敢えてお灸をしない話
常連さんがマラソンに出て、少しアップダウンがきついコースだったせいか走った後、右のお尻が痛むという。場所は典型的な坐骨神経の通り道なので、「定番ですね。」と解説した。しかしこの方は以前から逆の左坐骨神経痛(原因は過食)で通われていた方なので、気になって身体を診たら、左の太腿の前後しか硬くなっていない。痛がる右足は何ともない。これは「左脚への負担が限界を超え、反対の右側にまで溢れていって起こった神経…
常連さんがマラソンに出て、少しアップダウンがきついコースだったせいか走った後、右のお尻が痛むという。場所は典型的な坐骨神経の通り道なので、「定番ですね。」と解説した。しかしこの方は以前から逆の左坐骨神経痛(原因は過食)で通われていた方なので、気になって身体を診たら、左の太腿の前後しか硬くなっていない。痛がる右足は何ともない。これは「左脚への負担が限界を超え、反対の右側にまで溢れていって起こった神経…
前回のメルマガ配信の続きでネットワーク論その3を書いてみたい。 「パソコン病と眩暈(めまい)」 パソコン病の最大の問題は腕のこりである。クリック病というかマウス病というか人差し指の使いすぎである。 これが慢性化すると肩こりと首のこりが起こる。 それでも負担をかけ続けると首のこりから首のゆがみに悪化してしまう。 首がゆがめば頭に行く血流が悪くなり、耳への血行も影響して眩暈を起こす。 こうなると眩暈を…
前回メルマガ配信で、「一つ病気をしたら他にも何かあると疑え」を書いた。 思いのほか反響があり、もう少し詳しく聞きたいと言う。 この話は身体の中のネットワーク論になってしまう。 いくつかはブログの中に書いてあるが少しまとめてみたい。 「坐骨神経痛と胆嚢炎」 ブログの中に「坐骨神経痛の治療の目安は8回」と書いてある。これを読んだ患者さんが、「私のは長患いですから多少の回数はともかく、是非よろしくお願い…
これは経験的に言えることだが、例えば乳がんの手術をしたとする。 そうすると必ず他にも何か異常がある。 例えば子宮や卵巣など婦人科の問題、鼻炎、喉、食生活、生き方・・・。 当院では検査で引っかかったり、手術をした後は必ず他もちゃんと調べるように指導をしている。 がんにしても食生活や過度のストレス、過酷な生き方なとがかかわっていれば、どこか一ヶ所の問題だけでは済まない。 たまたま手術で取ったところは一…
以前、「健康法、追いかけているうちが華」という話を書いた。常連さんの中には深夜テレビショッピングで、腹筋に効くとか言われるとすぐに買ってしまい、2-3回使っただけですぐにうちに持ってくる人がいる。「ちょっとお前の所で預かってくれ。ま、いいからここに置いといてくれ。」と言われ、3つも4つも機械が溜まる。そしてすこし時間が経ち、バージョンアップと言われるとまたすぐに買う。それも飽きて又持ってくる。健康…
坐骨神経痛で長く通っている常連さんに以前から、「過食はダメ、甘い物は控えて、辛いものも控えて。」と言い続けてきた。中々守ってもらえなかったが、最近兎に角治したいということで、少し食生活を控え目にしていた。途端に、「甘い物と辛いものを控えると本当に腰が楽、実感した。」と今日言われた。こちらからすると、今更という感じはあるが、患者さんが実体験したことが一番有り難い。「甘い物の代わりに何を食べればいいの…
時々、膝が痛いのではなくザワザワすると言う方が来る。どんなことを考えながら治療すれば良いかというとポイントは3つある。 1.自律神経の交感神経優位の場合があるので、マウスピースなどで過緊張を落とす。 2.粘膜(鼻、喉、皮膚、痔)が弱いと起こることがあるので、まずはEAT(Bスポット療法)をやって痔などはちゃんと治す。 3.症状を出している犯人はウィルスなので、抗ウィルス作用のある物を使う。EPA、…
最近通っている患者は坐骨神経痛や自律神経失調症、顎関節症と少し手強い。顎関節症は専門の歯医者を紹介しようと思って伝えたら、間違って違う歯医者に行って口の中に鍼を打たれたという。ビックリして大丈夫でしたかと聞いたら、「2回口の中に打ってもらってとても調子が良い。」という。私など40年もこの仕事をしていて今まで3回ぐらいしか口の中に鍼を打ったことがない。それも患者から頼まれて、顔面神経麻痺と三叉神経痛…
仕事柄、腰椎椎間板ヘルニアの方は多い。坐骨神経痛を起こし、脚まで症状が出る。痛みだけならいいが、シビレや麻痺となると場合によっては手術の対象になる。病院勤務時代によく先生が、「昔のヘルニアは50%位の手術の成功率だったが、最近は80%近くになってきたので成績が良い。」と言っていた。こちらはリハビリをしながら、良く患者さんから苦情をもらった。「外科の○○先生に手術をしてもらって確かに痛みなくなったの…
足首が硬くて腰に負担がかかり、ヘルニアと坐骨神経痛をおこしている方が通っている。一時期よりはいいが中々完治までいかない。色々な病院で、「腰のヘルニア、痛かったでしょう。神経ブロックでもしたら。」と勧められている。しかし本人は、「神経ブロックは打ったときだけしか効かないから治らない。」という感覚があり受けたがらない。我々からしてみると少し痛みを感じない間に身体は修復がかかるのでお薦めしたいのだが、本…
常連のご隠居さんがすこぶる健康的な生活をしている。3食を2食にし、夜は早く寝て、早朝から散歩にジム、水泳と余念がない。しかしどういうわけか右坐骨神経痛が治らないという。以前この方は甘い物取りすぎで腰痛を指摘していたので、甘い物(特に食後のデザート)に関しては大分セーブしている。身体を診ると、ほんの少しだけ甘い物を食べている。左腰を診ると古傷が反応していて、足まで硬い。太腿を診ると筋肉痛がある。「ジ…
仕事柄、妊婦さんは多い。訴えの殆どは、「腰痛」か「足の浮腫」である。以前は臨月ギリギリまで治療をやっていたが、最近は予定日より2週間ぐらい早いのが当たり前になっているから、臨月に入ったら治療は断っている。腰痛もお腹が大きくなったことによる重心の変化や足への負担なら治療は楽であるが、時々難しい方が来る。特に尻もちをついて尾てい骨痛や仙腸関節の問題などは、注意してやらないと治療後痛みが酷くなってしまう…
マラソンをやっている方が坐骨神経痛や股関節痛があるのに、記録を伸ばしている。仕事柄、関節に問題のある方を診るが、万全だからといっていい成績が出るとは限らないようである。多少何処かに問題を抱え、それをかばいながら、工夫しながら、頑張らなくてはと言うぐらいの方がいい成績が出ているように思う。万全と言われれば、人間は安心してしまう。しかし何処かに問題があるとなれば緊張もするし、気も配る。そういう時に思わ…
50・60代の女性で鼠径の痛みを訴えてくる方は時々いる。主な原因は鼠径ヘルニアで鼠径の靱帯が緩み、腸の一部が飛び出る病気である。それで確定診断が出れば、手術で患部を開けてメッシュを入れれば治る。しかしヘルニアが出ていなくて痛みを訴える方もいる。MRIを撮り原因がわかれば良いが、わからないケースも多い。そうなると「大腿(太腿の前面)神経痛」位としか病名のつけようがない。坐骨神経痛なら何となく腰から脚…
以前男の38才説は書いた。男性の場合、33才ぐらいから身体が変化するが、気持ちは学生時代のまま5年過ぎる。40才を前にして、「俺も人生半分か。」などと言い、今までは薬局にいっても滋養強壮剤など見向きもしなかったのが、少し気になる。我々のような鍼灸・マッサージも自分の腰が良くならず、行ってみようかなぁと気になり始める。それが男の38才説だが、女性の場合は明確に38才に反応しない。理由はいくつかあるが…
60代70代の女性を診ていると、「お腹の問題が治まればこんなに色々と症状が出ることはないのに・・・。」と良く感じている。閉経後、甘い物の誘惑に負け、中年太りに悩まされ、スカートが入らなくなり、ゴムのスカートを買ったりする。何となく便秘もあり、坐骨神経痛もある。物忘れは段々深刻になり、旅行に行っても階段の多い神社などはお参りが出来なくなる。夜の宴会は元気だが、翌日の便秘には悩んでいる。下腹部を見ると…
知り合いの先生がヘルニアで腰が悪く、最新の治療でアメリカで特許も取っているというDST法という治療を受けた。「術後はどうですか?」と聞いたら、「劇的に良くなった感じはないが、痛みは腰の真ん中からお尻と足に移った。しかし今度はそこが痛くて歩けない。 痛み止めも効かず 夜もうずいて寝られない。」という。一人では杖なしでは歩けず、助手に手伝ってもらって椅子に坐らなければならない。こういう場合、我々から見…
最近仕事をしていてつくづく思うことは、「自分のやっていることは寺子屋だなぁ。」ということである。 何を教えているかと言えば、「老い」である。 長いこと仕事をしてきてわかったことは、「人の老いは皆同じパターン」ということである。 20歳までの成長期は殆ど病気もせず元気でいいが、33歳ぐらいから明確に身体は変化し始める。 まず問題なのが体重増加、酷い方だと20歳より15kg増える。 そうなると坐骨神経…
常連さんがインフルエンザにかかり、咳が止まらず困ったが、少し楽になってきたという。右肩を診るとガチガチで殆どほぐれない。そして最近マラソンをしているという。脛を診ると異常に硬いので、「月に100kmぐらい走っているのでは?」と聞いたらそうだという。あまりに脛が硬いのでこれは少しやり過ぎで、毎日寒い中大変だと思ったら、ジムに行ってトレッドミルというランニングマシンで走っているという。このトレッドミル…
踵骨痛(しょうこつつう)の方が来た。踵骨とはかかとのことである。この踵骨痛、病院時代に何人も苦労した。ある程度の年になるとトゲ(踵骨棘-しょうこつきょく)が出来てしまい、中々痛みが取れない。足底腱膜炎なども起こす。酷い方だと数年ほったらかしで、どうにも歩けなくなってくる方もいる。病院時代は救急だったので、交通事故で踵骨骨折が来る。いずれにしても踵骨痛の治療は楽ではない。荷重がかかる分、安静に出来な…