我慢弱いの具体例

言葉で我慢弱いというのは簡単だか、どうもしゃべっていて患者さんがイメージが掴めないみたいなので、少し具体的な話をしたい。先日ゴールデンウィークに初めて連休を頂き家内と名古屋と奈良に行ってきた。名古屋では名古屋城と徳川美術館を見る予定を立てていた。しかし天気も悪く名古屋城を見ただけで少し疲れて腰が痛くなってしまった。無理すれば徳川美術館に行けないことはないが、翌日のこともありそのまま奈良まで移動して…

棘と玉葱

常連さんが交通事故に巻き込まれ、首を痛めた。レントゲンを撮ってもそんなに酷い状況ではないが、我々が診ると筋肉の緊張があり、治療は必要なレベルである。整形に行ったりうちに来たりで鞭打ちの治療していた。そんな時きつい靴を履いた後で足の指の痛みが気になった。この方は我慢強い方なので、そのままきつい靴を履き続け、ついに痛みは腰にまで上がってしまった。以前から我慢弱い生き方と言っているが、中々この方は自分の…

減量と副鼻腔炎

減量中の常連さんが、腸炎に続き、副鼻腔炎をやったという。副鼻腔炎は昔で言う蓄膿症だが、これがあると咳が治らない。ひどい咳ではないが、少し喉を鳴らす程度の状況が続く。話を聞いたら「左副鼻腔炎」だと言う。鼻には鼻中隔と言って真ん中で左右を隔てているものがある。そのが偏っているのか、過去に中耳炎などをやったのか顎関節が悪いのか、歯茎に問題があるのかは調べてもらわないとわからないが、結構一側性というのはあ…

棚に物を上げて肩の痛みが出る

肩の治療のしている常連さんが突然肩の前が痛くなったという。本人は思い当たる節が全くないという。こういう事は仕事柄よくあるので痛みの出た数日前からどういう生活をしていたのか、細かく聞くことにしている。本人は殆どが覚えていないので、「○○をやったか?」「字は書かなかったか?」「普段と違うことはなかった?」かなど矢継ぎ早に質問する。肩の前面の痛みは力こぶの筋肉がついているところなので、何かを引っ張ったり…

頭痛と血管

昔は頭痛薬というとそんなに種類は多くなかったが、最近は血管が拡張しているのか収縮しているのか、神経伝達物質の状況などで「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つに分け、薬を変えている。「頭痛外来」も定着してきた。頭が痛くなると人によっては赤ワインが駄目だったり、チョコやコーヒーで楽になったりと日常生活と症状が密着している。この血管のことを考える時いつも頭を悩ませていることがある。それは腰などの痛い…

気付けに一杯

よく元気を出すために気付けに一杯などと言うが、これは実に理にかなっている。今日来た常連さんは数日前に気付けに一杯やった。そしたらとても体調が良くなったが、これはまぐれかと思ったと言う。昔田舎では大工さんが朝から酒を飲んで仕事をしていた。酒を飲むと真っ直ぐ釘が打てるという。自転車も酒を飲んでいる時の方が真っ直ぐこげる。大分前に警察で高齢者の運転と飲酒というデータを取った時に、素面より微量お酒が入って…

テニスと風邪

乳がんをやった方がストレス解消でテニスにはまった。久しぶりに来たので身体を診たら肘や腰が痛く頑張っている様子はすぐにわかった。しかし最近風邪を引いて治らず、根気もないという。血液のデータを見たら、ここ数ヶ月栄養状態が悪く、貧血も出ている。話を聞いたら、テニスを週3回やってその後はご飯が食べられないという。そうなると免疫は下がり風邪は治らない。何とも楽しいはずのテニスで悪循環になっていた。本来プロで…

「がん」を「ぽん」に変えてみる

Bi-Digital O-Ring Testを勉強してからがんの患者さんを扱う事が多くなった。 昔はがんは100人に1人で、すこし時間が経って10人に1人になった。 今では10人に3.5人で、30万人が毎年がんで亡くなっている。 やがては10人に6.5人になるという。 3人に1人が3人に2人になる。 統計を見るとがんと言われた方の半分が亡くなっている。 テレビでも最近芸能人のがんが多いので、「乳が…

シナリオ論

今日来た妊婦さんに、「人の運命にはシナリオがある。これは以前学んだことだが、東大で26組の一卵性双生児の経過を研究した。一卵性なので一つの卵を2分割、全く遺伝子が同じである。片方が東京に住んでいてもう片方が大阪にいるとする。年齢が同じだから恋愛時期や結婚、出産時期がかぶる話はわかるが、片方が交通事故をするとほぼ同じ時期に相手も事故に遭うという。そして久しぶりに会うと殆ど同じ服を着ているという。興味…

「○道」と身体の使い方

剣道、柔道、合気道、茶道、華道、書道、香道など「道」とつくものは多い。古い歴史と根本精神を学びながら道を極めていくのだろうが、武道では身体の使い方を学ぶのに対して、茶道、華道、書道、香道などを究めるためにこう身体を鍛えなさいという話はあまり聞かない。技術を習得していくかで自然に身につくものなのかも知れないが、あっても良さそうなものである。我々の世界も「治療道」と言えないことはないが、はっきりと身体…

大人の言うことを100%信じない方がいい

中学生で運動部の子が部活で身体を痛めた。トレーニングの中身を聞くと、そんな事をやったら体を壊すのは当然という内容だった。本人は指導者に対して忠実なので、文句を言えない。ただ身体が酷くなっていくだけである。母親としてはどうしていいか分からない。今部活で「二合飯を何が何でも食べさせて身体を作る。」というのをやっているらしい。多少の体調不良があってもその後身体が強くなれば良いが、下痢ばかりで体調が回復し…

野球と中殿筋

仕事柄野球少年は時々診る。以前手こずった子がいてピッチャーの肩痛なのだが、何をやっても痛みが取れない。困ってある先生に聞いたら、「お尻の横の中殿筋をいじってみたら。」とアドバイスを頂いて、実践したら簡単に痛みが取れてしまった。結局、肩をフレキシブルに動かすために、中殿筋(お尻の横の筋肉)を使っているのである。逆を返すとお尻が硬いと肩は動かないということである。それ以来肩の関節の可動域を診る時は必ず…

散財してストレス発散

今日来た方は1週間前と比べて殆ど良くなっていない。症状が全部良くなってしまえば6000円頂いていいのだろうが、治療効果で言えば1000円程度しか効いていない。昔なら申し訳ない気持ちとお詫びの気持ちがあったが、最近は別の考え方を持っている。以前お金持ちの方がストレス発散法として、「最大限のオシャレをしてロールスロイスで最高級レストランへ行き、好きなだけ注文するとストレスが抜ける。」という話を書いた。…

小指を骨折して何が起こるか

常連さんが小指を骨折した。最近はリハビリも殆どやらないので仕方がない部分はあるが、小指を痛めると身体にどんな影響があるか次のような話をした。 包丁が使えない(小指が効かないと包丁を強く握れない) 小指の痛みが続くと肩や首までおかしくなる 折っていない反対側までおかしくなる 首肩の左右差で頭痛を起こしやすい 痛みに耐えると身体の神経が興奮して末端がこりやすい 交感神経優位になってしまい胃腸が動かなく…

鬱病と新人

鬱病治療をしている方がひどくさえない顔で来た。見た途端悪化がわかったので話を聞いたら、職場で人間性を疑うような人が入ってきて担当してくれと言われたという。患者さんは我慢強い方なので、「あなたがこのまま我慢すればもの凄い不味いことが起こる。そんなに問題児なら今なら社長に言って止めさせてもらえば良いが、時間が経つとあなたの病気が悪化して仕事の能率が落ちる。新人が社長に何かあることないこと吹き込むとそれ…

旅行と我慢弱さ

初めてゴールデンウィークに連休を頂いて、名古屋と奈良に行ってきた。名古屋では名古屋城と徳川美術館を見る予定だったが、名古屋城で歩き疲れてしまって徳川美術館は見ずに奈良に移動した。奈良は明日香の古墳や遺跡を自転車で見る予定で10ヶ所ぐらい予定していたが、途中から強風で6ヶ所ぐらいで自転車を返し、車で回れる範囲に留めた。おそらく殆どの方は折角来たのだから全部無理して回ろうというのではないだろうか。仕事…

頬で良かった

体調管理をよくやっている常連さんがヘルペスが出たという。初めは顔の頬の湿疹かと思っていたらピリピリするので医者に行ったら、ヘルペスと言われ抗ウィルス剤を5日間出され、事なきを得た。本人にしてみるとそんなに免疫が落ちているとは思えないし、体調も悪くないのにどうして出るのかわからないという。確かに医学書には体調が悪い時、免疫が下がった時に出るとは書いてあるが、実際は患者を診ているとどんな状況でも出る。…

妻が願った最期の『七日間』

新聞の投書欄に掲載された「妻が願った最期の『七日間』」という詩が話題となった。詩をつづった男性の思いとは。今年1月、小腸がんで亡くなった宮本容子さん。亡くなる直前、病床で容子さんが話した願いを夫の英司さんが詩に書き留めた。タイトルは「七日間」。 神様お願い この病室から抜け出して七日間の元気な時間をください 一日目には台所に立って 料理をいっぱい作りたい あなたが好きな餃子や肉味噌(みそ)カレーも…

耳鳴りと鬱病

長年耳鳴りが治らない方は多い。どうしても夜寝られなくなったり、不安になる。精神安定剤や睡眠導入剤が増えてしまう。気持ちは分からないでもないがこういう場合、診てもらっている医者が複数になると、酷い方で8-10剤ぐらいの睡眠導入剤と安定剤を飲んでいる。そしてお互いの医者が他の先生の処方を知らない。患者がこれはこっちの先生がいいと思って、一つの症状だけ相談する。仕事柄、そういう方に出ている処方箋を見ると…

踵(かかと)の痛み

以前、踵骨(しょうこつ-かかとのこと)痛に関しては書いた。中々初期に治療しないとどんどん酷くなり、歩けない場合も出てくる。ではどういう手順で治療するのか患者さんに説明したので少し書いてみたい。 病院で足のレントゲンを撮る 酷い場合は手術 注射で対応 足底板(中敷き)を作る 筋肉をほぐす 筋力をつける まず、足のレントゲンがないと中がわからない。よく骨棘(こっきょく)と言って棘が出ている場合がある。…