キーワード 膝痛

膝が痛くならない坂の上り方

常連さんがいつも自宅近くの山を登って筋肉に負担をかけているのに、今回は全く問題がなかったので何が違うのか聞いたら、「家内が坂はジグザグに登るといい」と言ったのでその通りやったという。これにはビックリした。奥様は治療のプロなのかと思ってしまった。我々は膝を痛めた方のリハで初めはプールで筋トレの訓練を指導する。そこである程度成果が上がれば、今度は上り坂か階段でトレーニングする。しかしきつい坂だと膝の上…

色々出る症状と貧乏

膝痛で通っている方が最近少し悪化して、反対側の脚や腰まで痛くなったという。我々からすれば反対側の脚や腰はよく症状が出るところなので、「あ、そうですか」で終わりなのだが、患者にしてみると、今までより痛い範囲が拡がって「反対側や腰ですよ!!」となるのであろう。こういう場合は、適切かどうかはわからないがよく貧乏の話に例える。あるお宅の父親が病気で稼ぎがなくなり、いくら母親が働いても追いつかない。子供はろ…

内転筋の鍛え方

日舞の方膝痛でよく通っていて、「少し内転筋を鍛えようと思ってストレッチで内股を伸ばしています。」と言う。我々から見るとストレッチしても鍛えられるわけではない。ではどんなやり方が良いのだろうか。若い時にスポーツの心得のある方なら、レッグマジックなどはお薦めである。しかしこれはやり過ぎると炎症が起きてしまい万人向けではない。日舞ぐらいの方ならゴムボールを内股に挟み、両足で少しつぶすぐらいの筋トレがいい…

あれもこれも治療しない方がいい

肩の痛みで通っている人が、突然ぎっくり腰を起こしたという。下半身を調べてみると筋肉の硬さから1-2ヶ月間ほど相当負担をかけていることがわかったので話を聞いたら、「従業員が辞めてしまって私が現場で作業をすることになってしまった。少しきついとは思ってもう2ヶ月ぐらい経つ。」と言う。「いつもの肩もまだ痛いから腰と肩を両方お願いしたい。」とのことだったが、「こういう場合は腰だけ集中してやった方が成績が良い…

患者道

凄い名前だが、患者にも道がある、患者のプロになれということである。今日来た患者は関節の痛みの注射をしていて、一時期より大分いい。担当の先生になんて言っているのか聞いたら、「まだ痛いんです。」と言うという。これでは患者のプロになれない。「先生が処置をして頂いたお陰で以前は2週間も良い状態が続かなかったのですが、最近は2週間経っても大丈夫なんです。これは本当に先生のおかげです。有り難いです。しかし少し…

膝サポーターの巻き方

膝痛の方は多いので、過去に色々とサポーターは試しましたが、「スーパープロ ニーラップ」が一番すぐれています。利点は巻きやすさと自由に強さを変えられること、そして脱着が楽なことなどがあげられます。動画では素肌に巻いていますが、ズボンの上からでもいいと思います。かえってズボンの下に巻いてしまうとめくるのが大変なので、ズボンの上からをお薦めします。コツがいくつかあって、すこしまとめます。 アマゾンでの購…

アキレス腱手術後のリハについて

常連さんがアキレス腱を切り、手術を受けた。最近は病院であまりリハビリをしないので、手術が終わればそのまま出されてしまう。そのまま治れば良いが中には、違和感を訴え続ける方もいる。今日来た方は、「何となく踏ん張れないし、足は浮腫し、趾の感覚がおかしい。1時間以上歩けない。」と言う。詳しく診てみると、手術した足関節をほんの少し動かしただけなのに患部が熱を持つ。これは異常である。趾の感覚も5本中、4本が反…

レントゲンでは異常がない

この仕事をしていると、「レントゲンを撮っても異常がないと言われるんです。」とよく言われる。 腰痛、膝痛、首の痛みなど確かにレントゲンだけの診断では、原因を確定しにくい。 病院にMRIがあり、詳細が分かればもう少し原因特定できるのだろうが、必ずMRIを撮ってくれるわけではない。 最近では整形外科の領域でよく、超音波診断装置を使っている。 当院でももう導入して数年経つが、現実問題、超音波診断装置だけで…

健康格言

キリスト教徒の内村鑑三が、「人は後世に何を遺して逝けるのか。清き金かそれとも事業か、著述をし思想を残すことか。それとも教育者となって学問を伝えることか。しかし何人にも遺すことができる最大の遺物がある。それはその人らしい生涯を送ることである。」と説いた。 私も還暦を越えだしてから、何か後世に役に立つものを残したいという気持ちが出てきた。 では何を残せるかだが、仕事柄「健康格言」しかない。 普段何気な…

膝にテーピングをしたら悪化した話

膝痛の方はよく来るので、テーピングの使用率は高い。先程来た方は時々、膝痛を訴えるので必要に応じてテーピングは使っている。前回、膝にテーピングをしたらいつもなら楽になるのが、痛みが取れず気になって剥がしたら痛みが取れたという。こういう場合はどう考えたら良いのだろうか。まず我々がテーピングを使う目的は2つである。「筋力低下」と「筋肉が硬い」である。「筋力低下」はテーピングをして補強になるから痛みが楽に…

脚を高く上げる方法

大分前に踊りをやっている方が、身体の切れが悪くなり診て欲しいという。本人は必死になって稽古をしていたが、あまり技術が上がらないと言う。身体を診たら胃炎を起こしている。以前、「膝痛と胃炎」でも書いたが、胃炎の影響は左足に出るので、左膝の具合が悪くなってしまっていた。こういう膝痛は胃を治さない限り、治らない。いくら膝だけ治療してもダメである。踊りで足を上げる場合も同じで、胃の具合が悪いとまず左股関節ま…

百草丸を続けることの意味

百草丸は長野の御嶽山が有名で、山岳修験者の常備薬として数百年の歴史を持つ胃薬である。以前、「昔からある薬は他の薬とぶつかりにくい」と書いたが、私などはもう数十年毎晩枕元に置き、忘れないようにして飲んでいる。いちいち錠数など数えず、何となく調子が悪ければ多め、調子が良ければ少なめ程度の処方である。以前、「胃腸から崩れる」でも書いたが、体調を壊すのはまず「胃」からが多い。次に腸、そして腹筋が働かず、腰…

痩せれば膝が治るという幻想

少し太めの方が膝痛を訴えて医者に行くと話もろくに聞かないで、「あなたはまず痩せなさい。痩せないと治らない。」と言われ、頑張って痩せても治らないと途端に患者は怒り出す。「こんなに頑張って痩せたのに膝の痛みがなくならないではないか。」仕事柄リハビリをやっているとそういう苦情はよくこちらの耳にも入る。我々から診るともちろん減量は大事だが、それだけで良くなることはない。膝の関節の中の状態、周辺の筋力の状態…

小鳥タイプ詳細

小鳥タイプとは人の身体の筋肉の質を何パターンかに分類した時の1つの呼び名です。 大きく分けますと「小鳥タイプ」「ライオンタイプ」「宇宙人タイプ」「ターミネータータイプ」とおおよそ分類できます。 小鳥タイプは細身の女性に多く、いつも腰が痛いと言い、頭痛、生理痛、膝痛、坐骨神経痛や冷え性に悩まされ、体力が続かずすぐ根を上げてしまいます。それでも頑張ると信じられないような症状が出てきて、身体にやめさせら…

松葉杖、三角巾、サポーターは見せた方がいい

今日来た方は膝痛で初診時に膝のサポーターを指導した。あれから普段は着けているのかと聞いたら、「なんか格好が悪い。」と言う。我々から見ると、松葉杖、三角巾、サポーターなどは人に見せた方がいい。駅や階段などでも「あ、あの人、足がわるい。」「鞭打ちをやった人。」「膝に包帯しているから足が悪い。」と思われた方が安全である。以前、通っていた妊婦さんが「初めの子供の時は全然お腹が出ていなくて、電車で席を全く譲…

患者の創意工夫

減量をやっている方が中々成果が出ず、何か良い方法はないのかというので、「食事前にコップで2杯水を飲む。」と指導した。今日来て話を聞いたら、「水ではなく、炭酸にしたら食欲が出ている。全く減量できていない。」と言う。水を飲む話は食前に飲むことで食欲をそぐことである。しかし炭酸水は胃薬なので、炭酸では逆に食欲を出してしまう。胃粘膜の状態が良くなれば食べたくなるのは当然である。やっていることが全く逆である…

悪くない足を治療する話

先日、NHKのためしてガッテンを見ていたらリハビリの解説の中で、「脳卒中になって悪い足ばかりの治療では効果があまりなく、反対側のいい足を治療すると悪い方も良くなり歩けるようになる。神経は悪い方だけでなく、いい方にも少し行っているのだからそちらを調整することが大事。」と言うようなことをPT(理学療法士)の先生が言っていた。こういう内容をテレビでやっていただけると有り難いと思った。当院では以前から、『…

本当のことはわからない

ご紹介で膝痛の方が来た。松葉杖でいかにも痛々しい。レントゲンの結果を聞いたら異常はないということなので、定番のリハを何度かやったが、今一治りが悪い。こういう場合は何か見落としがあるので、「MRIを撮ってきて下さい。何か出ても不思議はないですよ。」と言って撮ってきてもらったら、「レントゲンを撮った先生に言ったら、MRIを撮ってくれて『少し膝の後ろに異常があるから少し安静にして下さい。』と言われた。」…

だらだら治療するのが1番

病院に勤務する前は骨接ぎにいた。どちらも保険が使えるので、患者さんは毎日来る。来ない患者さんがいると、「あら、あのおばあちゃんどうしたのかしら、具合でも悪いのかしら?」とこんな会話は日常茶飯事である。病院が年寄りのサロンになっている。そんな中で感じていたのは「毎日治療する効果は計り知れないものがある。」ということである。坐骨神経痛や膝痛、長患いの腰痛など毎日治療していると少しずつではあるが、改善し…