症例

ひょんな事からツボに入る

仕事柄、首が辛いと訴えてくる方は多い。こちらは長年の経験があるのであの手この手とツボにいかに的確に刺激を入れるかを考える。しかし場合によっては患者が、「ほんのずれている。」と言われることがある。こちらもムキになって、「どうですか?今度はどうですか?」とやるが、患者は「・・・・?」となってしまう。そんな事を続けていると疲れるので、時々治療している手を左手から右手に変えるときがある。変えた途端、「それ…

病状が変化しないのは良いこと?

先日病院研修をしていたら、肺がんの疑いのある方が、「ここ何年もCTで肺を調べて影が変化しないのです。他の先生は『変化しないから大丈夫。』と言ってくれて安心しています。」と言ったら、師匠が「それは違う。本当にがんでなくて肺の炎症性ならもっと薄くなって消えるているはず。何年もそのまま残っているというのはがんを疑わざるを得ない。呼吸器の専門の先生も『肺がんの可能性を否定できない』と診断されている。だから…

肩こり、冷え性と胃下垂

久しぶりに来た若い女性が、肩こりと冷え性で、「原因は何ですか?」という。身体を診てもさして異常がないし、肩こりは数年来で慢性化している。こちらも原因を聞かれて困ってしまってお腹はどうかと調べてみたら、胃のあるはずの位置に胃がない。こういう場合は胃下垂なので、おへそを触ったら胃があった。「これは慢性胃下垂で、一辺に食べられないでしょう。食べると調子が悪いでしょう。」と聞いたら、「そうです。」と言う。…

取り敢えず何をすれば健康になれますか?

久しぶりに来た若い方からのいきなりの質問で、「取り敢えず何をすれば健康になれますか?」と聞かれたので、「粗食と笑い」と答えた。この仕事をしていると、身体が壊れる大きな原因の一つは間違いなく胃腸障害である。胃腸がダメだと免疫が下がり、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、しいては鬱病まで行ってしまう。そして笑いは免疫をあげる万能治療である。仕事柄、患者さんを見ていて治りにくい方は暗い。作り笑顔だけでも…

鍋を食べてぎっくり腰再発

2週間ほど前にぎっくり腰をやった方が、また再発したという。話を聞くと、前回は腰がギクッとなったが今回はじわじわ痛くなってきたという。この時期、悪化の原因は殆ど胃炎なので話を聞いたら、「前回の治療で腰が治り、人も集まりだして鍋を食べ過ぎた。昨晩犬の散歩で痛くなったから冷えかと思っていた。」と言う。ぎっくり腰が治ってうれしさもあったのだろう。ついつい食べすぎたという。前回は足の左右差で痛くなったが、今…

台所の床を下げた話

何年か前に結婚したばかりの嫁が義理の両親と同居して腰を痛めた。理由を聞いたら、「姑は身長が150cm、私は170cm、前屈みの姿勢の連続ですっかり痛めてしまいました。」と言う。これは仕方がないと思う。その後、息子夫婦が新居を建てたので問題は解決したが、以前聞いた話で凄い方がいた。問題は全く同じなのだが、床を昇降式にしたという。姑が使うときは床は他の所と同じ高さで、背の高い嫁が使うときは20cm床が…

病気になったときの心構え-免疫学者は何をする?

代替医療のホリスティック医学で有名な帯津良一先生は免疫学者の安保徹先生と風邪について話をされていた時、帯津先生はすぐに葛根湯を服用して、症状がはっきりする前に対処して危ないという予感が大事だと言われたのに対して、安保先生は「私は、風邪をひいたら、『ここのところ、忙しすぎたから、少し身体を休めなさい』という天の配剤だと思って、2~3日ゆっくり寝ることにしています」と答えたという。 「天の配剤」は少し…

患者の運

これは古い話だが、病院勤務時代に毎週水曜日に東大から外科の佐々木先生が来ていた。アメリカで勉強していて当時、「1mmの血管も縫って繋ぐ。」と豪語していた。ある水曜日の夜、肩を大型工具で切ってしまった患者が運ばれてきた。その患者が先生の顔を見るなり、「あ、佐々木先生、あの時はお世話になりました。」「あ、あなたでしたか。今日はどうしました。」「肩を切ってしまって血が止まらないのです。」「わかりました診…

減量のコツ-2

常連さんが単身赴任していて、さぞかし外食で太るかと思ったら、来る度毎に痩せている。どうやっているのか聞いたら、「外食は殆どしない。自炊もしている。しかし一番きついのは毎朝と晩、体重計の写メを家内に送っている。これがきつい。朝ならおしっこをした後でないと写メしないし、風呂で汗を一杯かいたあとに測りたい。気持ち的にはひげそりのあとに写メしたいと思ってしまう。たった100gの増加が気になる。これで確実痩…

生き方の選択

長年この仕事をしていると、人生の先輩からいいお話を伺うことが多い。お金に関して覚えている話は、「誰かが近寄ってきて、『ちょっと話が・・・。』と言って来たら、殆どはお金の話。話を全部聞いたら断りにくいので、『ちょっと・・・。』と言われた段階で、『金ならないからね。』と最初に言ってしまえば相手は言いにくくなる。これはコツ。」と教えて戴いた。またある銀行の頭取を治療している先生から聞いた話だが、「どうし…

骨折後、頑張って鍛えたらぎっくり腰

常連さんが久しぶりに酷いぎっくり腰をやった。話を聞いたら、2-3ヶ月の間に2回も左足の指を折ったという。普通は左足に負担をかけず右足荷重になるので右足の問題を解決すると、ぎっくり腰は良くなるのだが、今回は折った方の左足の筋肉痛が酷い。何をやったの聞いたら、「骨折のあと自分の左足を見たら痩せていた。これはいけないと思い、どんどん歩行などやった。休むことなく頑張った。」と言う。これは逆効果である。左足…

即答力

常連さんが忙しく仕事をしている中、社長から、「今度私の仕事を少し手伝って欲しい。」と言われたという。私は気になって、「何と答えたの?」と聞いたら、「今考えています。」と言う。私から見たらいい話なのですぐに、「はい。」と言えば良かったのにと思ってしまう。これは以前聞いた話だが、帝国ホテルの村上総料理長は修業時代上司から、「今度君、外国に行ってくれないか?」と言われ即答で、「わかりました。」と答えたと…

ロキソニンとリリカ

腰痛の患者さんにはよく、ロキソニンとリリカが処方される。ロキソニンは消炎剤、リリカは神経性疼痛をやわらげる。作用は似ているが、少し違う。先日も常連さんが2週間ほど腰痛で悩み、治療したが殆ど効果がなく、整形外科でロキソニンとリリカを処方されたら、1週間で効きはじめ、10日目には殆ど痛みが取れたという。まずはやれやれなのだが、こういう場合はどっちが効いたのか分からないので、出来れば別々に飲んでもらいた…

人が見向きもしない所に新しい治療の答えがある

最近は超音波診断装置を使って身体の中を見ながら鍼を打つことがある。 何年か前にテレビで筋膜リリース(ファシアリリース)が話題になり、自分の五十肩を治してもらったり、勉強していくうちに日本整形内科学研究会のセミナーに出るようになった。 この学会で感じることは、「今まであまり人が見向きもしなかったところに答えがある」という事である。 昔解剖を学んでいたときは早く、血管や神経、筋肉を見たいものだから、皮…

お通じがあれば腸は大丈夫か?

ライオンタイプの常連さんが珍しく腰が辛いという。試しにハーフマラソンで身体を動かしたが、良くならないという。下半身を診ると骨格、筋肉には何の問題もない。背中を診たら、「甘い物取りすぎ」「刺激物の摂取」「座り疲れ」と書いてあった。今、どんな生活をしているのか聞いたら、「頼まれた仕事で会議ばかり、移動は車、会食も多い。」と言う。これでは身体は持たない。こういう場合は内蔵の機能低下なので、「お腹の調子は…

削れる心と汚れる心

これはITの社長に昔聞いた話したが、会社を上場するまでにトラック数台分の書類を作ったという。毎晩深夜まで作業をしながら、「心が削られる」とよく言っていた。その社長から「休むことを仕事とせよ」と教わり、その後多くの方に伝えてきた。その後会社が大きくなると問題が高度化・複雑化して、判断に困るようになった。外部との関わりも増え、判断基準を何処に置くかという話を聞いた。そんな時、「心が汚れる」と言っていた…

ダマールについて

最近は色々なメーカーが薄くて暖かい下着を出している。便利には違いないが、物によっては皮膚炎を起こしたり、電磁波に対して過敏になったとすることがある。そんな時はやはり昔ながらの素材が良い。私がよく勧めているのは「ダマール https://damart-online.jp/」である。これは以前、年配の方が冬ゴルフをして風邪をひいたことがきっかけとなった。「ゴルフで汗はかくし、寒いのは困る。綿だと下着が…

年2回のぎっくり腰と辛いもの

今日紹介できた方は24才で年に2度ほど、ぎっくり腰をするという。MRIでヘルニアを指摘されたので、仕方がない部分はあるが、身体を診たら「胃炎の歴史が8年」と書いてある。胃酸過多もあり、骨格からパパコピーがわかった。「あなたはパパコピーでしょう。お父さんは太っている?」と聞いたら、「80kg」と言う。このままではお父さんと同じ運命になることは間違いない。そして背中を診たら、「甘い物取りすぎ」と「刺激…

パッチワークと咳-2

年配の常連さんの肩を診ていて、「今はそうでもないでしょうが、昔は休むことなく手を使ったでしょう。その痕跡が残っています。」と言ったら、「主人を亡くした後で、気を紛らわせようとパッチワークにはまりました。ベッドカバーを沢山作りました。」と言う。手を使いすぎて肩こりだけで済めば良いのだが、実は肋骨を歪ませて胸の前面にゆがみを作ってしまう。これは呼吸器の反応点なので、喉が弱かったり、咳が出たら止まりにく…

胃から崩れる

仕事柄芸能人の方が何人か来ている。 よくテレビで「あの人は今」という番組をやっているが、久しぶりに見ると大抵太って昔の面影がない。 間違いなく食べすぎである。 芸能人に限らず、身体は殆どが胃から崩れる。 暴飲暴食で満腹になるまで食べ、美味しいものを追いかけ、毎晩宴会などという方は多い。 特にお笑いの世界だと夜の宴会でおごったりして、人間関係を作るという。 週に5-6日は宴会という方は多い。 そうい…