身体の中の監視役

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昔なら、三叉神経痛の治療で8割は取れたが、中々完治しないと言われれば、残り2割をどうしようかと考えていたが、最近はそのままがいいですと言うことにしている。
もちろん病気は完治した方がいいのだが、その方の性格によっては少し痛みが残っていたぐらいの方がいい方がいる。
何でも挑戦、達成という性格の方は、体力のレベルが10の時、治療して13になると15の無理をする。
今度は18のレベルに持ってくると20の無理をする。
これでは切りがないので、身体の中に監視役を残すやり方は優れていると気がつき、全部治さないようにしている。
誤解のないようにお願いしたいが、全員の痛みをわざと取らないということではなく、その方の性格を見抜いてこちらが判断していることである。
身体の中に監視役がいると、何かに夢中になっている時、無理をしてあるレベルを超えるとアラームが鳴るごとく、監視役が騒ぐ。
本人がそれを無視すると、アラームが強くなるごとく、痛みが強くなる。
何とも有り難い存在だ。
普段の生活では何も悪さをしないので忘れている。
無理をしたときのみ、痛みを出す。
身体がライオンタイプで監視役がない方には、どこかに鍼でも打って監視役を作ろうかなどと思ってしまう。
実際は出来ないが、無理するにも程があるという方はよく来る。
我慢強いは結構だが、何事も無理なく、無駄なく、油断なくである。
「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。」
家康の遺訓を思い出した。

2015年7月30日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中