キーワード がん

目新しい物が好きな方は危険

今日来た細身の女性の常連さんは、何か新しいことにすぐ眼がいく。インスタグラムなど目新しいものがあるとすぐに飛びつく。健康法に関しても同じで何かの情報を見るとすぐ買ってしまう。先日も青汁を買ったという。我々から見ると青汁が身体にいい場合は意外と少なくて以前、15種類ぐらいを調べたが、2-3個程度しか見つからなかった。当院ではORT生命科学研究所お薦めの、「大麦若葉エキス バーリィグリーン」しか使って…

声と体調

常連さんが最近、「声が通る」と人から褒められるという。我々からするとこの声は体調と連動している。体調が悪い時は何となく声にも勢いがなくなり、体調が良いと「張りのある声」という言い方をする。往年の歌手が久しぶりに歌うと昔みたいに声が出ない場面を時々見るが、声というのは明確に体調のバロメーターである。声に張りのある方であまり酷い病人は見たことがない。以前声楽家の川井弘子先生から、「身体は楽器」なので体…

猫背と内臓とたすき

常連さんがゴルフをしていてコーチから、「大分猫背です。すこしゴムでも使って胸を張るようにするといいです。」と言われたという。猫背に関しては面白い話がある。ある方が仕事をしながら段々猫背になり、気になり医者で調べてもらったら喉頭がんが見つかったという。無事手術も終わったら、猫背が治っていたという。これは人間の身体の特徴で、「具合の悪い所を縮めようとする」事による。胃が悪ければエビみたいに身体を丸めて…

触らない治療

最近は病気の説明ばかりで患者に触らないうちに時間が来てしまうことが多い。 「乳がんの治療をしていて最近は鬱病っぽいのですが、どうしたら良いでしょうか?」 「中々やる気がなく休職中で飲み薬に効果を感じないのですが、どうしたら良いでしょうか?」 「よそで腰に鍼を打ってもらって7割は治ったのですが、残り3割がどうやっても取れません。」 「足の付け根が痛く、医者に言うと酷くなってから手術としか言われないの…

医学と医療

昔脳出血の患者が、「複視(物が二重に見える)が治らない。」と言い続けていた。担当医はおそらく、脳の損傷のレベルから見て治癒の見込みなしと考えていただろうが、初老のリハビリの先生が患者の話をよく聞いていて、相談相手になっていた。患者は事ある毎にリハの先生に、「複視が治らない。」と言い続け、リハの先生も、「そうか。中々複視はね・・・。難しいんだよ。」と言うだけで、こういう事をやったらよくなるという話な…

悪に遠ざかる

常連さんが、「ここに初めて来た時は腰が酷くてどうにもならなかったが、最近は週に2回ゴルフをやっても辛くない。」と言う。定期的なメンテが功を奏している。我々が常連さんを診ていて感じるのは、「定期的なメンテは悪から遠ざける効果がある」ということだ。例えば自宅の近くにお寺があり、お坊さんと仲良くなった場合、「今度、寺で座禅をやるから来なさい。」とか、「両親を大切にしなさい。」とか、「お天道様が見ている。…

治療の価値観

主婦の方なら生活品はなるべく安いものをという気持ちは分かる。しかし趣味のものとなるとどうしても高い物の方が価値があるように感じてしまう。治療や健康法も同じで、高いと価値があるように感じている方は多いのではないだろうか。しかし我々から見ると治療法にかかるお金とどれだけ健康になるかはほとんど関係がない。以前、中年男性が少しお腹を引っ込めようとして脂肪を分解する治療を1回15000円で受けていたが、我々…

寛解(かんかい)について

先日、リウマチの講義を聞いていたら担当されていた先生が、「この患者は寛解(かんかい)しました。」と説明していた。この寛解(かんかい)という言葉だが、あまり日常生活では使われない。 「治癒」は治ったことを意味するが、「寛解(かんかい)」は一時的に楽になったり、症状が消えた状態で、治る可能性もあるが、再発も否定出来ない。がんなら縮小または消失しているが、がん細胞が再びふえ始めたり、転移したりする可能性…

身体を鍛えていたのに・・・

先日、「平成の三四郎」こと古賀選手が53才の若さで亡くなった。山下会長のあとはこの方が柔道界を背負って立つと思っていたのでとても残念で、余りの若さにショックが大きい。バルセロナオリンピックでの試合直前でのアクシデントや、優勝した時の顔は今でも忘れられない。報道によるとお父様も若くしてがんで亡くなり、本人はがんの手術を受けて闘病中だったらしい。 常連さんから、「金メダルを取るほど身体を鍛えているのに…

痒みについて

以前も老人性掻痒(そうよう)症で書いたが、 糖尿病などで痒みが出た場合、現代医学の中に中々良い治療法がない。痒みが軽ければそこそこの塗り薬で良くなるだろうが、酷くなればステロイドを使う。ステロイドで治まれば良いが、治まらない人は多い。そんな時何処を診るかであるが、「鼻炎」「口腔内」「腸」が決め手である。一部心臓の薬などで腸管がやられ、痒みが出ていれば、投薬の見直しで良くなる方もいる。治療法は「鼻炎…

上医、中医、小医の違い

中国の孫思邈(そん しばく)という医師は、「上医というのは国を治す、中医の医者は人を治す、下医の医者は病を治す」と言っています。 また医を上、中、下に分けて、「上医はいまだ病まざるものの病を治し,中医は病まんとするものの病を治し,下医はすでに病みたる病を治す」ともいわれています。 病気だけでなく、国を治したり、人を治したり、予防の話など昔から人類は気がついていたわけです。 私自身も振り返り、昔は「…

健康法を学ぶ機会がない

患者さんとよくしゃべっていて、良く感じるのは、「健康法を学ぶ機会がない」ということである。小学校で理科か保健体育の授業で、心臓、血管、肝臓、肺などは最低限学ぶが、そこから病気の話には中々ならない。持病でもあれば病院に通いながら色々と病気のことなど覚えるが、お産以外医者にかかったことがない方だと、何処で健康法について学べば良いのだろうか?親が健康オタクなら色々と言われるだろうが、殆どの方は社会に出る…

見せかけの健康

常連さんの全身状態を測ったら最近の中で1番いい。今まで胃の治療や乳酸菌、温灸などを指導してきたが、本人は何処も異常が出ないので、「温灸をやめてもいいか?」と聞いてきた。我々からするとこの良い状態というのは、「見せかけの健康」であって、身体が芯から治ったわけではない。今までは色々な問題点に対応しつつ、たまたま良かっただけである。土台がしっかりしているわけではない。だから温灸1つ取っても少し減らすのは…

手術後のリハと重炭酸入浴剤

最近、ヘルニアやがんなど術後の方が多い。今までは大抵手術後、2週間は安静でそこからリハが始まるのだが、最近は術式の改善、内視鏡を使っての手術など身体に対し低侵襲(身体に負担が少ない)で出来るようになり、入院期間も今までより格段に短くなっている。当院の常連さんだと普段からメンテをしているので、少しの入院生活でも腰が痛いとか、背中が辛いとか訴えてくる。その辛さも手術後となると普段とは違うので、「本当に…

仕事の本質

大分前だが『アポロ13』という映画を見たときに、「こんなに色々な場面を想定していたのか。」と感動した記憶がある。 宇宙飛行士の訓練も殆どが事故やトラブルのシミュレーションばかりだと聞く。 以前、「仕事が辛くなるとき」でも書いたが、「不測の事態を想定して準備をしておく」ことが仕事の本質ではないだろうか。 数ヶ月前に当院のホームページの管理をお願いしている方に、「ホームページの更新が来ていたので、更新…

第4の治療!緩和ケア

西洋医学でがんの治療というと「手術」「放射線」「抗がん剤」が3大治療だが、ここ数年第4の医療として「緩和ケア」が言われるようになってきた。 「緩和ケア」と言うとどうしても「終末ケア」や「看取り」などのイメージが強く、手を施しようがない患者に麻薬を使って痛みだけ取るイメージがあるが実際はそうではない。 QOL(生活の質)を高めることで寿命が伸びることがわかってきた。 最近は初期の段階から「緩和ケア」…

「少し甲状腺が腫れている。」と言われて

常連さんが定期的な健康診断で医者から、「少し甲状腺が腫れている。」と言われたという。その後、超音波診断と血液で問題ないことがわかったが、たまたま相談した医者に違うことを言われたという。1人からは「こういう腫れは殆ど問題はない。一度調べて大丈夫ならそんなに調べなくても言い。」と言われ、他方からは「念のため、毎年チェックした方がいい。何か出てくるかもしれない。」と言われたという。我々から見るとそんなに…

解説屋さん

久しぶりに脊柱管狭窄症のOPEをした方が来た。話を聞くと、「最近転んだり、フラフラしたり、膝や腰がくだけたり、手に力が入りにくかったりいろいろな症状がある。医者で診てもらったら『頚の手術が必要ですね。』と言われ、納得がいかない。頚も痛くないのに手術とは何事だ。」とプンプンしている。時間をかけてここ数ヶ月の経過を聞いたら、全て頚椎症のことばかり言っている。脊柱管狭窄症で腰の手術をしたから本人は膝や腰…

標語

この年になると説教臭いことを言いたくなる。 よく偉大な経営者が、「1日1話」を書いておられるが少しだけ真似しようと思う。 長年の経験で健康保持のポイントだけをまとめてみた。 【命】親からもらったこの身体、自分で作れないこの命、粗末にできる道理がない 【親を選ぶ話】子供は生まれるときに自分で親を選んで生まれてくる 【身体は借り物と思えば良い】借り物と思えば無理はしない 【どんなに辛い事でも回復出来る…