ヒアルロン酸注射について

膝痛の人がよく整形外科で、ヒアルロン酸注射を打っている。ヒアルロン酸は粘性が高く関節内に注射をするのだが、ヒアルロン酸自体に「関節の動きをよくする」「炎症を鎮める」「軟骨を保護する」という作用がある。患者を診ていて何となく打っている方の方が膝痛の調子がいいように感じるが、おそらくそれには理由があると思う。ヒアルロン酸の作用だけでなく、まず注射を打つために病院に行く。余り膝が痛いとヒアルロン酸の効果がなくなると困るから無理はしなくなる。注射後も効果が気になり膝を意識する。医者では大体5回ぐらい打つから、その間は膝痛のことを考える。「ここで過食して体重が増えると膝に悪いから少し食事を控えよう」「最近少し調子が悪いからエレベーターを使おう」「膝が痛い時は注射も痛いから、今日は少し安静にしておこう」となる。医者の診察時に、「少し熱があるので冷湿布を出します。負担をかけないで下さい。」と言われれば、少し気をつける。注射に通うだけで色々と考えることが増える。これがかなりいいのではないかと思っている。減量もうまくいく方は体重や食事のことを相当意識している。我々の所に通うだけでもダメ出しされる。「少し胃炎です。食べすぎ?」「首のゆがみがあります。鼻炎?噛み合わせ?イライラ?」などと言われる。注射の成分より意識や小言が効いているのではないかと最近は思っている。

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