではないが、アップ前と後では全くの別人のように身体が変わってしまう。今までなら何かをやってすぐに疲れていたのが、全く疲れない。過去が嘘のようである。こういう変化はどうしても小鳥タイプではなく、ライオンタイプに起こりやすい。このライオンタイプも自然にステージアップする方と何かにつま…

愚痴った方が得をする話

たまたま常連さんが新聞を読んでいたら、自分の鼻水の症状にピッタリの病名を見つけたという。何ですかと聞いたら、「後鼻漏-こうびろう」だと言う。後鼻漏とは鼻水が喉に落ちてしまうことを言います。鼻をかんでも中々スッキリしません。原因はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがありますが、当院ではEAT(Bスポット療法)を勧めています。注射で楽にする方法もあります。いつも何となく鼻がむずむずしているとは言っていまし…

原因が全く違う坐骨神経痛

皆さんは腰や太腿が痛いと坐骨神経痛だと言う。 間違ってはいないのだが、我々から診ると全く原因が違っても、腰が痛ければ全て坐骨神経痛になってしまう事には多少の違和感がある。 坐骨神経痛と言っても部位毎に原因が違う。 まず正式な坐骨神経痛は坐骨神経の通り道が病む。 場所は太腿の中央でお尻に上がったところである。 ここを必ず坐骨神経が通るので押すと痛い。 次に胃腸がらみの場合は、その上で腰骨の下あたりに…

スポーツマンに見る気合いと科学

スポーツをやっている方で関節を痛める方は多い。以前から酷い捻挫の方には苦労しているが、最近は足のクリニックなどで診て頂けるので大分助かっている。特に若い方達は気持ちと気合いでスポーツをやっていることが良くわかる。筋肉の状態を診ると、根性だけで体を壊している方が多い。限界を超えなければならない、とことんまでやる、挑戦し続けると気持ちは分かるが身体がついていかない。何処かを壊しても、治ったらまたいつも…

握力とふらつき

首を痛めて手の握力低下で通っている方がいる。初めは箸が持てなかったが、最近は何とか仕事がこなせるようになってきた。年末は忙しくなるみたいで、今まで週に一度通っていたのに少し空いてしまった。久しぶりに握力を測ると下がっている。ある程度予想はしていたが、数字で見せられるとやはり落ち込む。話をしながら少し気になることを言った。少し眩暈(めまい)やふらつきがあるという。内科で薬をもらって何とかなっているが…

美味しい物をお腹一杯食べなければならないという罠

今何人かの方達に食事指導をしている。がんやウィルス感染症、鬱病にアトピー性皮膚炎など病気は様々だが、しゃべる内容は殆ど同じである。前立腺がんをやった方が美食で以前書いた「なんちやってマクロビ」を少し実践しているという。昼は玄米、夜は白米と言っていたので、それは逆にした方がいいと指導した。昼の時間は交感神経優位で食事が身につきにくい。だから三時のおやつという。夜の時間は副交感神経優位で身につきやすい…

神経痛の痛みの出方と問診

以前から神経痛の痛みは一筋縄ではいかないことはわかっていた。昨日の晩、病んでも今朝楽になったり、さっきまでうずいていたのが今は楽と中々捕らえどころがない。痛みの変化は図のようにジグザグと変化をして、平均を取ると楽になるのだが、その差が激しい。若い頃よく、患者さんに「今はどうなんですか?」「昨晩は痛かったけど、今は痛くない。」「では今は大丈夫ですね。」「まあ、今は・・・。」私自身、坐骨神経痛をやった…

親のありのままの姿を見せることが教育

学校関係や子供を持つ親の悩みはつきない。子供を真っ直ぐ育てようとして、親が子供の前で色々と演じることも時にはあろうかと思う。場合によっては素の自分ではなく、演じた自分に疲れてしまう親もいる。気持ちがわからないでもないが、そういう親の部分も子供はわかっている。以前、子供が親を選ぶ話で書いたが、子供が親の喜ばせようとして子供は生まれてくるのである。親を嫌いな子供はいない。そして子供にとって親は最高のお…

認知症の薬で頭の血流が下がる話

今日来た70代の男性は以前から、やる気が出ないといって通っていた。胃腸の治療や鼻炎など徹底的にやって本人も納得のいくレベルまで回復したが、先月担当医に、「少しアリセプト(アルツハイマー型認知症およびレビー小体型認知症の症状進行を抑制する薬)でも試すか?」と言われて、飲み始めてすぐに食欲がなくなったという。これはおかしいと思って薬剤師に聞いたら、「胃腸炎をよく起こします。担当の先生に聞いてみます。中…

毛髪について

以前から円形脱毛症の治療はしていた。単発型で1つや2つは何とかなるが、多発型となると決定打に欠く。酷い方は一晩で全頭脱毛や白髪になるケースがある。遺伝子の仕業だろうが、これは治療が難しい。円形脱毛症なら患部の麻痺に鍼刺激、熱刺激でうまくいくが、全頭脱毛などは頭の血行をよくしても中々効果が出るのに時間がかかる。毛髪は治療が難しく、このことだけ研究して一生が終わってしまうほどである。よく宣伝でリーブ2…

ご褒美なしは身体に出る

以前、阪神淡路大震災の後に工事関係の方が今までにないぐらい忙しくなり、半年後の海外でのバカンスを夢見て仕事をしていた。「あと2ヶ月頑張れば南の島に行ける。」しかしある都合で海外旅行に行けなくなり、その落胆の気持ちは分かるが、身体が反応していた。今までにないぐらい筋肉が無反応である。まるで死んでいるようである。こんなになってしまうのかと驚いた記憶がある。今日、また同じような方を診た。海外にいる孫に会…

勘で生きる

以前、病院勤務時代に大工さんで足首の捻挫の酷い方がいた。 靱帯が伸びきってしまって、包帯で固定しないとうまく歩けない。 外科の先生に相談して手術の方向で話をしたが、「やっても本人が納得するほどいい結果が出るかどうかわからない。」と先生に言われて、手術を断念してしまった。 結局、自分で工夫して包帯を巻いてこちらもなすすべがない。 その方がよく、天気を当てていた。 「天気予報では曇りだが、午後雨が降る…

坐ってお灸をする話

鍼灸学生時代にお灸の実技で患者役をベッドに寝かせてやっていたら、先生から「そのツボは坐ってとりなさい。」と指導された。当時は寝ていても坐ってもツボは同じなのだから効果は変わらないと考えていたら、最近自分がお灸を受ける場面になってその明確な違いを感じた。患者が寝てツボを取ると極端にツボがずれる。それもビックリするぐらい。しかし先生の指導の通りにやると常に安定したところに治療ができる。その先生は当時お…

出産準備に葉酸とミキプルーン

結婚して出産を準備している方がいる。ようやく日本でも葉酸の重要性が言われるようになり、青汁などのサプリで摂っている方も多いと思う。青汁に関してすこし気をつけた方がいい事がある。本来、青汁は下剤として働くことがある。少し便秘の方には丁度良いが、冷え性で細身の女性で下痢症の方には必ずしもいいとは限らない。きちんとBi-Digital O-Ring Testで調べてから服用した方がいい。当院ではORT生…

大阪と東京の医療の違い

仕事で大阪へ引越した方が久しぶりに来た。話を聞くと、「大阪の医者は親身。東京の医者は事務的。」と言う。そんなに違うのかと思って聞いたら、「大阪の医者は自分のことのように患者を心配する。東京の医者は数が多いから仕方がないのだろうが、機械的な感じがする。明らかに違う。」そんな話を聞いたことがなかったから少し驚いた。我々の業界で明らかに違うことは、大坂なら具合が悪い時はまず鍼灸にかかるり、ダメなら医者に…

日野原先生の診察

聖路加病院の名物院長日野原先生は105才だという。以前テレビを観ていたら、肝臓がん末期の女性が若い担当医から、「肝臓がんが少し大きくなっています・・・。抗がん剤を考えましょうか・・・・。」「そうですか・・・・。」何とも病状を告げる医者もそれを聞く患者も声のトーンが落ちる。その患者が病室に戻った後、日野原先生が回診される場面になって、「日野原先生、聞いて下さい。私の肝臓がん大きくなっちゃったんです。…

解説書を読みながら患者さんの顔が浮かんだ話

頭痛持ちの方はわかるだろうが、鎮痛剤毎に全く効きが違う。薬をあまり飲みたくないと思って、ハーブを試した方も中々いい結果が出せていないのではないかと思う。ハーブは血行が良くなると謳っているので、「頭痛、肩こり、腰痛、冷え性、生理痛」と何でも効くように書いてしまう。しかし実際はそんなには効かない。当院に頭痛で通っている方に話を聞いても、これが良いハーブというのはあまり聞いたことがない。しかし長年の治療…

病院のリハビリと患者の不満

首を痛めて手の握力が中々出ない方を今何人か治療している。大体握力が7kg以下だとコップを落とす。治療開始時が5kgだと大体15kg~20kgを目標に治療をするのが普通だ。我々から見るとスタートが5kgで治療して20kgになれば4倍である。コップは落とさないし、まあまあ日常生活も不自由ながら出来る。病院では殆どもうこれで治癒になってしまう。しかし患者さんはこのぐらいで納得されている方は殆どいない。確…

古女房の治療

坐骨神経痛で漢方薬を色々と出された方が、便秘がひどくなってしまい、その薬を止めてしまったという。処方を見ると、坐骨神経痛にはピッタリの処方や免疫を上げるもの、腸に対しての配慮、足がつった場合の予防など、細かいところまで先生が気を使われたことがわかる。患者さんにはたまたま腸の効きが強すぎて酷い便秘になってしまったが、医者に言って細かく指導を頂けば解決した問題である。人間関係が出来ていれば患者から先生…