症例

痔の管理

以前から「痔と免疫」の話は書いている。痔があると免疫が上がらない。身体の中には2人いて、「本人の気持ち」と「身体の本音」で「身体の本音」が痔を許さない。痔は出血すれば外部から菌などが入りやすくなる。基本的に人の身体は密閉されていて、穴の開いた所(口、鼻、耳、肛門など)は外敵から身体を守る仕組みがある。そこが壊れれば簡単に感染が起こる。感染が起これば免疫は下がる。特に便が硬ければ肛門通過時に切れ痔が…

開脚を練習して

踊りをやっている人が、開脚を練習し過ぎて内転筋を痛めた。我々から診るとこの内転筋の炎症はちゃんと処置しないといつもでも痛みが長引く。治療法もただ冷やしたり暖めたりしただけでは殆ど効果がなく、素人がマッサージをするのは危険である。普段の生活で内転筋はそんなに使わないし、踊りの患者以外で来る方は殆どがスクワットのやり過ぎである。以前よりクスワットはお薦めしていない。お薦めしているのは「四股」だけである…

原因不明の病気に関して

仕事柄、患者さんが「あなたの病気の原因は不明です」と医者に言われたという声をよく聞く。 病気は出ている症状と原因が別のことがよくある。 時間が経てば経つほど新たな病気が出てきて、原因追求が段々大変な時代になってきている。 特に皮膚科、婦人科、心療内科などではよく起こる。 それだけ病態を把握するのが難しいという事だ。 我々が扱う整形領域でもそれはよく起こる。 理想的には的確な診断と治療法が確定して、…

完治させるコツ

頚椎椎間板ヘルニアで通っている方がほぼ良くなった。本人に聞いたら、95点だという。しかし以前ブログで、「残り5%の痛みを取るのは至難の業」と書いた。1番きついのは「痛みが後1.5%残っています」と言われることである。病院などでは3~6ヶ月ぐらいでこのくらい痛みが取れれば、この後あまり痛みが変化しない事を知っているから、「症状固定」と言って完治扱いする。しかし患者の中には完治にこだわる方も時々いる。…

身体は形が大事

長年治療をしていると「臓器の形」がとても気になる。腎臓や肺、肝臓なども形が大事で変形していれば、奇形や腫瘍、がんを疑う。1番わかりやすい話は「耳」で先天的に耳のない患者の「耳介形成術」はその形によって聞こえる能力が天と地ほど違うという。音を拾って増幅するのは形で決まってしまう。高名な先生に手術を頼むと数百万から数千万円という話を聞く。患者が子供の場合、その子の人生にも関わる話なので親にとっては高額…

身体が無抵抗

常連さんが激務で今まで何度かヘルペスをやっている。そんな状態が続くと突発性難聴や心臓が苦しくなったり、やっかいなことがあるので、出来るだけ無理をしないように指導している。前回診た時に珍しく下半身にこりがあったが、酷くなかったので気にも留めなかった。しかし今日診たらこりがなくなっている。よく言えば下半身のこりがなくなったわけだが、ほぐれたわけではなくふぬけになってしまった。これは「身体が無抵抗」にな…

鞭打ちと噛み合わせ

常連さんが追突事故に遭った。幸い軽症だがやはり治療は必要で首に鍼を打っている。鞭打ちをやるとその反応は腕に出る事を以前に書いた。これは病院勤務時代に見つけたものだが、非常に正確に首の反応を表している。首の筋肉も当然硬くなるが一つ気になる場所がある。それは噛み合わせの反応点である。比較的首の上に噛み合わせの反応点はあるのだが、鞭打ちでその筋肉を痛めると嚙むことがうまく出来ない。嚙むと首の痛みが誘発さ…

悪化した時の対処が大事

股関節で通っている方が調子がよかったので、少し無理をしたら痛みが出たという。今までの筋トレも出来ないし、薬も効きにくいという。これはよくある話だが、実はこういうときの対処法が大事である。本人は、「痛みの出る動きは止めて筋トレの時間を短くして、辛ければ薬を増やす」と言っているが、我々から診ると、「痛くない筋トレの時間を増やして、患部の痛みがよくなった時には今まで以上の良い環境を整えておいてもらいたい…

飛蚊症とブログ

常連さんから、「飛蚊症に鍼が効くのにどうしてブログがないのですか?」と聞かれた。我々からしてみると飛蚊症に鍼が効くのは我々の腕ではなく、患者の体質で決まるからである。こちらは長い経験があるから飛蚊症が良く方は何人もいるが、それは我々が治したわけではなく、ほぼ偶然である。たまたま良くなったのだから、運みたいな話でブログのネタにはならない。腰痛の難しい方をこちらが知恵を絞って治せばすぐにブログになるが…

お酒と食欲

よく患者さんから、「お酒を飲むと食欲が止まらなくなり食べてしまう」という声を聞く。気持ちは分かるが、私から見ると少し分けてもらいたいと思ってしまう。以前ブログで、「炭酸水について」書いた。若い頃、寿司が一杯食べたくて何とか満腹でも食べる方法はないかと実験したら、コーラを飲むと食べられることがわかった。これは炭酸のお陰である。だからビールやハイボールなどは食欲を増す。コース料理の前のシャンパンはその…

何処に行って何をやったらいいか分からない

最近は何故か酷い膝痛の方が多い。 ちゃんと病院で診てもらっても治療がうまくいかず、紹介やブログで来る。 そういう方の場合、殆どが膝の周りの環境が悪い。 太腿や脛が硬かったり、患部に熱を持っていたり、足首が不安定だったり、股関節に負担がかかったり・・・。 そういう場合はまず患部に注射を打っても効かない。 しかし周りの環境を整えた上で、患部に治療をすると実に上手くいく。 治療は、「何処に行って何をやっ…

手術の後、突然力が入らなくなった

股関節を手術した常連さんが順調に回復していたが、最近座っていて立つ時に手術したところに力が入らず、入れようとすると痛みがあるという。少し足を動かしたりすると治るという。術後は月に一度診て頂き順調に回復していたので、筋肉や骨の問題という事は普通は考えにくい。この訴えを聞いた途端、「腹圧では?」と感じた。「腹圧の上昇により足やお尻周辺の一時的な血行不良」と疑った。専門的には「一過性虚血」と言う。例えば…

ヒアルロン酸注射について

膝痛の人がよく整形外科で、ヒアルロン酸注射を打っている。ヒアルロン酸は粘性が高く関節内に注射をするのだが、ヒアルロン酸自体に「関節の動きをよくする」「炎症を鎮める」「軟骨を保護する」という作用がある。患者を診ていて何となく打っている方の方が膝痛の調子がいいように感じるが、おそらくそれには理由があると思う。ヒアルロン酸の作用だけでなく、まず注射を打つために病院に行く。余り膝が痛いとヒアルロン酸の効果…

本来なら患者さんから苦情が来るレベル

腰痛で通っている常連さんが、8割良くなったがそれ以上治り方がのんびりしている。以前ブログで、「残り5%の痛み」でも書いたが、8割痛みを取ってそこから残り5%までもっていくのは至難の業である。我々が与える治療には限界があり、後は患者さんの努力で、「筋トレ」や「食生活の改善」「断食」という話になってしまう。どうしても我々が入れない領域である。その事をこちらはわかっているから、「残り2割ぐらいから治療は…

ジョギングを止めたら腰が楽になった話

坐骨神経痛の常連さんが今まで続けていたジョギングを止めたら、腰が楽になりゴルフの調子が良いという。今までは、「ジョギングをしなければ健康になれない」と思っていて、それで足腰に負担をかけ腰痛が治らず、ストレスから過食になっていた。その状態でゴルフをするからいい成績が出ない。するともっとジョギングを頑張って過食にもなってしまう。これでは治らない。たまたまジョギングをスロージョギングに変えたら、思いのほ…

お年寄りと時間感覚

昔読んだ本に、「年をとると時間の感覚が変わる」と書いてあった。 何かやる時の感覚は下記の通りである。 10代は30分以内に出来れば 20代は1時間以内に出来れば 30代は午前中に出来れば 40代は今日中に出来れば 50代は今週中に出来れば 60代は今月中に出来れば 70代は2-3ヶ月の内に出来れば 80代は今年中に出来れば となる。これは成る程と思った。だからお年寄りが何かしたい場合、「○○がした…

患者の分かれ道

常連さんが酷い寝違いを起こした。調べてみたら腕のこりが酷く、ストレス性とわかった。話を聞いたら休みの日もバイトをしていてそれを身体が嫌がったのであろう。身体にしたら、「休みの日まで仕事されては休息できない。本人に少し強い首の痛みを出してやる気を削ごう。」といったところだろう。前回治療したらあまりの腕の酷さに全く筋肉が反応しない。筋肉に、「その程度の刺激ではほぐれるものか」といわれているように感じた…

踵骨痛(かかとの痛み)と捻挫

常連さんが歩くとかかとが痛いという。かかとの痛みを我々は「踵骨痛 しょうこつつう」と呼んでいるが、捻挫と同じように考えると治療がうまくいかない。捻挫ならある程度時間が経てば必ず楽になるが、踵骨痛の場合は悪化させてしまうとたちが悪い。踵にはトゲのような構造(踵骨棘)が出来てしまうことがあり、一度痛みを出してしまうと痛みが続く。だから痛みが出たら悪化させないようにしてすぐに処置する必要がある。足底(足…

股関節痛と筋トレ

以前常連さんから、「股関節症のブログが少ない」と言われてブログを書いた。手術の成功率が上がり、注射などもあり、あまり我々の出番がない。スポーツ選手はよく股関節や鼠径を傷めるが、専門の所に通っている。一般の患者さんが股関節を痛めるとスポーツ専門の所に行く方は少なく、病院で理学療法士に指導をもらう。そこで言われるのが、「プールで歩行訓練」「筋トレ」「減量」である。股関節に痛みがある場合は歩行訓練を水中…

暇な時に差がつく

常連さんでさして身体が辛くないときに来る方がいる。今までは辛い時にしか来なかったが、段々身体の本質がわかるようになり、辛い時に治療していたのでは間に合わないと悟ったのだろう。そこを感じて頂けると我々もアドバイスが変わってくる。大きな会社の社長も、「忙しい時は仕事をこなすだけで精一杯。少し時間のある時に次の準備をしておかないと新たな局面に対応出来ない。」と言っている。我々の仕事もそうであるが、忙しい…