症例

ブログ諺④-親が死んでもトイレが先

これは女性の便秘の最大の原因が、「今はちょっといいや」にあることから、作った言葉です。 朝の忙しい時間にトイレに行きたくても、「今はちょっといいや」と排便のタイミングを逃してしまうと、その後はトイレに行きたい気持ちがなくなってしまいます。 排便欲求はある程度、自分の意志でコントロールできるので、身体が欲求を出した時に無視をすると、やがて身体は要求を出さなくなります。 これが怖いのです。 特に女性は…

城の石垣にナンバリング

数年前に熊本城の石垣が地震で崩壊した時に、「秀吉は小田原城を攻め落とした後、石垣にナンバリングをしていた」と患者さんから聞いた。専門家でないので真偽の程はわからないが、この話を聞きながら、「流石秀吉、壊れることを初めから想定していて、またすぐに作り直せる凄い知恵」と思った。これを我々の仕事に当てはめると、医者に突然病名を告げられた時に、「え、がん。想定していました。」「狭心症、なることは覚悟してい…

いつ役に立つかわからない

病院勤務時代に都立の病院にとても優秀な整形外科の先生がいて、月に一度特別診察のために来て下さった。その先生が来るまでに難しい患者を貯め、その特別診察時に一気に問題を解決して頂くことが恒例となっていた。だから普段難しい患者が来ても、「もう少しで特別診察があるから」と少し気が楽であった。その後病院を辞め、ある時に家内が肩を痛め、その先生のことを数年ぶりに思い出した。恐る恐る診察に伺うとこちらのことを覚…

「火事だ」という権利

最近は回転寿司で社会性のない若者が、醤油瓶をなめたり、皿を戻した動画がアップされ、話題になっている。社長が訴えると言っているが、これは当然のことである。この問題は一体どこから来るのか、昔聞いた話が参考になるのではないかと思い披露したい。私も若い頃は社会性のない事をやった記憶はあるのでそのギリギリがワクワクする気持ちは分からないでもないが、最大のポイントは、「山で誰もいないところで、『火事だ』という…

麻薬について

頚を痛めている方が医者から、「今の薬が効かなければ、麻薬を使ってみますか?」と言われ、「とんでもありません。いやです。」と答えたという。患者心理として、「麻薬」と言われれば、拒否したくなる気持ちは分からないでもないが、我々は少し違う感覚を持っている。まず鍼の効果は麻薬である。鍼を打つとエンドルフィンという脳内麻薬が分泌される。これが実に高性能で、効きはよく、副作用はなく、持続時間が長い。いいこと尽…

治療の順番

昨日来た患者さんについてスタッフから質問があった。症状は「腕の使いすぎ」「ストレス」「甘い物取りすぎ」で、頑張って勉強をしているという。勉強を頑張れば、当然腕を酷使する。腕は自覚症状が出ないからそれは頚や肩に悪影響を及ぼす。勉強がきつければ「ストレス」がたまり、心臓が収縮して肘下や膝下の末端を硬くする。腕は使うかストレスしか硬くならないから、腕がガチガチでどうにもならなくなる。そうなると甘い物で心…

本人の気持ちと身体の現状

会計の仕事をしている人が激務で通っている。自覚症状の出ない腕がこったり、頭を使う分、こめかみが辛いという。たまたま休みを使って子供を連れ、高尾山に登ったら、子供が大喜びでまた行ってきたという。本人は激務は変わらないし、登山までしてしまったものだから、昨日来て、「かなり今日は悪い。」と自己申告してきた。しかし身体を診たら全く逆のことが起こっている。自覚の出ない腕は硬くないし、山登りした割りには足もい…

健康を保つ4つの基本

仕事柄、「健康を保つのに必要なことは何ですか?」と聞かれる。そんな時はいつも「睡眠」「食事」「運動」「思想」と言っている。最近はテレビを見れば、大リーグの大谷選手の話ばかりで、あまりの好成績に秘訣を調べてみたら、「10時間睡眠」と書いてあった。改めて睡眠の重要性を感じた方も多いと思う。「食事」に関してはいうまでもなく、身体は食べ物から作られている。どんな物を身体に入れるかで体調が変わってしまうのは…

左眼専門医?

昔に比べて医療が細分化されている。関節のことなら昔は整形外科で良かったが、手の外科・足の外科が出て、すこし難しい患者だと整形からそちらに回される。新型コロナウィルスの影響で我々も学会で集まれなくなり、ズームで講義を聞いていたが、益々細分化の流れは強くなってきている。ではこのまま進むとどうなってしまうのだろうか?おそらく、「左眼専門医」が出てくる。「右眼?私は左眼専門医だから、右眼のことはわかりませ…

ブログ諺③-身体にやめさせられる話

これは大分前、激務をこなしている先生に、「仕事に対する責任感から激務をこなし、無理する気持ちは分かるけど、こんな状態を続けていたら、やがて身体にやめさせられてしまいますよ。身体の中には2人いて『本人の気持ち』と『身体の本音』です。先生が色々とやっているのは『先生の気持ち』であれもこれもやらなくてはという先生の都合。今回のぎっくり腰は『身体の本音』。こんなに激務を続けられては身体はたまらない。『本人…

ブログ諺②-休むことを仕事とせよ

これは大分前にある社長から教えて戴いた。その社長は激務でトラック4台分の書類を作って、会社を公開したと言っていた。本当にトラック4台分かはわからないが、公開するだけの力を持っている社長の働き方は凄かった。まず出勤は朝の10時過ぎ、5時まで仕事をして一般社員は帰る。そこから又仕事を続け、10時過ぎると役員が帰る。そこからは本当の幹部だけになり、終わるのが夜中の1時。そこで幹部は帰るが、その社長は、「…

ブログ諺①-体は借り物と思えばいい

いよいよ今回からブログランキングが終わり、「ブログ諺」を配信します。 初めに「体は借り物と思えばいい」は常連さんから教えて戴きました。常連さんも何かのセミナーか講習会で聞いて、心に残っていたようです。 まず、「借り物」となれば雑には扱えません。多くの方を診ていると自分の身体を限界まで酷使する方ばかりですから、「借り物」という発想は全くありません。あくまで自分の身体は自分の物と思っています。 しかし…

薬を倍にしたら効いてラッキー

首を痛めている常連さんが少し酷くなり、専門家にちゃんと診てもらいなさいと指導して結果が出た。結果は年齢なりの骨の変形で、薬の種類は今までと同じでいいが、倍飲みなさいと指導が出たという。今までは日に1回だったのが今度は朝晩と2回飲んだら、とても楽になってラッキーと言っている。これには少し違和感を覚えた。本来は薬を使わなくてもいいレベルまで回復させたいのに、たまたま飲んで薬が効いたというのは、「薬があ…

半月板の落とし穴

常連さんが膝を痛がり、調べたら半月板損傷だった。こういう場合は酷ければ手術になってしまうが、膝に負担をかけないで2-3週間は様子を診るといい。膝の固定には当院でも色々と試したが、ニーラップが1番いい。巻き方にもコツがあるので、リンクを見て頂きたい。ここで大事なのは「日々の生活で痛みを感じないレベルの運動」「サポーターを状況に応じて自分で強く巻いたり、弱くする」「痛みを感じる事を当たり前だと思わない…

犬の躾け方

常連さんの新米妻が、「主人が犬を飼っていて私が散歩係」と言う。「ではいい犬の躾け方を教えて上げる」と言って、私の師匠から聞いた話をした。師匠が家に戻って飼い犬に土産をあげようとするときに、犬が奥さんを見て、「食べていい?」と言う顔をするという。奥さんの許可があると、犬はすぐに食べるのだが、許可がないと食べたいのに我慢しているという。その時の奥さんの顔が何とも勝ち誇っているという。その時師匠は、「負…

習性と悩み方

以前ブログで、「サソリと習性」と言う話を書いた。サソリが川を渡るために、カエルに背中に乗せてくれと頼む話で、「いざとなると君(サソリ)は刺すから背中に乗せない」とカエルは言うが、サソリは頼み込んで、「絶対に刺さないから」と誓い、カエルの背中に乗せてもらう。途中まで行ったところで急に流れが速くなりカエルはバランスを失うと、サソリも必死になり、刺さないと誓ったが、気がついたら刺していたという話である。…

「ま」が長い

これは田舎でよくあったのだが、近所のおばさんが人の話を聞きながら、「まぁ、それは大変ね」と言う人と、「まぁーーーーーーーーーーーーーー、それは大変ね」とやたらに「ま」が長い人がいた。話した側も「ま」が長いと、「そんなに心配して戴いて」と悪い気はしない。本当に心配している方はわからないが、女性は時々これを使う。これは私から見ると、そういう方は「人間として強者」と感じてしまう。「ま」の長さと心配の程度…

健康になりたいは困る

たとえばあなたが医者だとして患者から、「先生、私健康になりたいのです。」と言われるととても困ると思います。同様にあなたが占い師の場合、「幸福になりたいのですが・・・」と言われても困ると思います。健康と幸福になりたい気持ちは分かりますが、質問の仕方によっては答えられないのです。しかし「胃炎が治らず困っています」とか、「夫婦でいつも些細な事で喧嘩ばかりです」と言われれば、「それはね・・・」と対策を指導…

ハリネズミ理論

これは例えばあなたがライオンだとして、目の前に、「普通のネズミ」と「ハリネズミ」がいたらどちらを食べるかという話で、おそらくハリネズミは選ばれないでしょう。ハリのお陰で身を守れたわけです。もしあなたが医者で、「何か具合が悪い」と言われた場合と、「先週から胃が痛くて、胃薬を飲んだのですが、良くならず、昨日から背中まで痛む。食あたりでもなさそうだし、少し便秘」と言われれば、病状を詳しく言ってきた方の方…

武器を持っていないことが最大の武器

昨年、脊柱管狭窄症を患ってから理学療法士の先生にお世話になり、少し分野は違うが関節に関してあまりに詳しいので、少し勉強してみた。以前大学の解剖教室でお世話になり、それなりに学んだつもりでいたが、理学療法士の先生方の研究発表が、あまりに解剖学者みたいな事を言うので驚き、どうしてそこまで詳しいのか疑問に思っていたが、昨日のセミナーを聞きながら理由がわかった。昨日のセミナーは麻酔科の先生が理学療法士の先…