症例

アスレティックとスコッチウィスキー

常連さんがアスレティックで綱渡りをして、かなり腕の痛みを訴えてきた。それから数日してきたら、すっかり腕が治っている。何をしたのか聞いたら、「腕は何もしていない。昨日は飲み過ぎた・・・」と言っている。今まであのレベルの腕の痛みがこんなに早く治ったことはなかったので、何が良かったのか迷ったが、飲み過ぎのわりには胃腸がやられていない。何を飲んだのか聞いたら、「スコッチウィスキーとワイン・・・」と言う。今…

ちょっと元気になるものないの?

常連さんがスポーツをやっていて、「少し疲れを感じた場合、すぐに効いてちょっと元気になるものないの?」と聞くので、「キューピーコーワゴールドA、チョコラBB、アリナミンAなどお薦めですが、病院の先生を知っているなら強ミノの注射がいいです。強ミノは正式には「強力ネオミノファーゲンシ―」といいますが、グリチルリチンが成分で肝機能改善によく使います。細胞膜の再生を促す働きなどもあり、よくお酒を飲まれる方は…

医科歯科連携

最近、これだけZoomセミナーに出ているとしきりに、「医科歯科連携」が合い言葉になっている。 例えば糖尿病の人の場合、歯周病があると悪化する事がわかっていて、歯科での定期検診が血糖値のコントロールに影響する。 昨日出たセミナーでも循環器の医者が、「鼻(上咽頭炎)を治すと不整脈がよくなる患者が数人いた」と報告していた。 我々の世界では、「首のゆがみはマウスピースで治す」はもはや当たり前になっている。…

アトピーを治すのにどうして鼻と腸の治療をするのですか?

アトピーで通ってる方から、「アトピーを治すのにどうして鼻と腸の治療をするのですか?」て聞かれ、なるほど、そういう疑問を持つのも無理はないと思った。我々から見るとアトピー性皮膚炎は鼻や腸の反射であり、表面の皮膚が悪いわけではない。なので、皮膚の表面だけに塗り薬を塗っても治療成績は上がらない。 結論から言うと、「表面の皮膚と鼻、腸は同じ粘膜で繋がっていて皮膚炎のある患部に直接治療してもアトピーは治らな…

骨折と感染

常連さんが足の指を骨折して治療中に膝が腫れたという。皮膚科で抗生剤を5日間もらって、本人はもうすっかり治った気でいる。しかし膝を診るとまだ赤みがあり、腫れがあるので、「また医者に行ってこれで大丈夫でしょうか?と聞いたら」と言ったら、「医者の指示通り薬はちゃんと飲んだのです。塗り薬も言われた通りやりました。」と言う。「ちゃんとやったのはわかるけど、確実治っている保証はない。骨折の後などは免疫が下がっ…

先生の予言が当たった

ご近所の方が、ぎっくり腰で来た。開口一番、「先生の予言が当たった。以前診てもらった時に、『このままの状態が続くといつか腰が爆発しますよ』と言われたが、今回爆発した。先生覚えているでしょう?」と言われ、「いや、ちょっと覚えていないです。仕事柄身体を診ると感じることを僕はしゃべっちゃいます。それで言ったのだと思います。」と返事をした。話を聞くと、ぎっくり腰をやってから、4日経つという。普通、ぎっくり腰…

1万人に1人の腰痛

昨日来た方は実に珍しいぎっくり腰だった。今まで腰痛の原因は「脚」か「腹」と言い続けてきたが、脚が何ともない。では「腹」となるがこれもたいしたことはない。あと腰痛の原因は「背中」「頭」だが、取り敢えず頭は問題がない。では背中かと言うと背中は悪くないが肩の三角筋を両側手術している。詳しく診ると左の三角筋の切った範囲が広い。これでは僧帽筋や広背筋がやられてしまう。今回のぎっくり腰も左側が辛いという。こう…

難病とおしゃれ

ここ15年位だろうか、難病患者がおしゃれをしていると感じる。もちろん病気をしているからおしゃれをしてはダメと言うことはない。最近の大病院は建物の上の階に展望のいいレストランを作ったり、美容室、ネイルサロンを併設しているところもある。これは一昔前では考えられなかったことである。仕事柄、築地のがんセンターにはよく行くが、おしゃれなカフェもある。抗がん剤で毛が抜けても以前に比べて格好が良いカツラは多い。…

脳の痛み記憶

昔ヤクザの方を治療していたら、ある時小指に包帯を巻いている。 「ちょっとしくじっちゃって・・・」と包帯が痛々しい。 「指を落としてから肩がこって仕方がない。先生、治療して。」と言う。 身体を診ると確かに肩こりは酷い。 切断した指の影響というより、神経も切って痛みに耐えて我慢した身体になっていた。 「先生、この指どうやって治めるか知ってる?」「わかりません。」「切った面を机などに叩いてぶつけて、少し…

気が向いたらどうぞ

常連さんから、「先生はどうして患者に次の治療に関して、『気が向いたらどうぞ』と言うのですか?」と聞かれ、少し説明をした。我々治療家の価値は、「早く綺麗に治す」事。しかし患者は色々な状況を抱えて治療に来ている。膝が治らないから家事をしなくてもいいおばあちゃん。足がシビれるから優しくしてもらえる子供。患者の状況は様々である。そんな話をしていたら、「そういうえば知り合いが松葉杖をついて会社に来たら、皆か…

患者の我慢

眩暈(めまい)の患者が久しぶりに症状が出たという。以前から薬を財布に入れ、症状が出たらすぐに飲むといいという話をしていたので、症状はすぐに治まったという。以前から眩暈(めまい)に関しては初めて症状が出たあと、ちゃんと投薬をやっていても大体2-3回は繰り返す。繰り返すが特徴がある。初めの症状は一番きつくて、症状が長く続く。しかし2回目は初めほどきつくなく、1回目ほど症状は長く続かない。3回目になると…

肩の前をぶつけたのに後が痛む?

常連さんが、ベッドから落ちて肩の前を打撲したという。この程度では骨は大丈夫だろうから、ロキソニンの湿布だけして様子を見ていたら、ぶつけた肩の前ではなく後に痛みが出てきたという。理由がわからないので悩んだが、そこにもロキソニン湿布を貼ったら楽になったという。これには理由があって、ぶつけた肩の筋肉は三角筋、ぶつけたところが痛いのは当然だが、その三角筋を支配している神経は腋窩(えきか)神経と言って肩の後…

病院に通いたくなるコツ

常連さんに逆流性食道炎があり、今までも沢山、病院に通っていたので、「また病院か。もう通いたくない。」と言う。気持ちは分かる。通院の大変さ、慣れていない病院では様子がわからないし、先生もどんな先生だかわからない。特に逆流性食道炎の場合は治す薬ではなく、抑える薬なので、自分で気をつければ酷い状態にはならず、薬はなくてもと思ってしまう。そうなると余計に病院に行きたくなくなる。私自身は逆の考え方を持ってい…

良い仕事とセロトニン

今日来た芸術関係の方は、パソコン仕事なのにマウスを持つ右腕が全然硬くなくて、反対側の左腕ばかりが硬い。これは以前、「書道で疲れる反対の腕」で書いたが、良い仕事を大量にした時に、使っていない反対側の腕だけがこることを意味している。腕の硬さから診て3ヶ月ぐらい時間が経っているので、その時期に根を詰めて良い仕事をしたのであろう。次に下半身を診たら、極端に硬い。これは1日中エアコンの部屋で汗をかかず、風呂…

黒い膝サポーターとズボンの色

膝痛の方にはサポーターをよく薦めている。 サポーターの色は黒だから、目立つように白いズボンを履きなさいといっているが、女性は中々履かない。 こちらにしたら、「包帯でも杖でもつけているだけで『あ、あの人、足が悪い』とわかるから、身を守れる。」と言っているのに、いかにサポーターを目立たせないかばかりに気持ちが動く。 この心理がどこから来るのか考えた。 おそらく、化粧でも洋服でも、「いかに欠点を隠すか」…

仕事の決め方

以前師匠から、「自分に合う仕事はない。合うまでやる。」と教わり、成る程なぁと思った。若い方がよく、「この会社は僕には合わない。」と言っているが、やはりそれではいくら会社を変えても問題解決はしない。ではどうやって仕事を選んだらいいのだろうか。理想的には具体的にこの人のようになりたいという憧れの方がいて、その仕事を身につけるべく努力をして、そこそこまでいったら後は自分のオリジナルを出すのが一番早い。で…

若い時からのメンテ

患者さんの多くはある程度中年になり、若い頃と比べ体重が10kg以上増え、医者に行くとコレステロールや血圧、血糖値、中性脂肪などを指摘され始めた頃に、腰が以前のように治らなくなり来院される。 男性の場合は「男の38才説」と言って、「俺ももう少しで人生半分きた」と言いながら、治らない腰痛に「鍼を打てば何とかなるかも」という淡い期待を抱いてくる。 そういう方は腰痛の原因の一つが体重増加と知り愕然とする。…

どちらの意見を聞く?

常連さんと男性脳、女性脳についてしゃべっていて例え話をした。 「例えば何かすこし難しい病気について女性の判断は友だちです。『私の知り合いにその難しい病気が○○という治療で治った人がいる』と言われれば、ついその気になるのが女性脳。男性はテレビで△△大学の偉い教授が、『その難しい病気の治験は始まったがまだ臨床では使えない』を信じるのが男性脳。女性は『治った人がいるのだから、難しい病気の理由はわからなく…

枕のせい?

この時期、寝苦しくて朝起きて首が痛い、寝違いを起こす方は多い。話を聞いていると、「この寝違い、枕が悪いのでは?」と言う方は多い。しかし、枕を犯人にするのは、とても不思議な感じがする。最近新しい枕に替えたのなら、寝違いがあり得るが、今まで長い間使っていて何ともなかったのに、突然枕のせいにされては枕は怒る。これを人間関係で当てはめれば、これまで仲の良かった夫婦が、突然ご主人が体調を壊したとする。その時…

棘から包丁へ

以前から、「病気というのは身体に棘が刺さったようなもので我々には棘が見える」という話はしている。 しかし中々この話の真意が伝わらないので、最近は「棘を包丁」に変えてしゃべっている。 「あなたの膝の痛みは太腿に包丁が刺さっているようなものです。僕らは治療家ですから包丁が見えますが、皆さんには見えません。包丁が刺さっているのに、『薬を色々と替えたけど痛みが取れない』とか、『塗り薬も効かない』『膝を温め…