症例

身体を基準にした生き方

1年前に心臓を手術したが何となく調子が悪く、最近肺炎で入院したという話を聞いた。これはよくあることで、患者さんは心臓の手術をすれば完治して、すごく元気になると思っているがいまいち調子の出ない方は多い。そんな中仕事もセーブせず、手術をしたのだから大丈夫とばかりに頑張ると、免疫の低下と共に肺炎を起こす。本人は、「こんなはずではなかった。」と言うが、我々から見ると、「やはりやりましたか。」と言いたくなっ…

食べられる量と食べていい量は別

付き合いで焼肉を食べ過ぎて調子が悪いという方が来た。断れない状況はわかるが話をしながら、食べられる量と食べていい量は別と言う話をした。胃が丈夫な方はかなりの量を食べられる。何となく能力が高く、偉いような気がするが健康とは関係がない。筋力であれば余裕があるという話だが、食べられる量で健康は測れない。食べていい量をきちんと食べている方の方が健康的である。昔は「恰幅(かっぷく)が良い」というのは褒め言葉…

ピアノと花粉症

最近何となく調子が悪いという方の体を診たら、腕のこりがひどい。腕は使うかストレス以外硬くならないので、何をしたか聞いたら、何もしていないという。腕の硬さから推測して3週間ぐらい経っていたので、2-3週間前は?と聞いたら、そういえば、娘とピアノの連弾をしたという。ピアノは久しぶりだったので、思いっきり叩いたという。原因はわかったが、その頃から花粉症がひどくて、最近は花粉がよく飛んでいのだろうと思って…

煙に巻く

慢性病の方は多い。 肩はこり、心臓は苦しい、胃の調子は悪いし、腹圧も高い、腰はだるいし、足はシビれる。 何処から治療したらいいのか、病気の犯人を捜そうにも色々とありすぎて、何処か一ヶ所だけ治療してもうまくいきそうにない。 そして辛い症状が続いている。 そんな時はのらりくらりと、煙に巻く治療がいい。 腰が辛いと言われれば腰を重点的に治療し、胃腸が悪いと言われればお腹を揉み、患者さんの言われるままに治…

胆嚢と甘い物

仕事でストレスがかかった方が右脇腹がおかしいという。本来なら病院で超音波をしてもらい所だが、本人は肋間神経痛かも知れないので診て欲しいという。身体を診たら心臓、膵臓に異常部位が集中している。「相当なストレスだったのでしょう。」と言ったら、「かなりなものです。」と言う。ストレスは末端に出るので脛など治療しても全く反応しない。心臓の反応も強い。胃を診たら腹圧は高いし、スタマックラインの反応も強い。何処…

頚椎椎間板ヘルニアについて

肩と胸が痛く、手に力が入らないという方が来た。初診時は悪い方の右手の握力を測ったら5kg。これは何を意味するかと言うと、握力が7kgを切ると茶碗を落としたり字が書けない。5kgでは殆ど仕事にならない。その後、病院で詳しく調べてもらったら頚椎椎間板ヘルニアだという。そして医者に手術を勧められ、どうしようか判断に困っているので来たという。また握力を測ったら、7.5kg。何ともギリギリセーフである。たっ…

告知について

常連さんとある方は足の内転筋(内股の筋肉)がなくなり、膝痛がひどいという話をしていたら、「その方は大変ね。」と言う。「あなたも内転筋は弱いから、あまり他人事ではないですよ。」と言ったら、ビックリしていた。「何で教えてくれないの?」「今は膝に痛みを感じないからいいでしょうが、少し危なくなったら言おうと思っていました。」「え、そんな状況なの?」「そうですよ。」「・・・・・。」我々は数多くの方を触ってい…

いつもと違うことをする訓練

金融関係の方から面白い話を聞いた。以前の金融大暴落の反省で、「音楽が鳴り止むまで踊ってしまったことが敗因である。音楽が鳴り止む前に踊りを止めていればこうはならなかった。」と言った方がいるという。これは何とも含蓄のある言葉で、医療にもそのまま当てはまる。薬を飲み続けいつか止めなければと思って止められない。悪い習慣だとわかっていて止められない。その方に、「実際どうすれば避けられるのですか?」と聞いたら…

女性の便秘

女性で便秘の方は多い。腸と体調のパンフレットでも女性の常習性便秘で1番多いのは、「今はちょっといいや。」だから、「親が死んでもトイレが先」という言葉を作って、女性には便意があったら必ず満たして欲しいと警告をした。当院の常連さんでもこの言葉は知っていても便秘の方は多い。「中々仕事中は・・・。」そうなると便秘薬に頼る。便秘薬も腸を無理矢理動かす薬、便を溶かしやすくする薬、便に水分を含む薬など種類がある…

心と身体のタイムラグ

心身共にストレスたっぷりでひどい方はよく来る。ストレスの反応は身体の末端や心臓の裏(左肩甲骨の下の所)に出る。心臓の反応点に関して私は「ヤダモン君」と言っている。何か嫌で仕方がない状況にあることが容易に想像がつく。そして筋肉の硬さから経過時間もわかる。数日なのか、数週間、数年までわかる。時々、こちらが診てまだ身体にこりが残っているのに、本人は殆ど問題解決したというケースがある。身体は嘘をつかないか…

食中毒と貯金

以前から免疫に問題があり通っている方が、最近は余裕があり貯金治療がうまくいっている。2日ほど前に半生のハンバーグを食べて口に含んだ途端、少し変かなぁと思ったが食べてしまったという。その後からお腹が痛くなり、少しビオフェルミンを増やして様子を見ていたが、あまり改善しないので来たという。これは食中毒である。数年かけて貯金治療まで出来ているので大難が小難で済んだが、普通なら下痢が止まらず入院騒ぎである。…

ウィルスの戦略論

免疫に問題があり、ウィルス治療をしている方に「ウィルスの戦略論」の話をした。ウィルスは結構したたかなところがあり、こちらが少し油断しただけで攻めてくる。「よりによってこんな時に・・・」よくこういう感想を患者さんが言う。ウィルスは宿主の患者さんを24時間注意深く監視していて、他の少しの隙間を狙って神経に反応して痛みを出したり、皮膚に赤みを出す。そして巧妙なのが、患者さんが仕事などをしていて交感神経優…

笑えるのは、楽しんでる証拠

たまたまネットで見つけました。 笑えるのは、楽しんでる証拠。 怒るのは、真剣だった証拠。 喧嘩するのは、一緒だった証拠。 つまずくのは、進んでいる証拠。 裏切られるのは、信じていた証拠。 失恋は愛していた証拠。 「疲れた」は、頑張った証拠。 「失敗した」は、挑戦した証拠。 「もう止めようかな」は、まだ希望を捨てずにいた証拠。 「素直になれない」は、それだけ愛している証拠。 もう良いは、全然よくない…

困ったときの一手

長年仕事をしていると治療の残り時間が殆どないのに、症状が全く改善しない方が時々いる。こちらは焦って何とか「起死回生の一手」「満塁逆転ホームラン」を狙いたいが、中々そう楽ではない。特に手のシビレなどは長患いの方が多く、少しぐらい首をいじっても変化しない。そんな時によく使うのが、腕神経の治療である。聞き慣れない言葉だが、解剖を勉強すると必ず出てくる。首の下に鎖骨があるが、そのすこし上で気持ち横を腕に行…

膝痛の苦い思い出

数年前に群馬県から膝痛の方が通ってきていた。診た感じはそんなにひどくなく、良くなると思って治療したが、まったくと言っていいぐらい効いていない。こちらもあの手この手と数種類のやり方を試したが、とにかく痛みが取れない。段々打つ手がなくなり、患者さんにお詫び方々、お手上げ宣言をした。それから数ヶ月して別の症状で来られた。こちらは気になって、 「あの膝はどうしました?」 「今は痛みは取れています。」 「何…

右肩とタイ料理

これは少し前の話だが、精神科の医者が右肩が痛くて治らないという。自分で注射を打ったり、ジムに通ったがよくならないので来たという。身体を診ると右の背中が異常に硬い。これは胆嚢の反応なので、「先生、何か辛いものを食べていますか?」と聞いたら、最近仕事が忙しくて休みの日のタイ料理にはまったという。そのお店は自分で唐辛子を入れられて、毎回量が増えているという。原因が簡単にわかったので、先生に、「先生、辛い…

ヨガと下痢

数日前にヨガをやって突然腰が痛くなったという方が来た。1ヶ月前も同じような方が来たが、潜在的にヨガで身体を痛めている方は多いのではないだろうか。話を聞くとヨガをやった数日前まで宴会続きで、下痢をしていたという。学生時代から多少体調の悪い時は身体を動かして治すというのがしみついていて、気にせずやってしまったという。そのヨガは正座をして身体を後ろに倒すもので、太腿は伸びるがその後すぐに腰を痛めたという…

減量のコツ

減量に取り組んでいる方は多い。腰痛や膝痛、がんの術後の免疫治療やアトピー性皮膚炎、喘息と減量により改善する症状は多い。色々な方を診ていると減量にはどうもコツがある。いくつか披露したい。 1.まず、月に2kg以上は落とさないこと。これは体重が100kgの方も70kg方も同じである。初めは頑張り月に4kgぐらい落とす方がいるが、大体リバウンドする。逆に落としすぎると食べて欲しいと指導する。 2.食べ物…

紹介が出ると技術が1/100から1/1000になる

長いこと仕事をしていると紹介が増える。有り難いことだが、厳しい一面もある。例えばAさんが5人にしゃべったとして、5人全員良くなって次の6人目にしゃべる。5人紹介して3人しか良くならないとAさんは6人目に声をかけない。紹介する方も不安だからである。「あの先生に紹介して大丈夫かしら。」という心理が働く。こちらも神様ではないので、全員良くならないまでも今まで受けた治療で1番いいとなれば、紹介は出る。そし…

休息と甘い物

80代の女性が母の葬儀のあと介護がなくなり、最近腰が痛いという。調べてみると腹圧が異常に高い。動かなくなっても食欲は普通は落ちない。胃腸も筋肉だから身体を動かして血流が良いときは働くが、居間でゴロゴロしながら甘いものを食べ過ぎれば腹圧が上がる。「軽い断食でもしたらどうですか?」と言ったら、「絶対にいやだ。」と言う。「今どんな食生活をしているのか?」と聞いたら、「朝4時に起きてまずお菓子、6時から朝…