どうもまず疑う性格が治らない
治療の世界に身を置いて40年経つが、どうもまず疑う性格が治らない。 これは大分昔の話だが、大きな企業の社長が、「仕事柄どうしても病気になれない。どうしたら良いのか?」と言われ、当時はある有名病院における人間ドックによる検査が、一番精密だと言われていたのでそこを薦めた。 検査ではたいして異常は見つからず、社長はやれやれといった感じだったが、それから数年後に脳出血を起こした。 こちらにしても青天の霹靂…
治療の世界に身を置いて40年経つが、どうもまず疑う性格が治らない。 これは大分昔の話だが、大きな企業の社長が、「仕事柄どうしても病気になれない。どうしたら良いのか?」と言われ、当時はある有名病院における人間ドックによる検査が、一番精密だと言われていたのでそこを薦めた。 検査ではたいして異常は見つからず、社長はやれやれといった感じだったが、それから数年後に脳出血を起こした。 こちらにしても青天の霹靂…
現段階で270万人の感染者と17万人の死者を出した新型コロナウィルスだが、2年ぐらいの内にはワクチンや抗ウィルス剤によって、毎年流行のインフルエンザ程度に収まるであろう。 では新型コロナウィルス収束後の社会はどう変わるのか考えてみた。 現段階で感染前と同じ生活には戻らないだろうと想像できる。 観光業や宿泊業、飲食業などは壊滅的な打撃を受け、会社の存続が危ない。 生活必需品や最低限の社会インフラ関係…
がんでもアトピーの患者さんでも長い歴史を持っている方は多い。場合によっては40年ぐらい患っていて、その間どんなことがあったのか話を伺い、カルテに書くだけでも大変である。しかし話を聞きながらよく感じるのは、時間の経過と病状推移がめちゃくちゃということだ。「あの痛みが出たのは確か、2年前、いや5年前だったかもしれない。」「あの健康食品をやっておかしくなった?いや病院を変えた後だったかもしれない。」こち…
最近はLINEを使って数十名の患者さんとよくやり取りをしている。 腰痛の方、鬱病の方、喘息の方、減量の方、免疫不全やがんの方と病気は様々である。 送られてくる内容は食事の内容や今の体調、医者に行って言われた事や、身内の相談、突然の痛みや眠れないなど多岐に渡る。 その都度、必要に応じて返信はしているが、よく感じるのは当たり前が当たり前でないということである。 朝普通に目が覚めて、布団から起きれて、ご…
久しぶりに常連さんが、胸が痛いという。何箇所か医者に行って詳細に調べたが何も出ず困っていたという。ネットでも調べたが、中々良い治療法に出会えなかったという。どうしていいか分からないところに当院からの年賀状で、久しぶりにかかってみようと思って来たという。調べてみると典型的な「胸骨のゆがみ」で、「この症状ならうちのホームページに書いてある。胸骨はわかりにくいから、『胸の前面』と解説している。」と言った…
神奈川県在住の宮本英司さんが、2018年に45年間連れ添った妻をがんで亡くされた。 奥様が生前に綴った詩「七日間」を新聞の投稿欄に応募したところ、掲載されて大反響となり、先日NHKでも取り上げられた。番組の中では死後見つかった日記に、ご主人を思う気持ちや辛い闘病生活のことが綿々と綴られていた。 「七日間」 神様お願い この病室から抜け出して 七日間の元気な時間をください 一日目には台…
先日病院研修をしていたら、肺がんの疑いのある方が、「ここ何年もCTで肺を調べて影が変化しないのです。他の先生は『変化しないから大丈夫。』と言ってくれて安心しています。」と言ったら、師匠が「それは違う。本当にがんでなくて肺の炎症性ならもっと薄くなって消えるているはず。何年もそのまま残っているというのはがんを疑わざるを得ない。呼吸器の専門の先生も『肺がんの可能性を否定できない』と診断されている。だから…
代替医療のホリスティック医学で有名な帯津良一先生は免疫学者の安保徹先生と風邪について話をされていた時、帯津先生はすぐに葛根湯を服用して、症状がはっきりする前に対処して危ないという予感が大事だと言われたのに対して、安保先生は「私は、風邪をひいたら、『ここのところ、忙しすぎたから、少し身体を休めなさい』という天の配剤だと思って、2~3日ゆっくり寝ることにしています」と答えたという。 「天の配剤」は少し…
仕事柄、胃炎の方はよく診る。お腹を触って硬いと、「胃が悪いですね。」と言うと、「先日の胃カメラでは何も言われていません。正常で問題ありませんと言われました。」と言う。確かにそうなのだが、我々が知りたいのは胃を空っぽにして内壁に何もない(がん、ポリープ、潰瘍など)状態は良いのだが、「機能」である。食べ物を入れたときにちゃんと消化してくれるかどうかである。その胃の機能が一番大事である。多少炎症やポリー…
Bi-Digital O-Ring Testをやっているとどうしてもがんの患者さんが増えて、毎月オンコロや国立がんセンターで2-3回セミナーに参加している。抗がん剤や新しい薬剤、治療法の推移、国際的基準などめまぐるしく変わるので、勉強に手が抜けない。昨日参加したセミナーで「ラベンダーリング」についての話しが出た。耳下腺などに出来るがんで顔の一部を大きく取る場合、その後のケアで化粧をしたり、写真に撮…
常連さんがアウトドアスポーツでしっかり日焼けしている。少し火傷気味なので、オロナイン軟膏を塗っていたという。もちろんそれでもいいのだが、我々は火傷と聞くとすぐに「紫雲膏 しうんこう」が頭に浮かぶ。昔田舎では子供が火傷をするとすぐにおばあちゃんが、「紫雲膏を塗っておきなさい。」とか、「アロエがいい。」とか言っていた。家庭の常備薬であった。しかし最近は火傷の話をほとんど聞かない。薪はないし、石油ストー…
常連さんが主治医に対して少し文句かあるという。 何かと思って話を聞いてみたら、「うちの先生、どんな時も『大丈夫』しか言わない。この間私が胃潰瘍をやった時も、『大丈夫』、脚の手術の時も、『大丈夫』、血液で少しおかしな事になった時も『大丈夫』、がん患者にも『大丈夫』で何とも頼りないというかいい加減というか少し不満。」と言う。 この大丈夫という言葉だが、前に少し正確な言葉の意味を足せば問題ないと思う。 …
常連さんが病気の治療ではなく、予防で通っている。EAT(Bスポット療法)に鼻うがい、マウスピース、口腔ケアに減量、適度な身体のメンテに医療情報収集、今日身体を診たら少し踵が痛いというので、feet inを紹介した。これで中敷きも出来、乳酸菌も飲むという。どこまで身体の貯金を増やすのかと思うが、この医療格差は大きい。この方には「人が死ぬのは1位ががん、2番3番が脳や心臓の血管、4位が肺炎、後は不慮の…
長年仕事をしていると、感覚器の異常を訴えてくる方がいる。 そういう方に限って殆ど検査をしていない。 また検査があることを知らない。 例えば鞭打ちの後遺症などで匂いがわからなかったり味を感じない場合、今は嗅覚検査や味覚検査がある。 昔なら臭いがわからず腐ったもの平気で人に出したり食べたり、お茶とコーヒーの区別がつかなかったり、味がわからず何を食べても砂を噛むように感じたり、患者の主観しか判断方法がな…
常連さんで前立腺がんをやった方に、毎回食事指導とくに「糖分制限」の話をしている。食後のデザートやケーキの習慣、白米など毎回背中を診ると甘い物を取りすぎている。来る度にこちらが厳しいことを言いうので、「ここに来るには気合いを入れないと来れない。」といつも愚痴られる。しかし今日背中を診たら、極端に改善している。「前回から今日まで何をやったのですか?」「いや、食後のデザートは相変わらずだし、気持ち白米は…
長年ブログを書いているとファンというか、マニアの方が増える。今日来常連さんから、「どうして先生のブログに鬱病、認知症など具体的な話が書いてないのですか?治療していますよね。」と言われ、ビックリしてしまった。理由は簡単で鬱病でも他の頭の病気でもBi-Digital O-Ring Testを使わなければ全く病状が掴めない。しかしこのBi-Digital O-Ring Testを説明するのが大変である。…
常連さんが山登りの後に来て脚を治療していたら、「触ってもらうと右脚より左脚が痛いのに、どうして治療時間が左右でそんなにに変わらないのですか?」と言う。さすが常連さんの質問はするどい。「理由は簡単です。思いのほか登山の脚への影響はあまりありません。右脚は大腿四頭筋(太腿の前の筋肉)の表面はいいのですが、深いところにしこりがあります。これは治療しなくてはダメです。左脚は痛がっていますがこれは登山ではな…
乳酸菌が最近話題となり、テレビでも雑誌でも宣伝に余念がない。Bi-Digital O-Ring Testを勉強しているとどうしてもがんの患者さんが多く、基本治療は乳酸菌療法である。しかし患者さんによっては、「私はヨーグルトとヤクルトをやっているから乳酸菌は問題なし。」と言う方がいるが、少し正確にお話をしたい。昔は乳酸菌は活きたまま腸に届かなくては効果がないといわれだ時代があったが、その後研究で死菌…
常連さんが検査報告を持ってきて、「大変です。色々書いてある。何か悪いみたい。」と言う。 報告書を読んでみたら、下記のように書いてあった。尚、下記の内容に関しては本人の許可を頂いております。 【所見】 両側肺尖部に胸膜に接する不整形の陰影が見られ、線維性瘢痕と思われます。 右上葉に石灰化、縦隔リンパ節の石灰化が見られます。陳旧性(ちんきゅうせい)結核と思われます。 肝嚢胞が見られます。 頚部正中皮下…
これは経験的に言えることだが、例えば乳がんの手術をしたとする。 そうすると必ず他にも何か異常がある。 例えば子宮や卵巣など婦人科の問題、鼻炎、喉、食生活、生き方・・・。 当院では検査で引っかかったり、手術をした後は必ず他もちゃんと調べるように指導をしている。 がんにしても食生活や過度のストレス、過酷な生き方なとがかかわっていれば、どこか一ヶ所の問題だけでは済まない。 たまたま手術で取ったところは一…