キーワード 坐骨神経痛

考えるな、聞け

最近は患者が自分の症状に対して色々と珍説を言ってくることが多い。常連さんが「お尻が痛いのは筋肉が衰えたせいかもしれない。」というので調べてみたら、単に腰の状態が悪く坐骨神経痛を起こしていただけ。ガリガリに痩せた人が言うならまだ分かるが、中肉中背の方の場合は、初めに坐骨神経痛を疑う。患者をこのままにしておいたら、「筋トレのためにジムに申し込まなければ・・・。」となって、おそらく通っても治らないであろ…

2週間に1度のメンテが最高

メンテで通っている常連さんが皆同じようなことを言う。「1週間に1度の治療だとさして症状は出ないが、3週間あけてしまうと明確におかしい。1ヶ月では辛くなってしまう。2週間毎のメンテで良い状態を維持できる。」この2週間であるが薬でも同じ事が言える。新しい薬の効果を見るのが大体2週間である。前の薬が完全に身体から消え、新しい薬の効果を確認できるのに2週間かかる。これが頭痛の人も胃炎も坐骨神経痛も、病気が…

70代体重減少と気力低下

常連さんが久しぶりに来て左坐骨神経痛が辛いという。今まであまり坐骨神経痛を訴えたことがなかっただけに気になり、「少し痩せましたね。コロナの影響であまり動かないですか?」と聞くと、「お出かけはないし、買い物も楽をしている。植木も減らしたし、食欲もそんなにない。なんか足が細くなったみたいで・・・。」と言う。調べてみると大腿四頭筋(ふとももの前面)が3割程筋力低下を起こしている。ある程度の年齢になって筋…

港区の坂

常連さんが少し膝にエアコンの風を当て続けたら、激痛で歩けなくなってしまったという。近くの整形で診てもらってレントゲンでは異常がなく、薬をもらったが、「安い整形の薬ではそんなに効かないだろう。」と飲まなかったという。その後すぐに来て、薬を見たら、普通のロキソニンという鎮痛薬ではなく、「ノイロトロピン」が処方されていた。患者さんにしてみたら、「ロキソニンとそんなに違わないだろう。」と思ったのだろうが、…

薬包と薬価

昔ある女医さんが、「俺は社長で今まで既製品の薬は効かなかった、高い薬を出してくれ。」と患者から言われた。女医さんは機転をきかせて薬剤師に、「出そうと思った薬を全て粉にして薬包(昔薬を包んでいた三角形の包)で出してあげて。値段は10倍。」と指示をした。数日後、その社長が来て、「やはり高い薬は効果が違う。すぐに効いた。」と言ってきたという。そこで女医さんが一言。「今までと同じ薬を粉にしただけなのに・・…

胃炎と上り坂

常連さんの腰痛に対して、「胃に負担がかかっています。胃を楽にすると腰は良くなります。」と伝え、胃薬を飲み始めたら体重も2-3kg落ちてジョギングもやる気になったという。このまま腰が楽になるはずだったのに、何故か坐骨神経痛が取れないという。身体を診たら、胃炎の反応のスタマックラインは消えているが、太腿の前面(大腿四頭筋)が以前より硬くなっている。これは上り坂などで負担をかけたことを意味する。「坂を上…

寛解(かんかい)について

先日、リウマチの講義を聞いていたら担当されていた先生が、「この患者は寛解(かんかい)しました。」と説明していた。この寛解(かんかい)という言葉だが、あまり日常生活では使われない。 「治癒」は治ったことを意味するが、「寛解(かんかい)」は一時的に楽になったり、症状が消えた状態で、治る可能性もあるが、再発も否定出来ない。がんなら縮小または消失しているが、がん細胞が再びふえ始めたり、転移したりする可能性…

健康格言

キリスト教徒の内村鑑三が、「人は後世に何を遺して逝けるのか。清き金かそれとも事業か、著述をし思想を残すことか。それとも教育者となって学問を伝えることか。しかし何人にも遺すことができる最大の遺物がある。それはその人らしい生涯を送ることである。」と説いた。 私も還暦を越えだしてから、何か後世に役に立つものを残したいという気持ちが出てきた。 では何を残せるかだが、仕事柄「健康格言」しかない。 普段何気な…

健康格差

以前から「親の年収による教育格差」が言われている。 昔は東大には田舎の秀才がかなり入っていたが、2014年の調査によれば東大生の育った家庭の半数強が、親の年収が950万円以上の裕福な家庭だったという。 本人が頑張れば入れるというより、環境の影響が大きいという事だ。 また厚労省の調査では所得による「健康格差」で所得200万円未満の世帯と600万円以上で歯の本数が違うと言う。 所得によって健康リスクに…

身体の何処かに痛みがあると・・・

首の治療をしている常連さんが、「少し顎が痛い。」と言う。歯医者に行って調整をしてもらったが痛みはいまいち良くならない。本来の首も寝違い症状が出るぐらいに良くない。何があったのか聞いたら、「節分で豆を食べ、硬いものを噛むのが好きなので、その後も噛み続けた。それかもしれない。」と言う。それなら辻褄が合う。顎関節の痛みが取れない限り、首は良くならない。昨日来た方もいつもより不眠症が酷いという。仕事が忙し…

新型コロナウィルスと膝痛

以前常連さんのお母さんが、「私は主人に、『今日は刺身を買ってこい。』とか、『今日は天ぷらにしてくれ。』と言われ、毎日買い物と料理をしています。先日主人が亡くなり、それから少し楽が出来るようになったと思ったら、膝に痛みがで始めました。週に1度程度しか買い物に行かないのに・・・。」と言うので脚を診たら、以前比べて完全に筋力低下を起こしている。膝は大腿四頭筋と言う太腿の筋力が低下すると負担がかかり、痛み…

百草丸を続けることの意味

百草丸は長野の御嶽山が有名で、山岳修験者の常備薬として数百年の歴史を持つ胃薬である。以前、「昔からある薬は他の薬とぶつかりにくい」と書いたが、私などはもう数十年毎晩枕元に置き、忘れないようにして飲んでいる。いちいち錠数など数えず、何となく調子が悪ければ多め、調子が良ければ少なめ程度の処方である。以前、「胃腸から崩れる」でも書いたが、体調を壊すのはまず「胃」からが多い。次に腸、そして腹筋が働かず、腰…

ぎっくり腰を最短で治す方法

今日久しぶりに来た常連さんは、毎年恒例のぎっくり腰をやってしまったという。いつもと同じ治療をしようと思ったら、痛みの場所が違う。腸が動かないことが原因の腰痛である。今までは重い物を持ったり、立ちっぱなしでぎっくり腰になったが今回は違う。急いでお腹の治療に切り替えたが時間がない。このままだと痛みが取れないので、「あとでもう1回来て下さい。」と伝え、同じ日に2回治療をすることにした。今までも酷い方の場…

発汗について

最近急激に冷えたせいで、坐骨神経痛や腰痛、不眠症を訴える患者さんが増えた。話を聞くと、「気温が下がったのは分かっているのだが、少し厚着をして乗りきろうと思った。ホカロンも貼っている。」と言う方が多い。身体を診ると完全に血行不良で厚着やホカロンでは全く対応出来ていない。ではどうするかである。「発汗」しかない。風呂で下半身か胸まで入り(心臓が苦しくなければ全身浴)、おでこに軽く汗がにじむまで温める。こ…

足のシビレを喘息治療で治す話

今日来た方は足がシビれるという。話を聞くと腰痛や坐骨神経痛があるが辛い場所が動くという。こういう場合は本格的な腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性は低いので、ヘルペスウィルスなどが身体のあちこちを動き回っていると考えている。例えば左足に症状がある場合、そこを治療すると右側に痛みが移動したりする。痛みが身体の中を駆け回る。では何故このヘルペスが動き回るかであるが、それは「粘膜」に問題があるからで…

「少し甲状腺が腫れている。」と言われて

常連さんが定期的な健康診断で医者から、「少し甲状腺が腫れている。」と言われたという。その後、超音波診断と血液で問題ないことがわかったが、たまたま相談した医者に違うことを言われたという。1人からは「こういう腫れは殆ど問題はない。一度調べて大丈夫ならそんなに調べなくても言い。」と言われ、他方からは「念のため、毎年チェックした方がいい。何か出てくるかもしれない。」と言われたという。我々から見るとそんなに…

秋葉原理論

近所に新しく整骨院が出来、常連さんと話をしていたら、「そこの先生は、『近くに作ってすいません。』という気持ちで挨拶に来られたのでしょうね。」と言うので、「ご丁寧に挨拶はいただきました。大きな菓子折も頂いて・・・。その時に『僕はこの街にどんどん医療関係が増えればいいと思っている。秋葉原や中華街を見ればわかるはず。出来れば出来るだけ外部から人が来る。』と言った。」と言いました。例えば青物横丁の駅からう…

腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症

常連さんが中々腰が治らないという。詳しく聞いてみると、「腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛」と「前屈で楽になる脊柱管狭窄症」の両方の症状を言っている。ここまで来るともう病院で調べなくてはならない。結果を聞いたら、「腰椎椎間板ヘルニア」と「脊柱管狭窄症」の両方あるという。「先生の言うとおりでした。」と感謝はされたが、問題はそのあと医者から出された薬(リリカ)をちゃんと飲んでいない。我々からするとまず…

痩せる耳ツボに関して

これは大分古い話だが、当時「耳ツボで痩せる」というのが話題になり、勤務していた接骨院でも取り組んでいた。私自身は殆ど興味がなかったが、たまたま担当されていた先生が休みで患者さんの鍼を交換してくれと頼まれた。交換しながら、「どうですか?」と聞いたら、「確かに食欲が落ち痩せたけど、上半身が痩せてしまう。特にほっぺたと胸、何となく貧相になってそこは痩せなくてもいいと思ってしまう。本当に痩せたいのはお腹と…

年代別健康法のコツ-30代から70代までの50年間の心と体【まとめ】

【30代】体のこと別に気にしていない まず30代の方の特徴は10代・20代と何も体が変わっていないと感じていることです。確かにアフターファイブも元気だし、多少徹夜してもへこたれません。ゴルフだって絶好調、体のことを考える事はありません。しかし皆さんの体を診るとそんなことをいっていられるのは33才まで、そこから5年で一つの転機が来ます。私は「男の38才説」と言っているのですが、仕組みは次の通りです。…