症例

繊細で鈍感が大事

定例で治療を受けている方は多い。特に何処か痛くなくても定期的に治療をしていると、身体が段々敏感になってくる。今までなら感じなかった症状など感じるようになる。ある意味敏感になったので良いことなのだが、時々感じすぎて悩みになることがある。良く服に例えるのだが、今までの服は殆ど黒で多少汚れても目立たないが、治療をしていくうちに段々白くなる。服が純白になればなるだけ少しの汚れが目立つ。そして気になる。だか…

少年野球の肩

親が野球に熱心で子供にプロのコーチをつけ、将来はプロを目指しているご家庭はよくある。時々治療を頼まれるが、どのケースも一筋縄ではいかない。治療は小学生から高校生ぐらいのピッチャーが殆どだが、何回もこちらが冷汗をかいている。肩を酷使していることはわかるが、簡単に治療して治まるケースなどほとんどない。今まで1番酷いケースで医者でステロイドの注射を打ってもらい効かず、肩だけの治療で90分やってようやく治…

背中の痛みとババ抜き

背中の痛みの酷い方が鍼が効き、気分が良いという。これは治ったわけではなく、ただ感じにくくなっただけである。触ればしっかりこりはあるし、少し強めに押せばやはり痛がる。こういう場合、ババ抜きの話をする。背中が痛いと言うことはそこに大きなババがあるようなものだ。鍼でそのババが違うところに行った。背中はババがないので痛くない。本人は治ったという。しかしそのババは小さくなって何処かに行っている。頭、肩、首、…

便秘と振り子

がんの予防的治療をしている方が少し腸の調子が変わって不安だという。今まで長い間便秘だったが、数ヶ月前に調子が良くなり、最近は下痢気味だという。食事をした後お腹が痛くなったり、今までにない症状があるという。こういう場合、我々から診ると便秘の時は腸が敏感でなく症状が出なかったのに、少し下痢気味になると腸が敏感になる。こういう時にこそ、自分の腸が喜ぶ食べ物を見つけられるのでチャンスである。本人は乳酸菌で…

「リハビリ難民」と「手術は成功」

脊柱管狭窄症の手術をした方がここ数年調子が悪いという。手術のあとはリハビリがないので、以前書いたリハビリ難民になってしまっている。手術後に症状が殆ど改善しないので医者に言ったら、「手術は成功」の一点張りで話を聞いてくれないとい。この話は「手術と完治」で書いた。再手術の可能性はと聞いたら、「改善の見込みがないからしない。」と言う。具体的症状を聞いているうちにおかしな事に気がついた。脊柱管狭窄症は必ず…

マウスピースについて

以前から歯科治療の重要性は書いている。 中々改善しない首や肩の症状、頭痛に鼻に耳の症状もマウスピースを使って、噛み合わせで良くなることは多い。 最近は鬱病の方はまず、歯科を受診して戴く。 当院に来られて話を聞いて全身状態を診て、まず歯医者である。 これには理由があり、以前首の悪い方の治療を丁寧にしていたときに、たまたま通っていた歯医者で噛み合わせをいじられた途端、今までの首の治療が全て駄目になって…

パソコン病治療のコツ

パソコン病の話は以前から書いている。いわゆる人差し指のクリック病であるが、治療となると中々手強い方がいる。単純に腕を揉んで良くなればいいが、殆どの方は簡単には腕がほぐれない。屈筋や神経の走行、伸筋腱の付着や反対側の治療とあの手この手を使わないといい結果が出ない。そんな時辛いのが指の痛みだけであれば、整形外科でステロイドの注射を勧めている。即効性があり、うまくいけば1回の治療で痛みが治まってしまう。…

心と身体のスイッチ

長年仕事をしていると、患者さんの言葉を真剣に聞かなくなる。「今日は先生、仕事もうまくいったし、心は晴れやか、身体は絶好調だ。」「そうですか、では拝見しましょう。・・・・・・・・・・・・・・。前回と殆ど変わりませんが・・・・・。」「そんな事はないはずだ。気持ちが全然違う。肩こりも感じない。」そんな会話をしながら腕や足など触ってみると硬い。本人も認めざるをえない。そんな会話を2-3回すると、「今日はど…

寝たきりと食生活

風邪で寝込むことはよくある。寝過ぎて腰が痛い経験をされた方も多いと思う。こんな時は注意が必要だ。寝過ぎて腰に痛みの出るところと、食生活で刺激物の摂取、甘い物取りすぎは同じ場所に出る。風邪で寝ているときは栄養を取らなくてはならないと甘い物や、食欲が出ないから刺激物を摂取していると、腰痛が悪化する。水分は必要だが、具合の悪いときは胃腸を休め、ゆっくり寝ている方が良い。栄養のことなど考えなくてもたっぷり…

低周波治療について

太腿や脛が硬く、中々ほぐせない場合はまず鍼を打ってほぐれるかどうか様子を見ることがよくある。それでもだめなら低周波治療をよくする。我々は低周波治療の事をパルスと呼んでいるが、患部2箇所に鍼を刺しその間に電気を流す。昔からよく行われているやり方だが、筋肉痛など一気にほぐれることがあり、いざというときには心強い治療法である。脛のこりも筋肉痛と冷え、ストレスではほぐれ方が違うが、踊りなどをやっている方の…

晩酌は太る

親の介護をやっている方が最近メキメキと太ってきた。話を聞くと夜の10時ぐらいになると介護や家事から解放され、1人晩酌が唯一の楽しみだという。外食なら家に帰らなくてはならないので、ある程度の歯止めはかかるが、自宅なら多少飲み過ぎても問題はない。化粧も落とし、風呂に入った後での開放感はわかる。どんどんお酒が進み、美味しいものも最近はいくらでも産地から送ってくれる。まさに極楽の境地である。色々な方を見て…

18歳と81歳の違い

これもネットで見つけました。 あまりに見事なのでシェアします。 心がもろいのが18歳・・・骨がもろいのが81歳 道路を暴走するのが18歳・・・逆走するのが81歳 恋に溺れるのが18歳・・・風呂で溺れるのが81歳 社会に旅立つのが18歳・・・あの世に旅立つのが81歳 まだ何も知らないのが18歳・・・もう何も覚えていないのが81歳 東京オリンピックに出たいのが18歳・・・東京オリンピックまで生きたいの…

手術と完治

これは以前病院で体験したことだが、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが痛みとシビレで悩んでいた。医者が手術を勧め画像で色々と説明をして、「この椎間板が悪いことをして、痛みとシビレを出している。手術で取れば良くなる。」ということで手術を受けた。しかし術後、痛みは取れたがシビレが取れない。患者はすっかり完治するものと思っていたので、「先生お陰様で痛みは取れたのですが、シビレがダメです。僕は手術で両方完全に治…

幸福の究極「サザエさん」

私が子供の頃からサザエさんは有名だが、波平さんが54才とあるとき聞いてびっくりした。昔の54才はあんなに年寄りだったのか・・・。そういえば還暦のイメージは赤い服を着た本当におじいさんだった。それはさておき、ある方から、「家内の実家に移り住もうと思っているんだけどどう思いますか?」と聞かれた。「それは最高だね。色々と仕事とか姑問題とか、乗り越えなければならない問題はあるだろうが、それが1番良い。」と…

婦人科の影響を受ける片頭痛と下垂体

少し仰々しいタイトルだが、女性で生理の影響を受け片頭痛の方は多い。薬が効かないかも多く、鼻炎や歯の噛み合わせ、首のゆがみなどが原因なら楽だが、すこし難しくなると甲状腺が絡む。もっと難しくなると下垂体が絡む。下垂体とは何となく聞いたことがあるだろうが、脳の底面で鼻の奥にあり、ぶら下がっているのでこの名前がついた。抗利尿ホルモンや成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモンと性腺刺激ホルモンなどがあり、ストレスに…

差し歯とパソコンでアトピー性皮膚炎

若い男性がアトピー性皮膚炎できた。子供の頃は酷かったが、小学校3年ぐらいで治って社会に出たら、又酷くなったという。子供のアトピー性皮膚炎は多いが、大体10歳ぐらいまでに治まる方が多い。この方はその後完治していたので、社会に出てからのアトピー性皮膚炎が再発したということは明確に原因がある。仕事がきついのか、色々話を聞いたら、22歳で前歯を折ったという。差し歯にして仕事でパソコン仕事が増えると具合が悪…

音楽家の身体は格闘家と同じ

以前から何人かの音楽家を治療している。ほぼ全員に言えることは身体が格闘家と同じである。傍から見ていると音楽家は上品で身体を酷使する格闘家とは全く違うと感じるだろうが、実際はそうではない。自分の才能と戦い、心の中でもがき、挑戦して敗れ、又希望を燃やす。格闘家がアドレナリンが沢山出て、闘う時と全く同じである。決して上品に音楽活動をしているわけではない。以前、亡くなられたN響の岩城宏之先生の話を聞いたこ…

妊娠中に受け入れ体制を整える話

以前から「新米ママ」の解説で妊婦さんの不安や子育てのコツ、子供との関係を話してきた。妊娠中の治療は殆どが腰痛と足の浮腫であるが、治療しながらこれから始まる子育てのために、心と体が準備していると感じる。妊娠前は辛い症状があると完治まで治療を求める方が殆どだが、妊娠中の症状は中々完治しない。腰にしても浮腫にしても吐き気にしても、本人も仕方がないと思っているから、少し楽になればいいやと思っている。子育て…

身体を基準にした生き方

1年前に心臓を手術したが何となく調子が悪く、最近肺炎で入院したという話を聞いた。これはよくあることで、患者さんは心臓の手術をすれば完治して、すごく元気になると思っているがいまいち調子の出ない方は多い。そんな中仕事もセーブせず、手術をしたのだから大丈夫とばかりに頑張ると、免疫の低下と共に肺炎を起こす。本人は、「こんなはずではなかった。」と言うが、我々から見ると、「やはりやりましたか。」と言いたくなっ…

食べられる量と食べていい量は別

付き合いで焼肉を食べ過ぎて調子が悪いという方が来た。断れない状況はわかるが話をしながら、食べられる量と食べていい量は別と言う話をした。胃が丈夫な方はかなりの量を食べられる。何となく能力が高く、偉いような気がするが健康とは関係がない。筋力であれば余裕があるという話だが、食べられる量で健康は測れない。食べていい量をきちんと食べている方の方が健康的である。昔は「恰幅(かっぷく)が良い」というのは褒め言葉…