身体の寺子屋・真犯人シリーズ-「噛み合わせ」と「食いしばり」

仕事柄、顎関節異常の方には、「噛み合わせの問題ね」と言ってしまうが、患者からすると、「噛み合わせは問題なくて、食いしばっているだけです」と言われてしまう。
似た言葉だが、少し解説をしたい。
噛み合わせは「歯の並びや噛み合う位置の問題で、食事やしゃべるときに問題が起こり、歯医者で高さなどを調整し、バントという。」
食いしばりは「習慣や行動の問題で、ストレスや過緊張の時は持続的に筋肉が硬くなり、こめかみなどにも影響する。クレンチングという」

基本的に別のものだが、当院のブログを調べたら、「噛み合わせのネタが120本」「食いしばりのネタが4本」と圧倒的に「噛み合わせ」の話ばかりしている。当然噛み合わせのブログの中にも、「食いしばり」の話は出てくるが、では何が問題なのかというと、我々が一番気にしているのは、「首のゆがみ」である。
少し専門的になるが、顎関節症のことをTMJ(temporomandibular joint)と言い、どういう理由で首がゆがんでしまうのだろうか?

1.顎を動かす筋肉(咀嚼筋-そしゃくきん、特に咬筋-こうきん)は持続的に緊張すると、周辺の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)や広頸筋(こうけいきん)まで硬くなる。
2.下顎骨の位置がずれたり不安定になると、頭部全体の重み(約5〜6kg)のバランスが崩れ、頭を水平に保とうとして、首の付け根の筋肉(後頭下筋群)が常に硬くなる。
3.顎関節や咀嚼筋を支配するのは三叉神経で、その刺激は脳幹という所に伝わる。この場所は首の感覚を司る上部頸神経の情報が入る所と重なっている。そのため、顎関節の強い緊張信号が脳に入ると、脳が「首の筋肉も緊張させろ」という指令を出してしまい、首が硬くなる。

結局、「周辺の筋肉が硬くなったり、バランスを取ろうとした反応」「脳の中で顎から入る刺激と首から入る刺激が同じ場所による誤作動」である。

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