症例

人の悪口

大分前、恩師に、「他人に関しては良いことのみを言い、自分に関しては駄目なところだけ言いなさい。」と指導を頂いた。やすきよ漫才のマネージャーで木村正雄さんも、「東京の笑いは『お前バカだなぁ。』と言うが、大阪は違う。『お前、アホやなぁ。わしはもっとアホや。』と言う。大阪の笑いの方が上。」と言っていた。何年か前に本田宗一郎先生が、新しい社長の就任挨拶で、「ここまで会社が大きくなるとは夢にも思わなかった。…

15年ぶりに出たゴルフマニアの腰痛

以前、ゴルフに関しては負担のかかるところは皆同じと書いた。今日来た常連さんは長い間ゴルフを続けていたが、明確なゴルフ疲れが出ていなかった。しかし今日の身体は明確にゴルフ疲れである。何が変わったのか聞いたら、「今までは週に1回打ちっぱなし、レッスンが1回、コースが1回だったが、新型コロナウィルスの影響で打ちっぱなしを2回にした。」という。今まで何年やってもゴルフの影響は少ないと考えていたが、おそらく…

胃腸で食べる

タイトルが当たり前のような感じだが、言いたいことは、「目で見て食べたいと思う物を食べない。」ということを言いたい。美味しそうに見えて食べたらお腹を壊した経験は誰もあると思うが、それは「目と脳」で食べている。食べたいと思ったから食べているわけである。食べて体調を壊せば、「こんな事になるとは思わなかった。」と言うだろう。ではどうやって胃腸で食べるかであるが、実はこれは前もって予測できないところにジレン…

仕事が辛くなるとき

今まで何度かシステムエンジニアの話をしてきた。突然起こるシステムの故障に心が持たなくなり、体を壊す。何人かは転職させたが、システムエンジニアを続けている方も当然いる。何が違うのか考えてみたら、「取り組み方」ではないかと気がついた。体を壊してしまった方達は、「こんな事が起こるとは思わなかった。」と言うし、壊していない方達は、「これは起こると思っていた。」と言う。この違いは大きい。何か問題が起こると思…

本丸以外の症状が出たら喜べ

酷い首肩の症状で通っている方が、ようやく辛さが半分になったら、「今日は腰が辛い。」と言う。仕事柄思わず喜んでしまったら、怪訝な顔をしていた。これはよくある事で、本丸が楽になったから他の症状を感じるようになったので、本来は喜ぶべき事である。しかし患者にしてみると、「人が、腰が痛いと言っているのに、喜んでいる。」と不信感をかったのであろう。治療で一番いいのは自然治癒である。辛かったけど自然に治ったとい…

自宅こそ中敷きが必要

足のバランスが悪い方はよく腰痛を起こすが、中敷きで改善するケースは多い。以前から、「アルカ」「フィートイン」を紹介しているが、殆ど方は外履き用の中敷きしか作らない。しかし自宅で長い時間を過ごす方は自宅でこそ中敷きを使って頂きたい。考え方としては本来足のバランスが悪いわけだから、「立ったら中敷き」と思って頂きたい。通勤時だけ歩くがあとは会社で座り続ける方などは効果は薄い。自宅が和式で畳だと中敷き入り…

胃カメラ体験記

今までは区民検診で時々胃のバリウム検査をやっていたが、最近はバリウムを飲んだあとで宇宙遊泳させられたり、発泡剤を飲んだ後にゲップを我慢してくださいと言われ、「はい。」と返事をした途端ゲップをしてしまい、それを2回やったらレントゲン技師に凄い嫌な顔をされたりで、これからは胃カメラに変えようと思った。 近医で上手な先生に電話をしたら、「新型コロナウィルスの影響で今はダメ。あとにして。」と言われ、そのま…

政治家と起業家は胃腸が生命線

昔代議士の先生を治療していたときに、「最近やけに身体の反応が悪い。治療してもまったく身体が反応しない。このままでは政治家を続けられないのではないだろうか?」と感じ、次の選挙を見ていたら立候補すらしなかった。身体が持たなかったのであろう。ではこの身体だが何が大事かというと、「胃腸機能」である。年を取っても健啖家はいるが胃弱の健啖家などは聞いたことがない。常連さんが数社、社外取締役になった途端、外食続…

アトピー性皮膚炎が治ると太る話

今日来たアトピー性皮膚炎患者は2年ぶりである。肘や膝の裏など定番のところの皮膚炎で、乳酸菌だけ指導してどうなったか聞いたら、完治したという。10年に1人ぐらいはこういう簡単に治る患者が来る。我々のイメージだと、「EAT(Bスポット療法)」「フードチェック」「首のゆがみ」「生活環境調査」「歯周病」「顎関節症」など色々と手を尽くして何とか治る感覚なのでこんなにあっさり治ってしまうとこちらが拍子抜けして…

発汗について

最近急激に冷えたせいで、坐骨神経痛や腰痛、不眠症を訴える患者さんが増えた。話を聞くと、「気温が下がったのは分かっているのだが、少し厚着をして乗りきろうと思った。ホカロンも貼っている。」と言う方が多い。身体を診ると完全に血行不良で厚着やホカロンでは全く対応出来ていない。ではどうするかである。「発汗」しかない。風呂で下半身か胸まで入り(心臓が苦しくなければ全身浴)、おでこに軽く汗がにじむまで温める。こ…

噛み合わせについて

噛み合わせについては以前から書いているが、最近噛み合わせ専門の先生の指導を頂き、今まで以上に噛み合わせについて学ぶ機会を得たので少し話をしたい。 たまたま所属するいくつかの学会の中に歯科の先生がいるので、歯科医の友達は多い。 色々と話を聞く中で、「顎位 がくい」「咬合 こうごう」「補綴 ほてつ」などの言葉も段々覚えて、自分が抱えている患者の相談にはよくのってもらう。 15年程前からすこし難しい患者…

足のシビレを喘息治療で治す話

今日来た方は足がシビれるという。話を聞くと腰痛や坐骨神経痛があるが辛い場所が動くという。こういう場合は本格的な腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性は低いので、ヘルペスウィルスなどが身体のあちこちを動き回っていると考えている。例えば左足に症状がある場合、そこを治療すると右側に痛みが移動したりする。痛みが身体の中を駆け回る。では何故このヘルペスが動き回るかであるが、それは「粘膜」に問題があるからで…

どうにもならない眠気が出てきた

骨折の後遺症でリハで通っている方が、「最近どうにもならないほど眠気が出ている。」と言うので、「それは良かった。本格的に身体が元に戻ろうとしています。酷いときは身体は中々本音を言えません。だから回復しているときに本音を言うのです。友達が何かですごく落ち込んでいる時に色々と問題点を言いますか?少し元気になってからいうでしょう。それと同じでようやく身体か満たしてもらいたいことを言い始めたのです。だからそ…

筋肉が衰えてしまうという恐怖心

股関節症と脊柱管狭窄症で通っている常連さんが前回より、腰の調子が良い。何をしたのか話を聞くと、「山登りをやめたことと最近は階段とエレベーターがあると、必ずエレベーターを使うようにしている。前は意地でも階段だったが、今は変えた。ストレッチもしている。」と言う。ある程度の年齢になると特に男性は、「筋肉が衰えてしまうかもしれない」という恐怖心を持っている。これは男性特有である。何故女性はそう考えないかと…

ゴルフで負担のかかるところはどなたも同じ

最近ゴルフで腰を痛める方が増えている。新型コロナウィルスの引きこもり生活に疲れたのか、ゴルフを楽しむ方が増えたのであろう。長年ゴルフで身体を痛めた方ばかり診て来たので、やろうという気持ちは全く起こらないが、どなたを見ても症状が同じなので少し解説したい。 左肩-これはスイングであろう。飛ばすために肩関節を使う。 左腰痛-これはスイングの時に捻るのであろう。 左の殿部-これは左脚荷重にして股関節が耐え…

身体の通訳者

長年仕事をしていると筋肉君の声がよく聞こえてくる。最近頚の辛さで通っている方は、相当色々な治療をしたがうまくいかずに紹介で来た。身体は細身で今まで色々な事をやってダメなのだから、頚のみを治療しても効果はないことは分かっていたので、「前腕のこり」「噛み合わせ」「胸骨のゆがみ」の問題だろうと当たりをつけた。早速腕から治療してみると、相当のストレスがかかっている。仕事なのだろうが数年にわたり、なんとも耐…

兎に角絞り出せ

高校の初めての生物の授業の時に先生が、「今から兎に角頭を使う。何が何でも動物の名前を絞り出せ。」と言われ、最低30種類ぐらいは書きだした。 「牛、馬、ライオン、キリン、カバ、アルパカ、羊・・・。」 この辺で行き詰まるが、出せと言われて頭を捻っていると 「テン、サソリ、カブトムシ・・・、ゴキブリ・・・・・・・・蜂、ムカデ・・・。」 と終いには昆虫まで出てくる始末である。 しかしそれでも出せと言われる…

時にははったりも大事

大分昔、田舎で頭の良い女性が進学校の受験の時に途中まで答案用紙を書いていたら後ろの方から、「全部かけた。満点。」という声がして、すっかり動揺して学校に落ちてしまった。実力的には楽には入れるところだったが、本番で実力を発揮できないとこういう事も起こる。今日来た高校の柔道部の子は明日久しぶりの試合だという。まあまあの勝算はあるらしいが、「もし色々な学校が集まる中、誰かが『コロナのおかげでこんなに稽古し…

君には神様はついているか?

先日頸の大手術を予定していた人が担当医から、「君には神様はついているか?」と聞かれ、「はい、何時も感謝しています。しっかりついていると思います。」と答えたら、「じゃやってあげる。大丈夫だ。」と言ったという。実はこの医者の気持ちは私は痛いほどよくわかる。当然手術はいろいろな危険を伴い、何が起こるかわからない。成功したつもりであっても症状が改善しないことはよくある。患者から苦情を言われても、「手術は成…

痩せれば膝が治るという幻想

少し太めの方が膝痛を訴えて医者に行くと話もろくに聞かないで、「あなたはまず痩せなさい。痩せないと治らない。」と言われ、頑張って痩せても治らないと途端に患者は怒り出す。「こんなに頑張って痩せたのに膝の痛みがなくならないではないか。」仕事柄リハビリをやっているとそういう苦情はよくこちらの耳にも入る。我々から診るともちろん減量は大事だが、それだけで良くなることはない。膝の関節の中の状態、周辺の筋力の状態…