症例

ブログ諺⑧-どうせ治りっこない

これは治療の考え方で、「必ず治る」と思い、治療を受けて治らないと不満が出る。 しかし「どうせ治りっこない」と思うと、少し良くなっただけでも喜ぶし、「又悪くなるかもしれない」と思うと予防にも力が入る。 症状は同じで受ける治療も同じなのに、考え方一つで治療成績やその後の経過が変わってしまう。 こういう場合1番良くする話は、「風邪」と「坐骨神経痛」である。 「一生、風邪を引かない身体にしてくれ」と言われ…

痛みの効果判定

長年やっていると中々完治しない腰痛の方は多い。そういう方に、「前回の治療はどうでしたか?」と聞くと、「少し良かった」と言う。こう言われると我々は、「少し良かったということは40%ぐらい痛みが取れたのだろう」と思ってしまうが、患者は、「少し効いただけだから20%程度」ということが多い。かなり効いたと言われた場合も我々は、「85%痛みが取れたのでは」と思ってしまうが、患者は「いやいやぎりぎり60%」と…

このままいって年を取ったらどうなっちゃうのだろう?

40-60代の方で、「今はこんなに腰痛が酷く、今後年を取ったらどこまで酷くなっちゃうのだろう?」という不安を訴えてくる方は多い。答えから言うと、「心配無用」である。うちの患者で1番長い方はもう40年以上治療している。誰一人として若い頃より悪化した方はいない。理由は簡単で、若い頃の肩こりや腰痛は無理をしているから起こるのである。膝痛もそうである。そういう痛みを抱えている方は、「もっと無理をしよう」と…

抗がん剤の副作用について

私の師匠が消化器の医者でがん患者ばかり診ているので、その流れで当院にもがん患者がくる。鍼を打ってがんが治るわけではないが、抗がん剤などの副作用の相談、健康食品、免疫を上げる方法などの話はよくしている。特に抗がん剤を使って胃が痛いとか、口内炎が出来たとか、便秘・下痢、節々の痛みや脱毛や手足のシビレなど副作用は多岐にわたる。特に胃が痛い場合、医者から処方された胃薬で十分に効かない場合がよくある。そんな…

病気は治すもの、老いは受け入れるもの

常連さんが、「いろいろな病気は頑張れば治せるけど、老いは治せないから・・・」と言ったので、少し気になった。もちろん治せない病気は多いが、本来老いは治すものではなく、受け入れるものと思っていた。最近はアンチエイジングが進み、若さを保つために色々と研究されていて、皮膚の状態から見た目に至るまで、お金をかければ何とかなる時代になってきた。昔美容外科と言ったら新橋の十仁美容外科ぐらいしかなかったが、最近は…

ブログ諺⑦-選択肢はない方が幸せ

これは、「人は選択肢が多いと選べず、それが悩みになってしまう」という事です。 例えばあなたががんになったとして、複数の友だちから、「○○がいい」「△△が1番今は最新治療」「俺の友だちのがん患者は皆□□で治っている」こんな話を次から次へと聞かされれば、迷ってしまうでしょう。 結婚適齢期の方が5人から同時にプロポーズされたらどうですか? 人生の岐路で選択肢がいくつもあったら悩みませんか? 色々な人を見…

カルテを見ただけでわかる病気の原因

今日紹介で来た方はカルテに、「首のこり、肩こり、腰痛、頭痛」と書いてあり、何時から症状があるのかの問いには、「長く」と書いてあった。これを見ただけで、「あなた、鼻炎があるでしょう。」と言ったら驚いて、「はい、あります。でもどうしてわかるのですか?」と聞かれたので、少し解説をした。まず長い間、首・肩・腰の関節が全てに痛みが続くのはおかしい。そして頭痛まで訴えているというのは、かなり体が反乱を起こして…

足の長さはただ揃えれば良いというものではない

病院勤務時代に交通事故で足を骨折をした方が、手術後、足の長さが3cm違ってしまった。当然装具を作る我々がリハをやるわけだが、初めは3cmを補う装具を作ったら患者から苦情がきた。「3cm補うのはわかるけど、実際履いてみると、歩きにくいし腰は痛いし、あれはダメだ。」と言う。それならということで2cm、1.5cmと実験をして結局、体調に合わせてこの2つを使い分けるという結論になった。機械なら左右差をなく…

優等生患者

頚を痛めて通っている常連さんが、今までの処方が効かなかったので、薬を漢方に代えたという。処方の内容を聞いて、「ちょっといまいち」と思っていたら、薬をもらうときに薬剤師からも、「効かなくても飲み続けてください」と言われて疑問を持ったという。強い痛み止めが出ているので胃薬は頂いてはいるが、胃薬が効いている感じがしない。こういう場合、優等生患者だと、「まだ飲み始めたばかりであまり効果は感じません。」と言…

新型コロナウィルス感染後の後遺症について

最近、また新型コロナウィルスが流行しだし、後遺症の訴えが多い。特に後遺症で気になるのは、疲労倦怠感、関節・筋肉痛、咳、息切れ、記憶障害、集中力低下、頭痛、嗅覚・味覚障害、下痢であるが、ワクチンを打って後遺症も注射したところの痛み、発熱、頭痛、疲労倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛、下痢があり、かなり症状がかぶる。基本的に新型コロナウィルスは呼吸器疾患なので風邪の症状が殆どだが、ブレインフォグなど集中力低下…

ブログ諺⑥-胃から崩れる

こういう仕事をしていると色々な病気の方は、病気毎に身体の中で起こっていることが皆違うと考えていましたが、意外とそうではありませんでした。 身体はまず、「胃から崩れる」のです。 胃が壊れるので腸の不具合が起こり腹圧が上がり、足に血が行きにくくなり腰が痛くなります。 腸の働きが不十分なので、免疫系は下がり感染を起こしやすくなります。 また腹圧が上がると横隔膜が上に上がり心臓のスペースが狭くなるので、心…

産後の骨盤矯正について

うちは新米ママが多いので、よく「産後の骨盤矯正をお願いします。」と言われる。妊娠すると、リラキシンというホルモンが増え、このホルモンは出産時に赤ちゃんが産道を通りやすくするために、骨盤の周辺の関節や靱帯を緩める作用がある。おそらくこの事が雑誌に書かれていて、お母さん同士の会話によく出てくるのだろう。そしてこの「骨盤矯正」と言えば共感しあえるのだろう。「私初産で産んだ後から、腰が痛い。」「あら、それ…

腸を治さないと取れない手の痛み

このタイトルは、「どうして腸を治さないと手の痛みが取れないのですか?」と聞かれそうである。まず腸が動かなくなると身体が交感神経優位になり、心臓が速くなり末端を硬くする。いつも言っている「ストレスと末端のこり」である。そうなれば当然、腕は硬くなる。腕は自覚が出ないから、硬くなったことがわからない。そんな時に少しでも腕を使いすぎるとすぐに痛くなる。腸が悪くなければ腕はちゃんと回復するのに、腸がそのまま…

ブログ諺⑤-愚痴った方が得をする

これは当院では、色々と気になる事をしゃべった方が情報が得られるという意味です。 こちらはもう40年以上治療の仕事をしているので、人が日々の生活の中で感じる身体の違和感に関しては殆ど、答えを持っているのです。 もちろん私が全て治すわけではありませんが、こんな病気の時はどこへ行けば良いのか、何を調べれば良いのか、患者さんの悩みは殆どそこですから、それは指導できます。 専門の整形領域でしたら、ほぼ日本で…

咳の原因が壁紙

これは大分前の話だが、家を建て替えられた老夫婦のご主人が、「俺は最近、朝起きると鼻水と咳が出る。リビングに行くと咳が止まる。家内は何ともないのに・・・。」と言われ、寝室を調べてみた。まず寝室の何が原因なのか一つずつ調べてみたら壁紙にご主人の鼻と喉がBi-Digital O-Ring Testで反応する。同じ壁紙で奥様の鼻と喉を調べても何ともない。次にリビングに行くと寝室とは全く違う壁紙で、2人とも…

夜寝る時の室温について

今日来た常連さんは、そこそこ体調が良くなっていたのに、最近は胸が苦しいと言う。話を聞いていたら、「最近は暑いので、寝室の温度を28度に設定している。今までは主人が暑がりなので26度だったが、流石に耐えられないので28度にしてもらった。」と言う。最近の猛暑では確かにエアコンがないと寝られない。私も何度か実験をしているので、感じている事を書いてみたい。まず寝室のエアコンの温度設定が28度はきついと思う…

当院の強み

時々患者さんから、「先生のところは鍼灸なのに、何で色々な病気の患者が来るの?」と言われることがある。確かに鍼灸なのだから、腰や膝ばかりと思っている方は多いだろう。しかし実際は鬱病、アトピー性皮膚炎、鼻炎、がんと整形領域以外で通っている方は多い。これには理由があって、私が全て治せるわけではないが、長年の経験と人脈でその道のプロの先生と交流があるからである。 詳細は「近郊医療機関一覧」をご覧頂きたい。…

病名がつかないことは不安?

これは去年の話だが、年老いた母が具合が悪くなり、地元の知り合いの先生に治療をお願いした。治療後、先生から連絡があり、「炎症値(CRP)が高いから、ちゃんと調べてもらったら」とアドバイスを戴き、近くの整形外科に入院検査となった。その病院で色々と調べても原因がわからないから、日赤で精密検査となり検査結果を聞いたら、「原因不明」だと言う。こうなると殆どの方は、「病名もつかないぐらい悪いのか」となるのでは…

手術が終わったら嬉しいことばかり

常連さんのお兄さんが緊急でお腹の手術をした。一命は取り留めたが、妹としてそばにいてあげるだけで何も出来ない。今日常連さんの身体を診たら、前腕のこり(ストレス性)とハムストリング(下腹部の反応点)が硬く、腸が全く動いていない。いかに付き添っていただけとは言え、心と身体に負担がかかったのが良くわかる。お兄さんもまだ退院までには少し時間がかかるという。常連さんの心労は察するが、我々から見たら、無事に手術…

喉の違和感をほったらかしたら頚が痛くなった話

常連さんが少し首と肩が辛いと言って症状を聞いたら、普通の首肩の症状と少し違うことを言っていた。気になったので調べたら、首の横の筋肉が異常に硬い。これは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と言って、「不眠」「ストレス」「周辺の環境(喉が痛い)」が原因で硬くなる。話を聞いたら、「喉の違和感が続いている。」と言う。「医者に行ったのか?」と聞いたら、「行っていない。」と言う。これで胸鎖乳突筋が硬くなった理…