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一つ病気をしたら他にも何かあると疑え

これは経験的に言えることだが、例えば乳がんの手術をしたとする。 そうすると必ず他にも何か異常がある。 例えば子宮や卵巣など婦人科の問題、鼻炎、喉、食生活、生き方・・・。 当院では検査で引っかかったり、手術をした後は必ず他もちゃんと調べるように指導をしている。 がんにしても食生活や過度のストレス、過酷な生き方なとがかかわっていれば、どこか一ヶ所の問題だけでは済まない。 たまたま手術で取ったところは一…

顔の皮膚炎について

常連さんが顔の皮膚炎が治らないという。軽いステロイドを2-3種類試したがまた赤くなるという。こういう場合はまず、口の中か鼻炎を疑うし、紫外線や膠原病なども考えなければならない。口の中では歯周病や歯の詰め物の問題、鼻炎は上咽頭や咽頭扁桃などを疑う。そんな話をしていたら、「以前、古い建物に入ると鼻がおかしくなったり、自宅で掃除をするときも顔がかゆくなる。」と初めて聞いた。それならカビやハウスダストの問…

予防接種・ワクチンについて

当院は比較的、新米ママが多いので以前から「予防接種・ワクチン」の話題はよく出ていて、下記のような話しがよく出ていました。 「本当に予防接種って受けないといけないの?色々と問題あるし・・・。」 「予防接種を受けていなかったら幼稚園で白い目で見られた。」 「子宮頚がんワクチンは義務じゃなくなったけどどうして?」 「今日本に、はしかとか日本脳炎いる?」 「インフルエンザは受けると軽く済む?」 「『定期接…

赤ちゃんの発熱について

新米ママで赤ちゃんが初めて発熱したという。40.7度と言うから親は焦ってしまう。すぐに病院に連れて行こうと思ったら日曜日で、仕方なく救急に連れて行ったら医者から、「あ、手足口病ね。治す薬はありません。どうしてもというのなら薬は出しますがどうしますか?」と言われたという。子育てを何人かしていれば多少の子供の発熱は慣れているから、あまり動揺しないが、初めてだと動揺の様子が手に取るようにわかる。我々なら…

我慢できない患者と医者の思い込み

常連さんがここ3週間、咳が止まらないという。近くの耳鼻咽喉科で、「少しゆっくり治しましょう。」と言われ、治療を受けたが1週間経ってあまり良くならないので行ったことのない内科に変えたという。内科では若い先生で、「喘息かも知れませんね。」と息を吐く簡単な検査をして、喘息の処方をして様子をみましょうと言うことになった。2週間の処方で咳が半分ぐらいになったものの、最近は喘息発作のために出された吸い込むシュ…

昔からの薬-ういろう

昔からある薬は他の薬とキャンセルしにくいという記事は以前に書いた。患者さんに話をしながら一つ忘れていたものがあった。それは「ういろう-正式名は透頂香(とうちんこう)」である。これは仁丹みたいなもので名古屋の名産とは違う。元々ういろうは中国の王が被る冠の匂い消しに使われていたと言われ、日本に伝来した後は外郎家が代々その製造に従事する事になったという。銀粒で麝香(ジャコウ)や薬用人参、龍脳(りゅうのう…

老人性掻痒(そうよう)症

何となく難しそうな言葉だが「掻痒 そうよう」とは痒いということである。今日紹介で来た方は蕁麻疹が治らず、痒くて仕方がないという。近くの皮膚科の薬も効かず、健康食品や塗り薬をどうしたら良いかという。まず過去の薬を見ると、高血圧、心臓不整脈、糖尿病、前立腺肥大症、呼吸器疾患に不眠症と色々ある。投薬を一つずつ聞いていったら、去年の春はひどい咳で2ヶ月ほど苦しみ主治医ではない先生に漢方薬を出してもらったと…

複雑にした右肩痛

常連さんがインフルエンザにかかり、咳が止まらず困ったが、少し楽になってきたという。右肩を診るとガチガチで殆どほぐれない。そして最近マラソンをしているという。脛を診ると異常に硬いので、「月に100kmぐらい走っているのでは?」と聞いたらそうだという。あまりに脛が硬いのでこれは少しやり過ぎで、毎日寒い中大変だと思ったら、ジムに行ってトレッドミルというランニングマシンで走っているという。このトレッドミル…

後鼻漏について

後鼻漏の患者さんは多い。詳細は下記を見て頂くとして、何が問題か少し書いて子みたい。 https://www.ginzaclinic.com/s-koubirou/ まず慢性的に咳をしている。喉が絡む感じで派手な咳ではないが、いつも喉の調子が悪そうである。次に慢性的に喉の違和感を訴えてくる。風邪を引きやすかったり、酷くなると肺炎まで出てくる。次にいつも鼻水を飲み込んでいるので食道や胃腸炎を訴えてくる…

葛根湯医者

江戸時代の古典落語に「葛根湯医者」という話がある。 「お前さんはどこが悪いんだ?」 「先生、どうも、頭が痛くてしょうがねぇんですがねぇ。」 「んー、頭痛だなぁ、そりゃ。  葛根湯、やるから、飲んでごらんよ。」 「先生、あっしは、目が悪くってねぇ。」 「ん、そりゃ、いけないなぁ。  目は眼(まなこ)といってなぁ、一番、肝心なところだぞぉ。  葛根湯やるから、せいぜい、お飲み。  その隣の方は?」 「…

喘息と腰痛

今日来た方は喘息の後の腰痛だった。話を聞きながら、どうもおかしな事を言う。まず今まで腰が痛くなったことがない、お腹の調子と腰痛が連動している、喘息の治療の後から腰が痛くなった、便秘がある、何となく食後ムカムカする、坐っていると腰は痛いが歩くと何ともない。この問診をしただけで、喘息の時に抗生剤を咳を止めるために飲んで胃炎になり、その胃炎が続いているのでは?と当たりがついた。身体を診てまず大腿四頭筋が…

局所環境論

肩でも腰でも何処が痛くなるかで明確に原因が違う。 腕の使いすぎで肩甲骨の内側、心臓の反応で左の肩甲骨の下、喘息は首の後ろ、寝違いは喘息と同じ場所だが範囲が広い。 腰も甘い物取りすぎで左の腰の上、刺激物の摂取で右の腰の上、ぎっくり腰は腰の下で真ん中、坐骨神経痛はどちらか一側、腸は腰骨の上で左側。 一般的に肩首腰痛と言っても、身体はその原因の違いを明確に表している。 それを正確に読み解くのが仕事だが、…

胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み)

肩や首の治療をしているとなかなか良くならない方の中に、胸骨のゆがみを見つけることがある。胸骨とは胸の前面(胸の真ん中)の骨で肋骨と少し不安定な関節を形成していて、ちょっとのことでゆがみやすい構造をしている。そこに肋間神経がかかわっているものだから、ゆがむと鋭い痛みを出す。少し触っただけでも飛び上がるほどである。治療法はすこし叩く程度で改善するのだが、こじらせると咳が長引いたり、手のシビレが良くなら…

「1度治める」という考え方

常連さんの胃が市販薬や灸をやっても今いち治らない。少し長引いたので消化器の先生に胃薬を出してもらった。処方を見て、「これなら治まる。」と思い、今日患者さんが来たので聞いてみた。 「治ったでしょう?」 「いえ、まだダメなんです。」 「あの処方効くはずだけど・・・。」 「ガスター飲んだら楽になったので、先生の薬飲んでいないんです。」 「え、そうなの。」 患者さんにしてみると色々と薬を飲み過ぎるのはよく…

どうしてすぐに鍼を打たないのですか?

鬱病の方に、「ここは鍼灸院なのにどうしてすぐに鍼を打たないのですか?」と聞かれた。これには少し理由があって、長年の経験でどんな症状の方もいきなり鍼をやって効く方と効かない方がいる。昔は理由がわからなかったが、段々調べていくうちに患者さんの環境の違いでそういうことが起こるとわかった。例えば風邪で咳き込んでいる患者さんに鍼をやって効かなかったとする。その方がご自宅でどういう生活をしているかはわからない…

医者の処方の腹づもり

通っている女優さんに喘息の反応が出ていたので、「いつもの先生に喉を診てもらいなさい。」と言った。内視鏡の結果はやはり声帯に少し炎症があって、吸入(副腎皮質入り)と咳止め、去痰剤が出されたという。我々から見るとちゃんと吸入だけやってくれれば治ると思うのに、咳止めと去痰剤だけ真面目に飲んで吸入は殆どやらなかったという。これでは何にもならない。今日来てまったく喘息の反応が良くなっていないので聞いたら、そ…

薬はどれくらい様子を見たら良いのですか?

よく、「漢方薬は効きが穏やかで結果が出るまでに時間がかかる。」と言われるが、我々はそんな感覚を持っていない。長い歴史の中で結果が出たものだけ残っているのが本当に話で、風邪の初期に葛根湯を飲めばカーッと熱くなり風邪が抜けてしまったり、咳や鼻水の時に小青龍湯を飲めば咳や鼻水が止まったり、足の浮腫の時に五苓散を飲めばおしっこで水分が出てスッキリしたり、関節が痛いときに疎経活血湯を飲めばすぐに効いたりと即…

医者の治ると患者の治る

長年この世界にいると医者と患者のずれを毎回感じる。 例えば風邪一つ取っても、医者の言う治るは症状がなくなることである。 咳や喉の痛み、発熱、鼻水など止まれば治癒である。 そのために症状を抑える薬を出す。 風邪はウィルスだから本来は治す薬など世界のどこにもないのだが、菌も混合感染といって起こしているので、その菌だけは抗生剤で抑えられるから症状が軽くなり、良くなったと感じる。 患者は風邪を引きにくくし…

減量と副鼻腔炎

減量中の常連さんが、腸炎に続き、副鼻腔炎をやったという。副鼻腔炎は昔で言う蓄膿症だが、これがあると咳が治らない。ひどい咳ではないが、少し喉を鳴らす程度の状況が続く。話を聞いたら「左副鼻腔炎」だと言う。鼻には鼻中隔と言って真ん中で左右を隔てているものがある。そのが偏っているのか、過去に中耳炎などをやったのか顎関節が悪いのか、歯茎に問題があるのかは調べてもらわないとわからないが、結構一側性というのはあ…

自力回復出来た事を喜ぶ

若い頃に仕事をバリバリこなした方でも年を取れば、中々昔のように身体は動かない。 しかし中には若い頃と比べても、そんなに遜色なく仕事が出来ると豪語している元気な方がいるが、我々から見ると大事なのは出来たことではなく、仕事の後身体がどうなるかである。 特にライオンタイプの方は出来た話ばかりで、自分の身体を見つめるという習慣がない。 時々限界を超えると身体は口内炎や咳、肋間神経痛、胸の苦しさなどのサイン…