便秘の考え方

常連さんが便秘に悩んでいる。血液データを見て、「低蛋白」と「貧血」があったので、食事指導をした。蛋白質を増やした途端、便秘になってしまった。人によっては蛋白質で腸内細菌の悪玉が増え、便秘になる人がいる。蛋白質を増やして便秘になったのだから、元に戻せば治るだろうと思っていたが、良くならないという。食事の量を見ると何となく多い。こういう場合は「腸の気持ち」になると解決策が見つかる。まず腸は仕事が増えて動かなくなったので、仕事を減らす(食事を減らす)のが一番である。この方の場合は少し胃を元気にしようと胃薬も飲んでいたので、こんな時はそれも止めないと胃が食べたがってしまう。そして次にどう出すかである。下剤やアロエが効けばいいが、この方の場合は夜、下剤を2錠飲んで朝はスッキリしていたのに、医者に新たに薬をもらったら、1回1錠、日に3回とかいてあったという。真面目に処方を守ってしまった。今まで夜2錠飲まなければ出なかったので、夜1錠では効かない。ここまでくると浣腸でも出ないことがある。また人によっては繊維食で出ない人は多い。繊維は万能ではない。この方の場合一番困ったのが、「食べないと便は押し出されませんよね。」という考え方である。これを「ところてん方式」と言っている。ところてんと考えてしまうと何時も腸に負担がかかり、便秘は治らない。まず便は食べ物のカスではない。食べ物は身体の中で1/10程度になってしまう。食べなくても便は出る。それは腸内細菌の死骸である。ところてん方式の気持ちは分かるが、間違っている。常に「腸の気持ち」が基準である。

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