症例

突然腰が痛くなったと言われて

腰の手術をした方が定期的に通っている。数回の治療で大分良くなったが、先日突然腰が悪化たしたという。こういう場合まず、原因が明確(ゴルフをしたとか・・・)ならいいのだが、いくら本人に聞いてもわからないと言われる場合がある。こうなると色々と想像しなくてはならない。膵臓の問題?胃炎?圧迫骨折?腎結石?卵巣?虫垂炎?大動脈関係?と頭に浮かぶだけでも10個はある。特に年をとると圧迫骨折しても痛みを言わない方…

脳梗塞と身体の器

常連さんが脳梗塞を起こした。殆ど後遺症もなく良かったのだが、少しだけ気になる事がある。それは倒れる前と同じ生活に戻そうとすることである。倒れる前は元気に人の2-3倍も仕事をしていた人の場合、脳に一部分とはいえ損傷が起こると一気に何かをやり遂げるという力が発揮出来なくなる。そして持続力がなくなる。それを患者は、「倒れてから根がなくなった。昔みたいにやろうとするとすぐにだるくなってやる気がなくなってし…

子供の偏食

常連さんの子供が、偏食で困るという。話を聞いたら父親も昔そうだったみたいなので仕方ない部分はあるが、こういう話を聞く度に「母親は子供との知恵比べ」と感じてしまう。子供には嫌いな形や匂いがある。目玉焼きは食べられるが生卵はダメとか、生野菜はダメだが、ジュースやスープに煮込めば大丈夫とか、魚も生はダメだが、ふりかけにしたら大丈夫とか、子供には子供なりの理由がある。時々食欲が湧かない子がいるが、ある程度…

子供の発熱

常連さんの子供が38度越えの熱が出て医者に行ったら、「じゃ、カロナール(解熱剤)だけ出しておくから辛がれば飲ませて。」と軽くあしらわれたという。まず子供の体温だが基本的に高く、37.0℃ぐらいの子は沢山いる。基本的に発熱は平熱より1度上がれば発熱になるが、子供の場合は39℃程度でもちゃんと食べて出るものが出ていれば、基本的に問題はない。風邪なら4日ほどで落ちつくものである。昔うちの息子が4日以上発…

首の痛みと高血圧

常連さんが少し肉体的に過酷な仕事をした後に、疲れを解消しようとかなり熱めの風呂に入ったという。その後から首が痛くなり、来院された。少し気になったので血圧を測ったら、かなり高い。「これは身体が反乱を起こしたなぁ。」とすぐにわかったので、自律神経を鎮める治療をした。治療後、血圧を測って下がっていればいいのだが、殆ど変わっていない。しかし首の痛みは取れたという。この話を聞きながら、「これには危険が潜んで…

ブログランキング20位~24位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 20位 発汗について 21位 女性の免疫 22位 ぎっくり腰を最短で治す方法 23位 病気は仰山にしろ-我慢弱いこと 24位 誕生日日(たんじょうびび)の話 まず20位の「発汗について」は、20年近く前の冬のある寒い朝、仕事に入ったら身体が冷えていて上手く動かなかった。少し仕事をこなし、昼過ぎからは身体が動くようになったが、これは困ったと思った。翌朝から…

左腰がすねた

腰の手術をした方が後遺症で通っている。一時期より6割痛みが取れ、前回は右腰を痛がったので、鍼を打って低周波を流した。本日おみえになって、「前回の右腰はいいのだけれども今度は左腰が駄目。」と言うので、「左腰がすねましたね。」と言ったら、「どういう事?」と聞くので、「本当は両腰痛いのです。前回右だけやったので、左が『俺だって悪いのに、なんで右ばかり』とすねたのです。こういう事はよくあるので、今回は左に…

環境で変わる風邪の治り方

冬に2人が同時に風邪を引いたとする。1人は家に帰っても家がボロくて隙間風は入るし、暖房や風呂はない。室温は外気温と同じ。温かい食事は取れないし、布団は煎餅布団。もう1人は機密性の高い家で暖房がよく効いていて、風呂で汗はかくし、温かい食事と羽布団が用意されている。同じように風邪を引いても環境の違いで、治り方は全く違うと思う。結局、風邪の問題ではなく、環境論である。もちろん風邪に対しての治療は大事だが…

脳卒中のあとの顔面のシビレ

今日来た方は脳卒中の後、顔面のシビレが取れないという。話を聞くと倒れてからもう1年が経っていて、血をさらさらにする薬程度しか出ていないという。中々こういう顔面のシビレは病院は苦手である。では我々に何が出来るか思いつくままに書いてみたい。 EAT(Bスポット療法)-これは上咽頭という鼻の奥に炎症があると免疫は下がるし、体力は上がらず、ウィルスが暴れやすくなってしまうので、鼻の自覚症状がない方でも一度…

糖尿病持ちの股関節手術

常連さんが股関節の手術をすることになった。最近は技術の発達と共に、手術成績が格段にいい。昔みたいに入院期間は長くないし、翌日には歩行訓練が始まるし、傷口は小さいし、ずれて人工骨を入れることもない。術後リハビリをしない方もいるぐらいである。しかし患者に糖尿病があると少し話は変わる。血糖値が高ければ血管や感染症、心臓・腎臓などへの負担リスクなど、医者は色々と考えなくてはならない。患者心理として、「手術…

ブログランキング25位~29位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 25位 旅行に行くときの準備 26位 蝶形骨について 27位 考えるな、聞け 28位 痔と免疫 29位 アロエでポリープと便秘解消 まず25位の「旅行に行くときの準備」だが、常連さんには、「世界中の何処にしてもここに書いてある物を持っていれば安心。」と説明している。内容は胃腸関係、鎮痛剤、抗生剤、湿布や漢方薬、アイスノンにテーピング、虫刺され対策である。…

シンスプリントとダッシュ

トライアスロンにはまっている方が、「ダッシュ15秒を5回、週に一度」やっているという。数ヶ月前から何となくいつもと違う感覚が足にあり、最近は腰まで痛くなってきたという。話を聞いた途端、「身体はスイッチ論」を思い出した。例え15秒を5回、週に一度でも体は嫌がる。そんな時は大抵、シンスプリント(足の使いすぎでランニングやダッシュを過度に行った場合に起こる。脛の下、内側後方を中心に広い範囲で痛みが起こる…

アップルウォッチと甘い物の取りすぎ

常連さんがいつも食べすぎで胃炎を起こしている。胃炎はスタマックラインに反応が出て、太腿が硬くなるから簡単に腰痛の原因になる。特に甘い物が好きで、本人はそれを食べすぎと思っていないから中々改善しない。何かいい手はないかと考えたら、アップルウォッチに血糖値を測る機能がつけばいいと思った。今は心拍数などは測れるようだが、やがて血糖値も測れるようになるだろう。そうすればご飯を食べた後、ケーキを半分食べたと…

本当のことはわかっていないが近づいている

最近つくづく感じることは、「長年治療の世界にいても、実際痛みの原因に関しては本当のことがわかっていない。」ということだ。昔は骨がおかしくて関節が悪い、だから関節を良くする方法が大分行われたが、関節がかなり変形していても、痛みのない患者がいることは医療関係者なら皆知っている。そうなると関節の外に問題があるということになり、筋肉や神経という話になる。筋肉なら揉んだり薬を飲んだりストレッチをすればいいが…

半年後の夢を描く

膠原病で通っている人が、投薬で胃を壊し困っていた。今回新しく注射を打てば、投薬を減らせるという。本人は注射を打つのをためらっていたが、我々から診たら胃を守れることがどれだけ体調を良くするかわからない。以前ブログで「胃から崩れる」と書いたが、胃の悪い人の治療がどれだけ難しいかは身にしみている。注射は痛いかもしれないが、最近はいい針も出ているので、打っていただきたいと思う。そして胃が守れれば、足や膝、…

子供が風邪を引くとお父さんは走れない

常連さんのお子さんが少し前に風邪を引いて幼稚園を休んだという。お父さんは風邪の症状もなく、少し下痢をしただけだという。今日おみえになって、「この間、公園で走ったらハムストリングがつった。かなり痛かった。」と言う。「何かしましたか?左右差はありますか?」と聞いたら、「何も思い当たらないし、左右差はない」と言う。身体を調べたら、胃は硬いし腸の調子は今一で、完全に胃腸炎の反応である。特にハムストリングは…

ブレインフォグについて

新型コロナウィルスが少し下火になり、患者さんの中には感染して匂いや味覚がなくなった方や、ワクチン接種後に心臓が苦しくなった方など、色々と訴える方がいる。昨日来た方はワクチンを3回摂取してその後から集中力はなくなるし、まるで鬱病のようだと言って相談に来られた。話を聞いた途端、「ブレインフォグですね。頭が働かないでしょう。まるで鬱病みたいでしょう。」と言ったら、「そうだ。」という。ブレインフォグは聞き…

ブログランキング30位~34位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 30位 砂糖は麻薬 31位 季節の治療 32位 首の横が硬くなる理由 33位 病気ドミノ倒し 34位 足の爪治療 まず30位の「砂糖は麻薬」だが、麻薬という言い方をすると患者は、「そうですよね、甘い物はやめられないですものね・・・」と言う。こちらは本当に覚醒剤と同じで麻薬と言っているのだが、中々真意が伝わらない。甘い物の要求というのは何年やめていても、す…

関節・筋肉・ストレッチ

常連さんが地方に行って腰が辛かったので、検索して近くのスポーツマッサージの先生に診てもらったと言う。そうしたら、「骨盤が左にずれています。このままだと膝にも良くないし、股関節を柔軟にしておきます。坐骨神経もやっておきます。」と言われ、今まであまり受けたことのない治療だったせいか、とてもよく効いたと言う。「それはおそらく理学療法の先生です。身体を治す場合に考え方がいくつかあって、理学療法士は関節のこ…

病気と人格

これは以前読んだ本の中に、「二重人格の人は人格が変わるごとに身体が変わる。A人格が出た場合、何かアレルギーを持っていたとする。A人格は当然、アレルギー反応が出る。しかしB人格が出ると今度は同じ身体なのに、アレルギーが出ない。そしてまたA人格になると、アレルギー反応が出る。」と書かれていた。この話を読んで、「人の身体の中には、本当は病気を治す力があるのに、それが人格や性格、環境等によって、体質が変わ…