指の感覚と危機感

若いITの仕事をしている人が、「9月以降の仕事はどうなるか分からない。」と言う。私も独立をしたからこの感覚は良くわかる。そんな時にいつも感じていたのは、「危機感」だった。いつ潰れるかわからない仕事をしている中で、出来るだけ人と違う差別化をして、自分でやれる最大限のことをやって駄目ならあきらめもつく。いつも「危機感」と「差別化」を背負いながら仕事をやっていたら、ある時突然指の感覚が鋭くなって、「あれ、この硬さ3週間前からじゃない?」と感じ、患者さんに言ったら、「そうなんです。3週間前からです。」と言われ、何故か指の感覚が鋭くなっていたことに気がついた。今では占い師のようなことも言えるようになってしまった。今から思うとこの指の感覚が鋭くなったのは、危機感があったからだと思う。病院勤務などでのんびりやっていたら、この感覚は出なかったと思う。例えば美味しい物を食べるときでも私などは料理が分からないから、美味しいかまずいぐらいしか言わないが、専門家で感性の凄い方なら、「隠し味にネギを使いましたね」などと言うであろう。それはやはり求める心に身体が適応するのだと思う。若い時はかなりの危機感を持っている方が将来楽しみである。危機感は大変だが、ご褒美が必ずあることを今は言いたい。

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