フェイスラインと顎関節

常連の女性が、「少し左のフェイスラインが気になる。」と言う。本来であればそこに鍼やマッサージをして終わるのだが、この方は顎関節症がありマウスピースを歯医者に依頼してあったので、合わないのかと思ったら最近調整したばかりだという。詳しく話を聞いたら、「かなり以前から左だけで噛む癖があり気になっていた。」と言う。こちらにしてみたら顎関節から来る首の症状は、歯医者がやってくれているからいいと思っていたが、細かく症状を診たら、「頭蓋骨の高低差」「咬筋(噛むときに使う筋肉)や側頭筋の明確な左右差」「三叉神経痛や顔面神経麻痺の予備軍」「左耳の低音障害」など顎関節と関係のありそうな症状を持っていたので、「もしかしたら頭や咬筋、神経痛に耳まで噛み合わせが原因しているかもしれない。」と気がついた。この方は当院で25年も診ていて最近取れない症状が増えてきて悩んでいたが、もしかしたらこの噛み合わせの問題を解決したら、かなりの症状が消えるのではないかと思ってしまった。歯医者に任せきりにしたことを反省した。おそらく色々な不定愁訴に悩み、全く良くならない患者さんの中には同じパターンの方が多いと思う。フェイスラインがどうしても気になると言ってもらったおかげで、真の原因をようやく見つけられた。

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